サリーちゃんの学校へやって来た転校生ポニーさん。
ポニーはインド系の外国人です。
母は日本人、父は外国人。
そして外国で育ちました。

彼女は日本を愛し、日本の文化と伝統を知ろうとします。
そして何より日本人の「お友達」をたくさん作りたいと願っていました。

ポニーは日本人を理解し、日本文化を認めようと努力します。
その努力は学校の庭園を菊の花でいっぱいにすることでした。
「蒔いた数だけお友達ができますように!」

でも、いじめっ子達に花壇をめちゃくちゃにされてしまいます。
犯人たちに謝らせようとして、サリーとカブが探しに行こうとしますが、
「待ってください。謝ってもらっても、お花咲きません。私の努力、まだ足りない。」
そう言って花壇を直していきました。





ある雨の日、種が流れることを心配したサリーとカブが花壇に行くと、そこには呆然として立っているポニーさんがいました。



再び荒らされた花壇、そして土にはバカと掘られていました。
涙を流しながら、土をかけるポニーさん。
「私の心、まだ通じない。日本の人、みんないい人。この菊が咲く時、きっとお友達になってくれる。私、負けない!」
そう言って倒れてしまいます。

実はポニーさんは生まれつき心臓病がありました。
手術を受けることになるのですが、助かる確率は50%です。

入院中のポニーさんの菊、菊の花…といううわごとを聞いたサリーちゃんは学校へ急ぎます。
荒れた花壇の土の中から菊の芽を探すサリーちゃん。
しかし、なかなか菊の芽は見つかりません。
あきらめかけた時に、やっと一つの芽を見つけます。
そこには、幾つもの芽が出ていました。
時を同じくして、ポニーさんは持ち直し、手術も無事に終わりました。

その後、ポニーさんに代わって花壇の世話をするサリーちゃんたち。
種は次々に芽を出し、だんだん手伝う生徒も増えました。
その中には、かつてポニーさんをいじめた子達の姿もありました。

やがて、花壇は『ポニーの花園』と呼ばれるようになりました。

そして全快したポニーさんを学校に連れてくるサリー。
ポニーの花園には菊の花が咲いていました。
「みんなあなたが蒔いた菊よ。いったい何人お友達ができたかしら?」
「いいえ、数えなくてもわかります。これなら学校中の全部がお友達です。」
「そのとおり」と先生が現れると校舎の窓や屋上、校庭からたくさんの生徒が顔を出し、「ポニーさーん」と手を振ってます。

「親友の皆さんありがとう!」と答えるポニーさん


この作品のテーマは当時としてはまだまだ浸透していなかった「異文化(多文化)共生」だと思います
今、観ると確かに古さは感じさせますね。
しかし、そのテーマは深く重みがあります。
特に人間は他文化を差別的に見たり、排除しようという悪い本能を持っているようですからね。

先生の最期の台詞が全てを物語っているように思います。

「友達に国境なんかはないんだよ。ただ最初はみんなちょっと恥ずかしかっただけなんだ。」



次回予告

 「まぁ、可愛いお人形ね。ねぇお兄さん、私にくれない?」
「う~ん…」
「嫌なの?」
「ううん、そうじゃないけど、明日学校に持って行かなくては」
「マンゾウ君、今日必ず持ってくるように言っておいたはずだ。どうして約束を破ったんだ?」
「変だわ、返事ができないなんて。何かあるのかしら?」
「なんだい、僕にも色々理由があるんだ。でも困ったな…」
みなさん、どうしてマンゾウ君は約束を破ったのでしょうか?
きっと仔馬だけが知っているのかもしれませんね
では次回、魔法使いサリー『みにくい人形』是非見て下さいね