人っていうのは一旦自信をなくしてしまうと、従来出来た事も出来なくなってしまうものなんだ。当時の状況を振り返るとまさにそうだったんだなと。クソプリセプターMさんに僕は早々に目をつけられた。ラダー制度であった為、技術項目をクリア出来ないとその業務をさせてもらえないのだ。僕は陰部洗浄をクリア出来ないでいた。なので一人で行うことが許されず、常に誰かと一緒にしないといけない。同期のBちゃんは2週間たちすでにネブライザーのひとり立ちを貰っているのに、僕だけ何もできない。学生の先輩・正職員の方々からの視線もどんどん冷たいものとなっていった。学生の先輩(年下)からも「ヒロさん2週間でこれは流石に痛いっすよ」と苦笑されたりするなどまさにどん底だった。クソプリと一緒に陰部洗浄を回る際は、患者さんの前であろうが常に罵倒罵倒罵倒。人って萎縮しちゃうと何も出来なくなるのな。頭の中真っ白になるし手は震えるわでもう酷い状態だった。シーツ交換もまともに出来なくなる始末。今思ったら本当に追い込まれてたんだな笑先が見えない毎日。こんな僕に対してもBちゃんは本当に優しかったんだ。そこの病院は食堂が最上階にあった。食事の際に他の男子同期メンバーがBちゃんだけに声をかける。行けばいいのにBちゃは
Bちゃん「ヒロさん一緒に食べましょう。」
ヒロ「いやいや笑皆と食べておいでよ!俺といると皆から目つけられるよ」
Bちゃん「関係ないです。ヒロさんは大事な同期です。誰よりも早く来て仕事手伝ってますし、寝坊したときはモーニングコールくれるし。私ああいう人たちまじで嫌いなんすよ」
ああなんて優しい子なんだこの娘は。何もかも負けたよ。こんなのは勝ち負けの問題なんかじゃないんだけど当時はそう思ってしまっていた。Bちゃんに対する後ろめたさもあり僕はどんどんと内向的になっていくのだった。