マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-d22978.html
・Signalアプリを使用して素人だとばれたトランプ政権幹部
ブルーナ・フラスコラ
2025年4月7日
※Signalゲート事件で、Wired誌を読む反抗的な十代の若者の知識を駆使してトランプ陣営が、ディープステートに対抗しようとしていることがわかった。
❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。
お問い合わせ:info@strategic-culture.su
数年前、ロシア系アメリカ人のヤシャ・レヴィンが『Surveillance Valley: The Secret Military History of The Internet(監視の谷:インターネットの秘密の軍事的歴史)』(Icon、2018年)という本を出版した。「秘密」という言葉は重要だ。なぜならインターネットの歴史について少しでも知っている人なら、アラン・チューリング(コンピューターの父の一人)の第二次世界大戦における仕事の重要性について語ることができるからだ。秘密の軍事史とは、ARPANETの開発中に考案された大量監視プロジェクトのことだ。ARPANETは、実際インターネットを作成した国家プロジェクトだ。インターネットは国有として誕生し、レーガン政権時代に民営化された。
アメリカ諜報機関がリゼルグ酸薬物に魅了された歴史を語るベンジャミン・ブリーンの著書を私は既にSCFで書評した。第二次世界大戦中、諜報機関は敵兵を捕らえ、洗脳して潜入捜査官に仕立て上げる方法を見つけることに執着していた。その直接的結果として、マーガレット・ミードと一群の人類学者が、トランス状態のインディアンが使用する幻覚剤を研究した。本来の狙いは、未知の精神状態を誘発する薬物を発見することだった。このように、第二次世界大戦は文化人類学や合成薬物開発や催眠術の分野で多くの研究を促した。これらはいずれも、第二次世界大戦が終わっても止まらなかった。この魅了の最も良く知られた結果は、悪名高いMKUltraで、CIA工作員が一般市民に無断でLSDを与え、その効果を観察したのだ。だが、狂気はあまりにも大きく、イルカに英語を教えるためにLSDを与え、ETが現れた時に英語を教えるための訓練をする科学者 (ジョン・C・リリー) にNASAが資金提供したほどだった。アメリカ諜報機関は、常識に優れているわけでなく、謙虚でもない。
いずれにせよ、文化人類学は、極めて異なる文化をCIAが切り抜けるための重要要素であることが証明されている。ヤシャ・レヴィンの著書で、1955年に始まったベトナム戦争中、CIAが社会科学に投資し、すぐにソーシャル・エンジニアリングに移行したことが分かる。その間CIAはベトナム人のプロファイリング(人物像を分析する技法)を開始し、ベトナムで開発された手法が、すぐに国内政治にも利用され始めた。ベトナムでもアメリカでも、反乱を予測し、起こる前に解体することが狙いだった。
これら全てに加えて、ヤシャ・レヴィンはエドウィン・ブラックの研究を指摘し、ナチス・ドイツがIBMと提携して、アメリカの国勢調査技術をホロコーストを実行するために使用したことを想起する。これをお考え願いたい。ブラジルのような国では、国勢調査は自己申告で行われ、肌の色の範疇がごく少ないためい、ユダヤ人の血を引く人が何人いて、どこにいるのか特定するのは全く不可能なはずだ。アメリカでは、国勢調査は官僚機構にリンクされた個々のデータに基づいて行われる。イタリア系のみのアルゼンチン人がアメリカに移住し、そこで子供をもうけた場合、その子孫は官僚機構によって永遠にラテン系と見なされる。なぜなら書類で、彼らの祖先がアルゼンチン出身だとわかるためだ。IBMの個別国勢調査により、政府は特定の民族的背景を持つ全ての人々を追跡することが可能になった。ナチス・ドイツの場合には、記録にユダヤ人起源が記載されている人々をふるいにかけることが問題だった。(19世紀のユダヤ人解放によって、彼らが官僚機構に参加したことは覚えておく価値がある。)
その後、アメリカ諜報機関は記録を更に個人化し、実際は犯罪をしていない政治的に活動的な市民を、共産主義という嫌疑だけでプロファイリングし始めた。後にDARPAとなった ARPANETは、このデータベースを大規模国家コンピューターから取得し、国家コンピューター・ネットワークでアクセスできるようにして、諜報機関内で情報を共有するのを目的に1969年に設立された。記録には、政治的立場、習慣、よく行く場所、更には性的秘密まで含まれていた。このプロジェクトは大学で開発され、学生には、プロファイルを知らなくても、国家監視専用プロジェクトであることが最初から明らかだった。更に、1970年代には、政府がARPANETを使ってコンピューター・ネットワーク全体に広めていた民間人プロファイルを内部告発者が告発した。ジャーナリストのフォード・ローワンは、この疑惑を調査し、衝撃的記事を書き、1975年にジョン・タニー上院議員はARPANETに関する議会調査委員会を運営した。
このプロジェクトに対する敵意と戦うため、重要なことが二つ行われた。一つ目はマーケティングだ。ハッカーは体制に反抗する存在だというイメージが作られ、インターネットは世界の調和や民主的な地球村を実現する素晴らしい手段として売り込まれた。ライフルを持っていれば、国家なしで自由を得られると銃を所持する右派が信じているのと同様に、コンピューターを手にすれば、人間は完全に自由だとサイバー・カルチャーは説いた。スチュワート・ブランドとWired誌の活動は、これに大きく貢献した。Appleはこの反抗的イメージを利用し悪用した (1984年のコマーシャルは、ここを参照)。二つ目は民営化だ。国民をスパイするプロジェクト開発を続ける代わりに、CIAは、望みどおりのことをする新興企業に投資する会社を設立し、その顧客になった。
二つの対策は相互に影響し合っていた。反乱とは政府に対する反乱だ。反乱が政府に対するものだとすると、企業は善良で英雄的で回復力があるのだ。この哲学の核は、実業家を、非効率的で劣った官僚が率いる国家に反抗するニーチェのスーパーヒーローとみなす無政府資本主義者 (または「リバタリアン」) アイン・ランドの哲学だ。従って、議会委員会や法律を制定し、民主主義を利用して知性の行き過ぎに制限を課す代わりに、我々はAppleを購入し正当な反逆者のような気分を味わうべきなのだ。たとえ個人用コンピューターにバックドアや欠陥があり政府がリモート・アクセスできてしまうにせよ。
まともな教育を受けていない自由主義内部告発者エドワード・スノーデンは非常に冷たく扱われている。Wikileaksを通じて漏洩した情報の重要性で、Googleとアメリカ政府間の無差別乱行を暴露し、世界の注目を集めた後、スノーデンは、その問題の解決策として純粋で単純なTor利用を提案した。国家を軽蔑する人々は、インターネット上で完全な匿名性を可能にするブラウザ、Torを使って、自由を獲得できるというのだ。
そこで、レヴィンはTorの歴史を語る。Torの資金は、CIAが関心あるプロジェクトに資金提供するために設立した会社から出ている。TorはIPアドレスを隠し、別の国からユーザーがインターネットにアクセスしているように見せかける。一般的に、Torが普及する前から存在しているVPNサービスと同じ狙いをTorは実現している。(ここブラジルでは、アレクサンドル・デ・モライスによるTwitterブロックがVPNサービスを普及させた。Tor を覚えている人はごく僅かだ。)
レヴィンは情報公開法を利用してTorに関する文書を入手した。そこで、スパイには秘密が必要なことを彼は理解した。レバノンのCIA工作員が、自分の仕事用メールにアクセスした場合、レバノンのプロバイダーは、そこにCIA工作員がいるとわかる。Torでは、我々が一体何にアクセスしているかプロバイダーはわからないが、IPアドレスを隠す何かを我々が使っていることはわかる。問題は、CIA工作員だけが、この種のものを使用していれば、レバノンのプロバイダーが、何かおかしいと気づくのに十分だ。その結果、CIAは全ての人にTorを使うよう奨励しなければならなくなり、こうしてインターネット・プライバシー運動が生まれたのだ。CIAの戦略は、世界中の政治的反体制派をできるだけ多く引きつけ、犯罪者連中にTorを使わせることだった。それは容易ではなかった。中国のようなファイアウォールを持たないロシアの反体制派は、Torを使用すればCIAと結び付けられ、それはリスクだと理解するとレヴィンは考えた。犯罪者連中について言えば、最大の現象は、無政府資本主義者が運営していたSilk Roadウェブサイトで、最初は麻薬の販売から始まり、その後、武器、臓器、殺人などを販売するようになった。支払いは全てビットコインで行われていた。
スノーデンがTorを暴露した際、彼はCIAを救ったのだ。ロシア人でさえTorを使い始めたほどだ。結局、無政府資本主義の普及がCIAを救った。少なくともWilileaksスキャンダルでは。だが、無政府資本主義者が知らなかったのは、Torは事実上、準国営で、ユーザーへの特権的アクセスを国家に与えていることだ。Silk Road所有者は逮捕され、終身刑を宣告された。トランプにより恩赦を受けるまで、彼は11年間刑務所で過ごした。彼が活動を続けていた間、ビットコインは値上がりした。
つまり、Torは罠なのだ。アメリカ政府以外の組織に対し、アメリカ人スパイの匿名性を保証するだけでなく、Torを使用するほど、何かを隠したり反抗的だったりする人々を監視、または少なくとも記録する役割も果たしている。
この狙いで、他にも行われていることを皆様はご存知だろうか? プライバシーを約束し、活動家に使われたSignalアプリだ。Torと同様、このアプリはOpen Technology Fundの資金提供を受けて開発された。Open Technology Fundは(電波を通じて中国で反共産主義プロパガンダを広めるのが狙いの)悪名高いRadio Free Asiaへの補助金提供も目的にしているアメリカ政府とつながりのある非営利団体だ。Signal幹部の一人は、ジェイコブ・アップルバウムの友人だった。そして、レヴィンの言い分を信じるなら、Wikileaks幹部に潜入した当時、アップルバウムはCIAで働いていたという。
Tor同様、Signalも罠で、驚くほど容易に捕まった、それを利用するアメリカ人活動家の会話を、まるで彼らの会話を警察が盗聴するかのようにレヴィンは聞いていたのだ。
Signalゲート事件で、トランプ陣営が、Wired誌を読む反抗的な十代の若者の知識を駆使してディープステートに対抗しようとしているのを我々は目にした。
追記: この文章を書いている中、レヴィンが同じ本についてクリス・ヘッジズにインタビューしたのを知った。読者はここをクリックしてインタビューをご覧頂ける。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/04/07/by-using-signal-app-trump-administration-leadership-shows-that-amateurs/
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-d22978.html
・Signalアプリを使用して素人だとばれたトランプ政権幹部
ブルーナ・フラスコラ
2025年4月7日
※Signalゲート事件で、Wired誌を読む反抗的な十代の若者の知識を駆使してトランプ陣営が、ディープステートに対抗しようとしていることがわかった。
❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。
お問い合わせ:info@strategic-culture.su
数年前、ロシア系アメリカ人のヤシャ・レヴィンが『Surveillance Valley: The Secret Military History of The Internet(監視の谷:インターネットの秘密の軍事的歴史)』(Icon、2018年)という本を出版した。「秘密」という言葉は重要だ。なぜならインターネットの歴史について少しでも知っている人なら、アラン・チューリング(コンピューターの父の一人)の第二次世界大戦における仕事の重要性について語ることができるからだ。秘密の軍事史とは、ARPANETの開発中に考案された大量監視プロジェクトのことだ。ARPANETは、実際インターネットを作成した国家プロジェクトだ。インターネットは国有として誕生し、レーガン政権時代に民営化された。
アメリカ諜報機関がリゼルグ酸薬物に魅了された歴史を語るベンジャミン・ブリーンの著書を私は既にSCFで書評した。第二次世界大戦中、諜報機関は敵兵を捕らえ、洗脳して潜入捜査官に仕立て上げる方法を見つけることに執着していた。その直接的結果として、マーガレット・ミードと一群の人類学者が、トランス状態のインディアンが使用する幻覚剤を研究した。本来の狙いは、未知の精神状態を誘発する薬物を発見することだった。このように、第二次世界大戦は文化人類学や合成薬物開発や催眠術の分野で多くの研究を促した。これらはいずれも、第二次世界大戦が終わっても止まらなかった。この魅了の最も良く知られた結果は、悪名高いMKUltraで、CIA工作員が一般市民に無断でLSDを与え、その効果を観察したのだ。だが、狂気はあまりにも大きく、イルカに英語を教えるためにLSDを与え、ETが現れた時に英語を教えるための訓練をする科学者 (ジョン・C・リリー) にNASAが資金提供したほどだった。アメリカ諜報機関は、常識に優れているわけでなく、謙虚でもない。
いずれにせよ、文化人類学は、極めて異なる文化をCIAが切り抜けるための重要要素であることが証明されている。ヤシャ・レヴィンの著書で、1955年に始まったベトナム戦争中、CIAが社会科学に投資し、すぐにソーシャル・エンジニアリングに移行したことが分かる。その間CIAはベトナム人のプロファイリング(人物像を分析する技法)を開始し、ベトナムで開発された手法が、すぐに国内政治にも利用され始めた。ベトナムでもアメリカでも、反乱を予測し、起こる前に解体することが狙いだった。
これら全てに加えて、ヤシャ・レヴィンはエドウィン・ブラックの研究を指摘し、ナチス・ドイツがIBMと提携して、アメリカの国勢調査技術をホロコーストを実行するために使用したことを想起する。これをお考え願いたい。ブラジルのような国では、国勢調査は自己申告で行われ、肌の色の範疇がごく少ないためい、ユダヤ人の血を引く人が何人いて、どこにいるのか特定するのは全く不可能なはずだ。アメリカでは、国勢調査は官僚機構にリンクされた個々のデータに基づいて行われる。イタリア系のみのアルゼンチン人がアメリカに移住し、そこで子供をもうけた場合、その子孫は官僚機構によって永遠にラテン系と見なされる。なぜなら書類で、彼らの祖先がアルゼンチン出身だとわかるためだ。IBMの個別国勢調査により、政府は特定の民族的背景を持つ全ての人々を追跡することが可能になった。ナチス・ドイツの場合には、記録にユダヤ人起源が記載されている人々をふるいにかけることが問題だった。(19世紀のユダヤ人解放によって、彼らが官僚機構に参加したことは覚えておく価値がある。)
その後、アメリカ諜報機関は記録を更に個人化し、実際は犯罪をしていない政治的に活動的な市民を、共産主義という嫌疑だけでプロファイリングし始めた。後にDARPAとなった ARPANETは、このデータベースを大規模国家コンピューターから取得し、国家コンピューター・ネットワークでアクセスできるようにして、諜報機関内で情報を共有するのを目的に1969年に設立された。記録には、政治的立場、習慣、よく行く場所、更には性的秘密まで含まれていた。このプロジェクトは大学で開発され、学生には、プロファイルを知らなくても、国家監視専用プロジェクトであることが最初から明らかだった。更に、1970年代には、政府がARPANETを使ってコンピューター・ネットワーク全体に広めていた民間人プロファイルを内部告発者が告発した。ジャーナリストのフォード・ローワンは、この疑惑を調査し、衝撃的記事を書き、1975年にジョン・タニー上院議員はARPANETに関する議会調査委員会を運営した。
このプロジェクトに対する敵意と戦うため、重要なことが二つ行われた。一つ目はマーケティングだ。ハッカーは体制に反抗する存在だというイメージが作られ、インターネットは世界の調和や民主的な地球村を実現する素晴らしい手段として売り込まれた。ライフルを持っていれば、国家なしで自由を得られると銃を所持する右派が信じているのと同様に、コンピューターを手にすれば、人間は完全に自由だとサイバー・カルチャーは説いた。スチュワート・ブランドとWired誌の活動は、これに大きく貢献した。Appleはこの反抗的イメージを利用し悪用した (1984年のコマーシャルは、ここを参照)。二つ目は民営化だ。国民をスパイするプロジェクト開発を続ける代わりに、CIAは、望みどおりのことをする新興企業に投資する会社を設立し、その顧客になった。
二つの対策は相互に影響し合っていた。反乱とは政府に対する反乱だ。反乱が政府に対するものだとすると、企業は善良で英雄的で回復力があるのだ。この哲学の核は、実業家を、非効率的で劣った官僚が率いる国家に反抗するニーチェのスーパーヒーローとみなす無政府資本主義者 (または「リバタリアン」) アイン・ランドの哲学だ。従って、議会委員会や法律を制定し、民主主義を利用して知性の行き過ぎに制限を課す代わりに、我々はAppleを購入し正当な反逆者のような気分を味わうべきなのだ。たとえ個人用コンピューターにバックドアや欠陥があり政府がリモート・アクセスできてしまうにせよ。
まともな教育を受けていない自由主義内部告発者エドワード・スノーデンは非常に冷たく扱われている。Wikileaksを通じて漏洩した情報の重要性で、Googleとアメリカ政府間の無差別乱行を暴露し、世界の注目を集めた後、スノーデンは、その問題の解決策として純粋で単純なTor利用を提案した。国家を軽蔑する人々は、インターネット上で完全な匿名性を可能にするブラウザ、Torを使って、自由を獲得できるというのだ。
そこで、レヴィンはTorの歴史を語る。Torの資金は、CIAが関心あるプロジェクトに資金提供するために設立した会社から出ている。TorはIPアドレスを隠し、別の国からユーザーがインターネットにアクセスしているように見せかける。一般的に、Torが普及する前から存在しているVPNサービスと同じ狙いをTorは実現している。(ここブラジルでは、アレクサンドル・デ・モライスによるTwitterブロックがVPNサービスを普及させた。Tor を覚えている人はごく僅かだ。)
レヴィンは情報公開法を利用してTorに関する文書を入手した。そこで、スパイには秘密が必要なことを彼は理解した。レバノンのCIA工作員が、自分の仕事用メールにアクセスした場合、レバノンのプロバイダーは、そこにCIA工作員がいるとわかる。Torでは、我々が一体何にアクセスしているかプロバイダーはわからないが、IPアドレスを隠す何かを我々が使っていることはわかる。問題は、CIA工作員だけが、この種のものを使用していれば、レバノンのプロバイダーが、何かおかしいと気づくのに十分だ。その結果、CIAは全ての人にTorを使うよう奨励しなければならなくなり、こうしてインターネット・プライバシー運動が生まれたのだ。CIAの戦略は、世界中の政治的反体制派をできるだけ多く引きつけ、犯罪者連中にTorを使わせることだった。それは容易ではなかった。中国のようなファイアウォールを持たないロシアの反体制派は、Torを使用すればCIAと結び付けられ、それはリスクだと理解するとレヴィンは考えた。犯罪者連中について言えば、最大の現象は、無政府資本主義者が運営していたSilk Roadウェブサイトで、最初は麻薬の販売から始まり、その後、武器、臓器、殺人などを販売するようになった。支払いは全てビットコインで行われていた。
スノーデンがTorを暴露した際、彼はCIAを救ったのだ。ロシア人でさえTorを使い始めたほどだ。結局、無政府資本主義の普及がCIAを救った。少なくともWilileaksスキャンダルでは。だが、無政府資本主義者が知らなかったのは、Torは事実上、準国営で、ユーザーへの特権的アクセスを国家に与えていることだ。Silk Road所有者は逮捕され、終身刑を宣告された。トランプにより恩赦を受けるまで、彼は11年間刑務所で過ごした。彼が活動を続けていた間、ビットコインは値上がりした。
つまり、Torは罠なのだ。アメリカ政府以外の組織に対し、アメリカ人スパイの匿名性を保証するだけでなく、Torを使用するほど、何かを隠したり反抗的だったりする人々を監視、または少なくとも記録する役割も果たしている。
この狙いで、他にも行われていることを皆様はご存知だろうか? プライバシーを約束し、活動家に使われたSignalアプリだ。Torと同様、このアプリはOpen Technology Fundの資金提供を受けて開発された。Open Technology Fundは(電波を通じて中国で反共産主義プロパガンダを広めるのが狙いの)悪名高いRadio Free Asiaへの補助金提供も目的にしているアメリカ政府とつながりのある非営利団体だ。Signal幹部の一人は、ジェイコブ・アップルバウムの友人だった。そして、レヴィンの言い分を信じるなら、Wikileaks幹部に潜入した当時、アップルバウムはCIAで働いていたという。
Tor同様、Signalも罠で、驚くほど容易に捕まった、それを利用するアメリカ人活動家の会話を、まるで彼らの会話を警察が盗聴するかのようにレヴィンは聞いていたのだ。
Signalゲート事件で、トランプ陣営が、Wired誌を読む反抗的な十代の若者の知識を駆使してディープステートに対抗しようとしているのを我々は目にした。
追記: この文章を書いている中、レヴィンが同じ本についてクリス・ヘッジズにインタビューしたのを知った。読者はここをクリックしてインタビューをご覧頂ける。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/04/07/by-using-signal-app-trump-administration-leadership-shows-that-amateurs/