前からいじってみたかったサスペンション。
バイクに乗り始めて8年間、一度もいじったことがなかった。
サスペンションをいじるのは、「減速で振られる」とか、「倒し込みが重い」とか、「立ち上がりでトラクションが不足している」とか、不満があるときに調整するものなのでしょうが、比較するものがないので、今の状態が良いのか悪いのか分からない。
難しいことは考えず、せっかく調整機構がつてるのだからさわって楽しみたい。
ということで、早速リア側からいじります。
リヤ側のセッティングの目標は、トラクションを感じられるようにすること。
メーカー出荷時はタンデム走行でサスがちゃんと動くようにセッティングされているそうなので、基本的に緩める方向で試してみます。
まずはスプリングに加重しているプリロードから。雑誌に書いてあるのを参考に2回転緩めてみます。
スプリング上部のリンクを専用スパナで回していきますが、ビクとも回らん。
いきなり出だしからやる気を削ぐ展開で、数時間格闘するも微動だにせず。
結局、バイク屋さんに行って回してもらいました。
帰り道、どんな変化があるのかワクワクしていましたが。
うーん、何か変わったのかわからん。
乗車してサスの長さの3分の1沈むように緩めるのが基本のようですが、測るのが大変なので、ひとまず乗車してるかどうかの差で3分の1になっているから良しとします。
では、気をとり直して次は伸び側減衰を緩めてみます。
セッティングには、スイングアームに開けられたサービスホールから3ミリヘキサゴンレンチを差し込んで調整ネジを回します。
出荷時設定は最強から２回転緩め。雑誌では最弱で試してみるよう書いてありましたが、一先ずさらに２回転緩めてみることに。
然し、またしてもやる気を削ぐような展開。手持ちのレンチでは長さが足りず、仕方なくホームセンターに買いに行って再挑戦。
ところが今度はネジ穴にどうしてもレンチが入らない。
またホームセンターに行って、先の丸いレンチを買ってきて、やっとどうにか回せました。
ネジ１つ回すのに、邪魔になるヒールガード外したり、普通のレンチは使い物にならないし。もう少しいじりやすく出来ないもんですかねぇ。
またまた気をとり直して、早速テスト走行を。
先ずはタイヤとサスを温めないとどうしようもないので、平地でスロットルを大きく開けてみると、おぉー、ググッとリヤに荷重がかかってる感じがする。
「いい感じやん。こりゃいきなり設定が当たりやなぁ」ってニンマリしながら走っているうちに、ふと疑問が。
ググッて荷重してる感じもするけど、少しズルズルって感じもする。
そこでサスに結束バンドを巻いて、どれ位サスが沈んでるか確認してみると…
完全に底付きしてるやん。
感じじゃなくて本当にズルズル滑ってた。
ビギナーズラックかと思ったら、緩めすぎで全然ダメ。
そこで半回転強めて、再度テスト。
今度は平地直進では余裕で底付きなし。まあ本来、加速ではフロントが上がるだけでリヤが沈む訳じゃないので、最初のセッティングが緩すぎたってことなのでしょう。
タイヤも温まったので、ワイディングでテスト。
登りで少し加速すると、やはり底付きしている。
下りでは大丈夫かなぁと思ってたけど、やはり底付きしている。
まだ緩すぎるってことかぁ。
ところで、今回プチセッティングを試してみて、結構乗り味が変わるのに驚いています。
ちっさなネジを少し回してるだけなのに、体感的には動きがかなり違う。
コーナーで自分の体重を加重していくときに、かけるポイントが広がった感じです。
いじる前は、ちゃんとあるべきところに加重しないと曲がる効果がないように感じるのに対して、いじった後は、内側ならどこに加重してもちゃんと倒れていくように感じる。
よく言えば余裕がある、悪く言えばピンポイントな場所がどこかわからないって感じ。
サスペンションのセッティングって、思ってたより面白い。
バイクシーズンの始まる来年春まで、色々試して楽しもう。
調整機構の付いてるバイクに乗ってる方は、ぜひいじってみて下さい。