「久しぶり!元気にしとる?」これだけを送った。


アドレスは変わってなかったみたいで、一応は送れたみたいだった。


別に期待もせず、電話を置いた。


どーせ、仕事以外じゃ滅多に「鳴らない電話」だしさw


が、これが脆くも崩れ、40分後に返事がきた。


しかも、電話かよ、おい!


携帯のディスプレイを見て、固まる俺。間違いない、何度見てもあの子でした。


結局、電話で3時間も話し、長電話に慣れていないw俺の携帯は


違う意味で「激アツ」となっていた。


一度は卒業したものの、ズルズルなったみたいで、またデリに戻ったらしい。


途中、半泣きの状態で


「最近の若い客はタダでやらせろ」とか


「店長が休ませてくれない」とか、多少愚痴が出始め、


最後の方は明らかに泣きながら


「私はもうこの世界から抜け出せない・・・」とか


「私に大金貢いだ事、後悔してるよね?恨んでるよね?」


とか言う始末。


俺「まぁ普通に考えて恨みや後悔があるならメールなんてせんやろ?」


そんな事言うと、また泣き出した。


きっと淋しかったんだろう。話を聞いてくれるのは誰でもよかったのだろう。


ただ、電話のこっちじゃ、話が出来て嬉しかった俺もいるというワケで。


泣きそうになったオレもいたワケで。




早朝、高熱出して車で病院まで送っていった事、


そのまま入院して「毎日会いに来て」と2週間毎日病院に通った事、

(この時の看護士からの「ラブラブですね」は思い出すと今でもつらい)


仕事が休みの時は、手料理持って俺の家まで毎回駆けつけてくれた事、


3回「も」一緒に沖縄へ旅行に行った事、


極めつけは彼氏に「なりすまして」、ストーカー客を撃退した事(苦笑)






一番最後、「また会えないかな?」


俺「はっ?」と同時にいきり立つ俺の息子


「ねぇねぇ、またご飯作って持っていくよ、料理の腕上げたし」


「行くって言って行かなかったUSJも行こうよ」

(いやそれは貴女が俺を断るから)


「もちろん、割り勘でよ!」

(エルメスかい!)


「また並んでパチンコした~い!」

(もう激しく、もっ萌え~)


いかんいかん、冷静に冷静に。


また俺は虚しい思いをするのか?








     【出した結論】

俺「おう! 前向きに検討するよ」



って自分の彼女の事なんか相談もしてないし!!


天国のオフクロよ、怒ってるよな?


彼女いるのに何やってんだ、俺。


でも、久しぶりに話が出来て本当に嬉しかったとです…。


再会(って言うのか?)の場所は「中洲玉屋」になりそうとです…。


当然、その日はそれから寝る事なく、ずっと起きていた。


「起きてきて少し落ち着いたら、話を切り出してみよう」そう思った。


15時を過ぎた頃、頭をポリポリやりながら、起きてきた。


(かっ、顔を見れない、ヘタれな俺・・・)


と、オレのとこまできて、また二度寝を始める。


「相当飲んだんだろうな、可愛い顔しやがって」


なんかブツブツ言って俺の手を握ってくる。




待て待ておい、こいつがやってきた事は・・・。


そう思うとヤリ場のない怒りと、隠していた事に対する虚しさが猛烈にこみ上げる。

(えぇ、少しばかり目から汗が落ちましたよ)




19時頃、やっとお目覚め。さぁ今度こそは!


シャワーを浴び、缶ビールを開ける彼女(おいおい・・・)



結局、結局、何も言えなかった。いや問い詰めて白状させようとは思った。


ただ、久しぶりの恋、あっけなく捨てられるのが恐すぎて余計に気を遣ってるオレがいた。


碇シンジにすら「逃げちゃダメ、お前、弱すぎ!」こんなセリフをかけられていたに違いない。



彼女が帰っていった、11時過ぎ。オレは友達も少なく相談出来る相手もいない為、


「ある人」にメールを送っていた。


それは貢ぎまくって捨てられたあのデリ嬢だった。





ちなみに約1年振りのメール、果たして俺の携帯に返事はくるのか?



次回 「鳴らない電話」

   (お願いです、鳴ってください)


あれは2週間前の金曜日だった。


その週一週間、沖縄に出張していた俺は、帰福する金曜日の夜、


那覇空港から帰る旨のメールを彼女に送って飛行機に乗り込んだ。


福岡に着いたのが19:00前。携帯の電源を入れ、メール等をチェック。


その中に彼女からのメール。「今日、同僚と飲み会だから、遅くなるけど来るね」


「おう!いっぱい飲んでこいな」 この時は数時間後に悲劇が訪れる事も知らぬまま。



途中、俺は同僚と博多駅近くで一杯やって、いきつけのスナックに行って家へ帰ったのが、23時過ぎ。


風呂に入りアソコも入念に洗い、疲れもあったのか、自然とベットで爆睡していた。


物音が遠くで聞こえたのが、深夜2時頃を過ぎた時だったと記憶している。


それでも完全に目が覚める事はなく、ふと覚めたのが、朝方5時頃。


知らぬ間に彼女は俺の隣で寝ていた。


喉が渇き、リビングへ向かった時、彼女のバックが散乱していたのが目に入る。


そのバッグをソファーへ置き直した、その時だった。


アルミの名刺ケースがポロッと落ちてきた。(なんでコイツが名刺ケース?)


中身を見て唖然...。


「 あ み (仮名)…ダレ?しかも住所は思いっきり


「 中 州 」


しかも、中には8×4みたいないい香りの「ローション」まである始末。。。

(ちなみに彼女との交尾で使った事は、まだ一度もないかお


なんか封筒もあり、中には3万3千円入ってた(今日の稼ぎか?)


正直、俺だってデリヘリを頻繁に呼ぶ時期もあったし、2年半前には色恋にひっかかり、


150万近くを貢ぎ、あっけなく捨てられた事もあった(元気にしてんるんかな、あの子)


こんな経験もあり俺は一瞬で察した。彼女は風俗でバイトみたいな事していると。


やっと訪れた恋、やっと訪れた恋、もう終わりだ。


そう思うと虚しくなり、めまいがしてきた。


ふらっとして、ぶっ倒れそうになった時、


支えてくれたのは、一人の時に静けさを紛らわしてくれてた洗濯機だった。


お前、あの女を洗ってやってくれ。。。