告白からの翌日、深く考え過ぎたのか一睡も出来ず、
寝付けたのは朝方の8時を過ぎた頃だった。
昨日の告白の中で、
「8月いっぱいでもう完全に卒業するから安心して」
「借金も終わって完全に夜からバイバイするからさ」
「で、とりあえず生活できればいいから、仕事はバイトから始める」
「返事はすぐでなくてもいいから。出してくれた答えを受け止めるから」
こんな事を言っていた。
正直、俺の中で「夜の世界から足を洗う」という事が悩む原因の一つだ。
仮に続けると言っていれば、即答でN0の返事をしていただろう。
金を払ってどーのこうのより、自分のモノになったとなれば、
それ相応の事も言いたくなり、ケンカになるのは目に見えている。
それに貢いでた全盛期だって、立場上、何もいえなかっただけで
それでも虚しさと苛立ちは少なからずあった。
「一人で居た方が楽なんだろうか・・・」という思いと、
「本気で惚れた女が手の届くところまできているのに」
この二つの思いに、本当に胸が痛い。
そういえば今週の土曜日は俺の31歳の誕生日。
別れた「あや」からも誕生日を祝いたいと、少し前に言われていたが、
その返事の為、(答えは出ていなかったのだが)、電話を入れてみた。
「今週、俺の誕生日で前言ってた・・・・・」
すかさず、
「あ~、もういいよ。やっぱりホスト君についていくから」
(はっ?えっ?・・・・)
「色々ありがとう。元気でね!」だと。
文章にして書くと、上の文は「本当に心から」と思えるかもしれないが、
実際は微塵の愛想もないものだった。
通話時間、実にあっけない43秒。「頑張ってな」という間もなくブチッ!
これで本当に終わったと確信し、こちらは迷いもなく電話帳から削除した。
そして貢子へ電話。
「誕生日、一緒にいて下さい」と一言だけ。
「私でいいの?でもなんか逆告白みたいだよぉ~」と少し照れた電話の声。
「どこか行こうね」と言われ、「沖縄でも行くか?」と答えてしまった俺。
もう電話の向こうで無邪気にはしゃぐし、着ていく洋服は選び出すしで・・・。
「あちゃ~やべぇ」と一歩も引けない状況。
電話を切ってANAのHPで空席とホテルの空室確認。
幸いな事に2泊分、意外に結構空いてた。
飛行機も押さえ、ホテルも予約。
もう、これは自分で舞台を作ってしまった。
出来レースの様相だが、答えは出た!
沖縄の海に沈む夕日を見ながら、二人手を取り合い・・・。
俺はこんなキャラではないが、
バカになったつもりでいっちょやってみよう!