いままでイコライザーについて色々考えてきました。いろんなEQを試して思ったことがあるので書きます。

 

イコライザーの音はどれも同じ…?

 
デジタルイコライザーの音はどれも同じです。なぜならば、同じ計算式によって計算されるだけなので、イコライザーの音はどれも同じです!…というのは半分そうで半分そうではないです。
 
実際に音は結構違うし違う理由もいくつかあるのですが、半分そう、という点で最初は話をしましょう。
 
ProchannelモジュールにあるEQはもともとSSLのEQを真似て作ってあるとのことらしいので、じゃあ試しにどれくらい似てるのかとSSL ChannelのプラグインのEQと比較してみました。SSLのプラグインではブースト(またはカット)すればするほどQが狭くなる設計になっていました。ところがProchannelのEQはそんな感じではなくて、あんまり変わらない様子でした。
 
またSSLの方は3.4khzをブーストしようとしても実際にピークになってるのが3khzというように表示されているのと実際に扱ってる周波数が一致しないという感じです。このように特定の周波数をブーストしていると思っても実際は違う周波数となることは他のプラグインでもあります。目でEQをするのではなくちゃんと耳で聞いてミキシングしろとよく言われますが、このように数字が信用できないことが確かにありますね。
 
それでFX Chainを使ってSSLのEQのカーブの具合等を真似ることができるかと思って試しました。
SSLのHFのBellカーブの項目はQが設定できないので(パラメーターが少ない)、それを真似てみました。
具体的で正確な数値は、見て真似ただけなのでわからないのですが、
イメージとしては、
A: 0~3db (実際には3ではないくて他の数値)  までのレシオの変わり方と
B: 3~8db (実際には他の数値)  までのレシオの変わり方と
C: 8~18db (実際には他の数値)  までのレシオの変わり方と
 
三段階に分かれていて、それぞでレシオがどう変わるかを設定することによってEQカーブを真似できる感じでした。
さて、このときに、Sonitus EQを最初使おうと思ったのですが、高周波数帯でCrampingが起こってうまく行かないので、Para Qだったけ?別のCakewalk by bandlabについてくるEQを使いました。こちらはCrapmpingはない様子です。
 
Crampingとは、Bellカーブのイコライザーをナイキスト周波数で使うとカーブがおかしくなるというやつです。ナイキスト周波数とは、サンプリング周波数の半分の周波数です。すなわち44.1khzのプロジェクトでEQを使おうとした場合 22.05khzがナイキスト周波数ですね。普通はベルカーブのブーストをした場合、設定した周波数を中心に左右対称のベル型のブーストになるのですが、例えば18kをEQのベルカーブでブーストした場合、18kの右側と左側で左側は普通だけど右側はナイキスト周波数付近でブーストが0dbになるようなカーブになってしまいます。(まあ文章でいってもわかりにくいんですが、見ればすぐにわかります)
 
このクランピングに関していうと、Sonitusはクランピングあり、Prochannelもたしかクランピングありです。SSLのEQはそういうのなかったです。まあ形が歪になるので、基本的にはない方がいいですよね。
 
ということで、SSLのカーブはなんとか真似ることができたのですが、アナログエミュはだいたいなんかしらのサチュレーションやらなによって音がリッチになるのですが、結局のところ、倍音成分を加えてあげればいい音になるので、Sine波を使って、どのような倍音が付け足されるのかを確認して、その後、AirwindowsのPafnuty等

 

 

のツールを利用して倍音成分を真似て、それをさっきのEQに追加すれば、まあ、どこまでもとのアナログエミュに似てるかはわかりませんが、たぶんとにかくいい音になります。このPafnutyはChebyshev filterという仕組みで倍音を追加させているのですが、なんとこの仕組みはaliasingノイズ等を発生させません。なのですごくクリーンなまま倍音成分を追加させることができすのですよ。さらに、確かAirwindowsのツールは内部演算も64bitのハズで、出てくる音も64bitです。なのでひょっとしたら他の32bit処理のプラグインより音がいいかもしれません。
 
さて、ということで、EQはどれも同じ…というわけではないですね。でもやろうと思えば、SSLやその他のカーブ等は真似られるし、倍音成分もある程度真似できるので音もある程度似たものがだせるという感じです、ある程度は…