つい数年前、総理大臣だった人が国の借金は日銀が買って、外国人が買うのは僅かだから、家庭で言えばオヤジ(政府)が女房(日銀)に借金しても問題ないように言っていました。

 ところがその借金が政府予算が300兆円、国際地方債合わせて1200兆円になったところで、ロシアのウクライナ侵略が始まり、ガス・石油の燃料も小麦も海外に依存している日本は値段が高くても買わざるを得ず、消費者物価はドンドン値上がりしている。同時に日本円はドンドン下がっている。

 日銀はデフレ克服してインフレ気味にしたいが金利を上げれば、大きな国債の利払いが巨額になるジレンマに陥っている。先に景気回復したアメリカは過熱を抑えるため金利を上げそうで、ドルの値打ちが上がり、逆に円安になる。すると輸入物価が上がり、この悪循環が回り出す。

 政治家は自分の政権の時だけ問題なければ、後は後輩の責任とばかり知らぬ顔。元英首相のチャーチルは『民主主義は最悪の政治体制。』と言った。もちろん封建政治や独裁政治よりはましだが、民主主義でも権力を握った者が賢明で公平な政治が出来る保証はない、あるのは選挙で交代させることが出来るだけだが、選挙民の見る目が低ければ、問題を掘り下げられず、人気投票で権力者が選ばれてしまう。

 また選挙の年になると気になるのは補助金・給付金の類の一時金が良く出る。選挙民はお金で票を釣られないような賢明さを持ちたい。自分たちの出した税金で釣られるほど腹立たしいことはありません。またその手続きの為に膨大なムダな経費が掛かっているのも事実です。政治とは一つ一つの出来事にバタバタせず公正・適正な施策が為されるような装置を作るのが仕事のはずです。

 政治レベルは国民のレベルを反映しています。先のアメリカの大統領の交代劇を見ても、民主主義の権化の国が、と心を痛めた方も多いと思います。