気持ち悪い朝礼を終え、本部からO診療所に向かうことに。本来自分が想定していた通勤時間は30分であったが、あてが外れ1時間になってしまった。僕は満員電車が大嫌いだ(好きな人なんていないか)僕は出勤初日から死んだ魚のような目をしていたに違いない。疲労困憊で診療所に到着し事務室へ。そこには僕の見覚えのある顔が。そうヤクザのような風貌をした部長である。

部長「おっヒロ君やってきたかぁ。ごめんね通勤時間かかったでしょ?俺が無理やり頼み込んで君をここに配置してもらったんだよね」

僕は??となった。黒幕はこいつか。一発ストレートでもお見舞いしてやりたいが、ここは我慢我慢。

僕「大体1時間くらいですかね。ご期待に応えられるように精一杯頑張ります。」

部長「じゃあさっそくなんだけど、一つ仕事を頼めるかな」

僕「はい。できることであれば何でも」

部長「近くに〇〇さんっていう患者さんがいるんだけどさなかなか渋ってきてくれないんだよね。そこでだ。君に連れ出しに行ってほしいってわけ。」

そういうことね。気難しい患者の説得ってことか。

僕「わかりました。行ってきます」

僕は診療所のドライバーさんと共に〇〇さんの家へ。ここでは〇〇さんのことはタケルさん(仮)としよう。

タケルさわんの家の前につきインターホンを鳴らす。なかなか反応がない。仕方ないのでドアをノックし診療所の人間であることを伝える。するとドア越しより

タケル「帰れ💢」

タケルさんの怒のこもった声が聞こえる

僕「まぁまぁちょっと落ち着きましょうよ。行きたくない気持ちはよーくわかります。俺も仕事行きたくないし。俺今日から入ったヒロっていいます。顔だけでもいいので覚えてもらえたら嬉しいので、そのドア開けてもらえませんか?」

タケル「あっヒロ?だれだよ聞いたことねねーな。おい煙草とか持ってない?

僕「ありますよ。セブンスターでいいなら」

タケル「いいね。入りなよ」

タケルさんがドアをあけてくれた。ドアの向こうに見えたのは大量の鏡月のペットボトルだ。部屋も汚く異臭もする。

僕「こんにちは。今日から入りましたスタッフのヒロといいます。今後とも宜しくお願いします」

タケル「ねぇそれよりさ煙草頂戴よ。今切らしちゃってて」

ヒロ「セブンスターでいいならどうぞ。」

タケル「いやーお金もないし煙草切れるしでいらいらしてたんよ。ありがとう。ヒロ君も吸っていいよ」

当時の僕は何も考えてなかったので普通に一緒にタバコを吸っていた。そして15分ほど世間話をしていると

タケル「ヒロ君って他のスタッフと違って面白いね。今日から入ったんでしょ?今日行ってみようかな。」

僕「今日から入りましたよ。ただ正直いうと家からクソ遠くて後悔してますけど笑事務所ついて早々にタケルさんの家に行くようにと言われて、今に至る感じっす」

タケル「どうせ部長でしょ?あの人しつこいからなーしょうがない。行ってあげるよ」

僕「まぁむりしなくていいんじゃないですか?ただタケルさんが顔だけでも出してくれたら皆安心するんじゃないすか?

そしてタケルさんを車に乗せ診療所へ。そこには驚きを隠せない顔をした部長が立っていた。