「たまにはママ友と昼でも食べにいけば。」


モラ男が言った。

青天の霹靂だ。


本当にいいのか?念押しして約束を取り付けた。


「今日の出勤は午後からだね。」


モラ男が言う。

人間生きてりゃこんな日も来る。

黙って従ってきて、よかった〜。

と、さっそくBちゃんに連絡し約束をし、

ウキウキで待ち合わせ場所に向かった。

メニューを決め、食事が出てくるのを待っている時だった。

モラ男からの着信。

あんなに機嫌よく送り出したのだから、大した用事でもないだろうと、私は安堵しながら出た。


「オレのメシは?」

電話の向こうで言っている。

何を言ってるんだ?

今朝、私の出勤時間は午後、昼過ぎで良いと言ったじゃないか?

向かいの席に座るBちゃんが、

「大丈夫?」

と心配してくれた。

そう、運動会でお昼を一緒に食べてくれてたBちゃん。

我が家の事情をよく知るBちゃん、

モラ男のモラハラぶりも熟知するBちゃん。

私の表情が尋常じゃないのに気づいてくれた。


「モラ男がオレのメシ、言ってる。」


蚊のなく声でBちゃんに告げると、


「自分で買えば。もしくはZちゃんが帰るまで待てって言えば良いじゃん。」

と…


「そっちに向かう時に買っていきます。」

やっとの気持ちでそう言うと、

モラ男は、



「早くしてよ!」



とイラつきを全面に出し言った。



何を食べたか覚えていない。

Bちゃんはしきりと、

「前から今日の事はわかってたんだから、自分で用意するか一人で食べにいけば良いのに!」

私以上に怒ってくれた。


こんな嫌がらせ許せない!


それから誰かと約束をする時には、

前もって用意し、渡すか、

ランチは避けることにした。

晩御飯なら前日に用意しておけば良いのだし、

子らも自分でなんとかしていた。


子供の方がよっぽど自立している。

冷凍の白ごはんを解凍し、レトルトカレーで納得してくれる。


モラ男は、

カピカピになっても、

炊飯器の保温ごはんがいい!

レトルトカレーをあっためるくらいなら、

カップラーメンが良い。


買い置き多めにしていたカップラーメンを、

おかずを用意していても食べてしまうから、

計算が狂う時が来るんだよ!


一度、疲れ果てておかずを作れなくて、

テーブルにレトルトカレーを置いて布団に入ったら、

帰り着いたモラ男が、

「何にもねえじゃねえか!」

と冷蔵庫をバン!と締めた日があった。

掛け布団の中で、

「すいませんね!」

と怒鳴り返してやった。

そこでまた更に何か言って来るかと身構えていたら、言って来なかった。

私が聞いていないと思ったから出た言葉なんだろうな。


ふん!

覚えてろよ!

この恨みは絶対忘れないからな!