行動範囲を制限され、
自由もなく、
鬱鬱とした毎日。
息抜きは、必要なものを買うんだ!
と言い訳をつけて行く、
しまパト。
なんて言葉ができる、ずっとずっと前の話。
チュニックブラウスが大流行りした頃、
1000円弱で買ったブラウスの首元に何か欲しい。
スカーフ?
暑苦しい。
サラッと使えるネックレスが欲しいなぁ。
子も抱っこを要求する年でもなくなったし、
ちょーっとアクセサリーでもつけようか?
と色々見て回った。
ない。
これだ!
というものがない!
ショッピングモールをウロウロし、
値段もそこそこ、まあまあ気に入ったものを購入した。
家に帰って合わせたいブラウスにつけてみた。
これじゃない!
私が欲しいのは、こういうのじゃない!
過去の血が騒ぎ出した。
はるか昔、幼年期。
母の主婦の友の付録でついていた、
編み物入門を手本に、マフラーなど編んでいた記憶。
気にいるものが売ってなければ作れば良い。
子の通園用袋物を作るために言った手芸店。
毛糸や刺繍糸、小物を作るキット。
手仕事好きな血を、
今はやれない(作れない)
と押さえ込んで、目を伏せて商品を見ないようにしてきたあの場所。
あそこへ!
あえて目的は「そこ!」にして行った。
キラキラ光る小さな粒が私を出迎えてくれた。
ネックレスのキットを探したが、
私が買った物は、
小さなガラス玉を中央にあしらったブレスレットだった。
そこから火がついた。
まずはブックオフ。
なんて倹約家。
新刊本を買う勇気がない。
もし飽きたら?
時間が作れなかったら?
そのものが作れなかったら?
マイナス思考はモラ男に散々虐げられてきた証。
そう考えるとやはりブックオフ。
とりあえずの2冊を選ぶ間も、モラ男からの着信がないかビクビクしていた。
本を読み、ある程度の予備知識をつけ手芸店に向かった。
もうキットではない。
小さなガラスビーズとジョイントパーツとラインを選ぶが、
モラ男からの着信にビクついている私は思考がまとまらない。
キラキラ光る小さな粒たち。
色とりどりの粒をうっとり眺めていても、すぐ現実に戻る。
私はモラ男からの着信にビクついていた。
私の楽しみを奪うモラ男に、精神を支配されていた。
なぜあんなにもビク付いていたのか解らない。
気に入った色と大きさのビーズ、そのほかのパーツを買い、
粒たちをつなぎ始めた。
自宅ののA4サイズのビーズトレーがおけるスペースがあれば、ずっとつなぎ続けていられた。
そして粒は購入するだけでなく、自分でも制作出来ることを知った。
モラ男が帰宅すればA4サイズでも邪魔扱いされる環境でも、
自分の世界を広げられるかもしれない。
自分で作るガラスの玉。
モラ男に邪魔されない世界を探した。