突然不穏スイッチが入り勤務先のデイサービスから脱走したトシコさん。トシコさんを何とか連れ戻すも爪を立てられ腕が血だらけの僕。ヘルプを求めるもフロアに閉じこもり何もしてくれない大山さん。何をしてるか謎の御局矢島さん。そんな状況の中インターフォンが。そこには警察官が2名。
警「先程老人を無理やり連れて行こうとしている人がいると通報が入ったんですけど、ここで間違いないですかね?」
トシコ「助けてくださーい。家に帰らないといけないんです。」
僕「落ち着いてトシコさん。通報あったんですか?内容は間違えないんですけど、ここはデイサービスでして、このおばあちゃんが外に逃げてしまったので、安全のためにここに戻すしかなかったんです。すみませんご迷惑おかけしてます」
警「あぁそうなんですか?それなら話は通りますよね。」
トシコ「なんで通してくれないんですか?邪魔するならあなたもこうするしかないですね」
トシコさんが警察官にまで手をあげようとし、警察官も必死に止めている始末。僕は流石にブチギレた。
僕「おい大山。さっさと来いよ💢いまの状況聞こえてわかってんだろうが。いい加減にしろや」
すぐにおどおどとした大山さんが中から現れた。
僕「てめえ何やってんの?この状況見たら玄関に人が必要なのわかんだろ?フロアに矢島さんいるならここ手伝えよ😡」
大山「えっいやその………………った」
僕「何だよはっきりしろや」
大山「だから………………………………その矢島さん休憩中だからって手伝いに来てくれてなくて、フロア僕1人なんです」
はっ?利用者さんが一人出ていってしまった状況で、この事態でヘルプもしてくれない?僕は完全にスイッチが入った。
僕「大山さんちょっとここいてもらってもいいですか?警察の方もすみません。」僕は急いで休憩室のある2階に向かう。
僕「矢島さん何考えてるんすか?下の声聞こえてるでしょ?大山さんからヘルプあったでしょ?」
矢島「あーわかってるけどだって休憩中だし。それにトシコさん以外ならフロアは大山くんだけでもいけるでしょ?」
僕「はい?それ本当に言ってるんですか?貴女今日の責任者ですよね?警察まで来てる状況なのに何も対応しない、ヘルプさえしてくれない。いつも俺に介護とはなんぞやって偉そうに語るくせに自分は何もしない。もういいですわ。」
矢島「はっ?なにその態度?大体☆□▲〇」
矢島さんがごちゃごちゃ言っていたがもうどうでも良かった。僕は本日休みの施設長の山田さんへ電話し状況を説明。
僕「〜ということなんです。家族への説明とかも必要になると思うので山田さん休みで申し訳ないんですけどちょっと来てもらえませんか?」
山田「えっでも俺休みだしな~」
僕「いいから来てください。」ガチャ問答無用で☎を切った
僕「矢島さんごちゃごちゃん言わずすぐに下に降りてください。休憩時間は後で追加で取ればいいじゃないですか?さっさと降りて手伝ってください」
矢島さんは嫌嫌重い腰を上げる。
下に降りた時にはトシコさんも流石に疲れたのかトーンダウンしやや落ち着いてきていた。僕はトシコさんに改めてもう少しで帰れること、脱水症状も心配だから水分を取ることを提案し、大山さんと矢島さんにトシコさんを任せた。警察に今回の一件を謝罪。警察からも脱走だけは気をつけるよう注意を受けた。矢島さんに休憩に戻ってもらい、大山さんと僕の二人でフロアを回す。大山さんとさんは完全に僕に萎縮してしまっている様子だがどうでもよかった。大声を出して申し訳ない気持ちはあるがそれ以上に自分の仕事の責任を果たさない彼への怒りが勝っていた。多少気まずい空気は流れていたが関係ない。いつもどうり午後のプログラムを再開する。頃くして山田さんが到着した。不機嫌そうであったが関係ない。山田さんに事の顛末を淡々と説明。そして僕は最後に言い放った。
僕「こんな人達と働くのはごめんです。今日限り辞めさせていただきます」
山田さんは呆然としていたが無視しその場で荷物をまとめてタクの家へ帰宅した。