清水の舞台から飛び降りた夫の後日談。

「これで拒否されたらもう後がない。もうダメだ」とそれこそ死ぬ気で挑んだらしい。

意外な事に抵抗する気にもなれず、久々過ぎて身体は反応してなかったが、よくわからないラブラブモード全開で、情緒不安定極まりない私にとって、この夫とのスキンシップは思いのほか、幸せホルモン「オキシトニン」を放出させる事がわかった。
ベットの中でハグされるだけでも、オキシトニンかダーっと、出てくる気がして、ひとまず少しは眠れる。安心できる。まさしく夢のような精神安定剤。

ただ、効果はそれほど長く持続せず、ひとたび夫と離れ、職場に行くと夫と不倫相手のLINEトーク履歴を見てしまい、やり場のない悲しみに襲われ、息苦しく、夫にLINEでひたすら思いをぶつけてしまう。
毎日、毎日それの繰り返し。

夫は影で女とLINEを続けている。
内容は仕事の事や、女からの「さみしい、さみしい、会いたいよ」の繰り返し。

この頃の夫の女への返信は

「ダメでしょ。早く次を探さないとね」

それに対し、女は

「やだやだ。パパじゃないとヤダヤダ」

お人好しというか、バカな私は相手の女も今大変なんだなぁ、気の毒だなぁ、などとおかしな感情を抱いてしまうこともあった。

子供の前や夫と過ごす時はいたって普通に過ごせるため、夫に危機感はなく、夜は意味不明にラブラブ。でもひとたび外に出て一人になると深い悲しみの感情に支配され、何もできなくなる。

毎日、こんな事を繰り返し、ますます私の精神は病んでいくのであった。