・がんが全身に転移…余命3カ月の男性が犬の駆虫薬で完治?(日刊ゲンダイDIGITAL 2019年5月4日)

※ホント? なんて声が聞こえてきそうだ。

全身にがんが転移し、「余命3カ月」と宣告された米国の男性が、犬の駆虫薬を飲むことで完全回復したというニュースが世界中の注目を集めている。

英紙「サン」(4月27日付電子版)などによると、この男性はオクラホマ州エドモンドに住むジョー・ティッペンズさん(写真)。

2016年に小細胞肺がん(SCLC)と診断されて治療を始めたが、17年1月には、がんは胃、首、脾臓、骨など全身に転移し、手の施しようのない状態になった。

医者からは「ここまで転移しては回復の見込みは約1%です。余命は3カ月ほど」と宣告された。

ジョーさんは「余命を1年まで伸ばせるかもしれない」という実験療法に参加すると同時に、何か奇跡を起こす別の方法はないものか、とあれこれ調べていた。

ある日、母校オクラホマ州立大学のフォーラムをチェックしていたら、「あなたが、もしくは知り合いががんにかかっているなら、連絡してみて」という投稿が目に入った。

連絡を取ってみると、驚いたことに投稿者は獣医だった。獣医はジョーさんに、次のように説明した。

「偶然、犬の駆虫薬として使われるフェンベンダゾールが、マウスのがん細胞を攻撃した可能性があることが発見されたんです。それでステージ4の脳腫瘍の患者にフェンベンダゾールを処方したところ、6週間も経たないうちに腫瘍が消えてしまったのです」

この話を聞いたジョーさんは実験療法を続けるとともに、フェンベンダゾールをネットで購入、服用し始めた。価格は1週間分でたったの5ドル(約560円)。

そして3カ月後、実験療法を受けている病院で、PET(放射断層撮影法)スキャンを受けたところ、がんがきれいに消滅していたというのだ。

「3カ月前……がんは頭からつま先まで、体中に転移していました。恐ろしい転移で、3カ月以内に100%死ぬという状態でした。ところが3カ月後、PETスキャンには何も映っていなかった。どこにもがんはありませんでした」

ジョーさんは実験治療、フェンベンダゾールの他にビタミンBのサプリ、大麻から抽出されるカンナビジオール(CBD)、香辛料のウコンの有効成分であるクルクミンなどを摂取していた。

しかし実験療法を受けた約1100人のうち、がんが完治したのはジョーさんのみ。フェンベンダゾールが劇的に効いたとしか考えられなかった。

ジョーさんはその経緯を、公式ウェブサイト「Get Busy Living(必死で生きる)」で発表した。

「がん患者に誤った希望を与える」との批判も受けたが、ジョーさんは次のように語った。

「医学的治療に関するアドバイスをする資格はありません。でもできるだけ多くの人々に体験談を語る資格はあるはずです」

一方、フェンベンダゾールによってがんが治ったというケースが、ジョーさん以外に40件以上あることも判明。

ジョーさんの話を知ったオクラホマ医療研究基金がフェンベンダゾールのがん治療の性質に関する研究を始めているという。



・虫下し(駆虫薬)のフェンベンダゾールは本当にがんに効くのか? がん治療医の解説(Yahoo!ニュース 2020年1月15日)

大津秀一 緩和ケア医師

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f78f649fbf5d19fa1d0b65f10ead212304daf1bf

※きっかけは早期緩和ケア外来の診察室から

診察室での患者さんとの対話からは、様々な気付きがあります。

勉強しておられる患者さんも数多く、新治療の情報に関しては患者さん同士のネットワークで医師よりも早く入手している、という場合さえあります。

緩和ケアは末期になってからではなく、診断時から行うものです。その早期からの緩和ケアには「病気を理解する支援」「治療の意思決定」などが含まれ、単に症状を和らげるだけが緩和ケアではありません。

そのため、代替医療も含めて、治療を相談されることはよくあります。時間をかけてお話を伺い、専門家としての意見を伝えるのです。

少し前、患者さんからこのような質問を受けました。

「先生、虫下しってがんに効くのでしょうか?」

初耳だったのですが、気になることは早めに調べることが大切。

どうやら元ネタと思われる、フェンベンダゾールという虫下し薬を飲んで、小細胞肺がんが完治したとする米国のサイトはすぐに見つけることができました。

ただざっと調べると、その時点ではそれほど裏付けが有力なものではなく、様子見が妥当と思われました。

そこで私の頭の中でフェンベンダゾールという名前は時とともに薄れていったのですが、その間に大変なことになっていたのです。


YouTubeやメディアで拡散

2018年6月の日付で投稿されているジョーティッペンスの体験談。

そこには、小細胞肺がんを患ったジョーティッペンスが、抗がん剤治療と放射線治療を受け、それにプラスして(医師に内緒で)フェンベンダゾールといくつかの薬剤を飲み、劇的ながんの消滅を得た逸話が書かれています。

彼によると、40人程度が彼の方法で改善しているということです。

2019年になると、彼の話は口コミになり、テレビ局も取り上げました。

大きな影響を受けたのは、韓国でした。同国ではYouTubeが拡散に大きな役割を果たしました。

米国で働く韓国人医師が、動画上でがん患者に駆虫薬をがん治療薬として研究するように政府に働きかけることを呼びかけ、それを見た視聴者が実際に政府への請願書を集めました。

さらには、数人のがん患者が駆虫薬を服用した後の副作用で病院に入院し、死亡者を1人出す結果になったにもかかわらず、別の韓国で働く医師がYouTube上で安全と主張するなど混乱が起こりました。

フェンベンダゾールには抗がん効果はあるようですが

【参考文献1】

https://www.nature.com/articles/s41598-018-30158-6

【参考文献2】

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30862488/

、元々ヒトに対して使われておらず、動物では骨髄抑制(骨髄の働きが抑制されて造血機能が障害され、白血球・赤血球・血小板が減少し、感染症や貧血、出血などの症状が現れること)や腸壊死などの副作用があります。

また同じベンゾイミダゾール系のアルベンダゾールはヒトに使用されていますが、がんに対しての治験ではやはり白血球が減少し、死亡例もあったとされています。

動物実験や試験管内の実験の結果が有望だからと言って、本当に有益な薬剤になるかを結論づけることはできません。

ましてや、副作用などが大きな問題になりうるかもしれません。フェンベンダゾールは、主として肝臓に存在する体内の酵素CYP2C19を使って代謝されるのですが、日本人は2割程度が低活性者であり、欧米人より割合が多く、その場合にフェンベンダゾールの薬物濃度が上がることが危惧されます。またCYP2C19に関係する薬剤を飲んでいると濃度が変化する飲み合わせの問題もあるでしょう。

日本でも、SNS等にも実践している人の投稿があります。

上述のように飲み合わせの問題があるのですが、担当医に話したら不許可となることを恐れて、秘密裏に実践している人が少なくないようです。

また中には、”推奨”(ジョーティッペンスが行った量。科学的に妥当かは不明確)の4倍量を使用して、致死的な副作用を出した可能性があるものまで見出されました。

現時点では、冷静に見守るという姿勢が好適でしょう。それにしてもジョーティッペンスの投稿日付から1年半でこれだけ話題になるのですから、情報の広がりがいかに早くなっているか、と痛感します。


日本でもYouTube等で取り上げられる

日本でもがんが治るなどとして、YouTubeの有名サイトでこのフェンベンダゾールの話が脚色され、とても見られています。

そうではないものもある一方で、これらの話にはしばしば「抗がん剤治療で効かなかった人が◯◯では治った」「効かない薬を売っているのは製薬会社や医者の金儲け」などと、標準治療への否定的な言及や陰謀論が添えられています。

ネット社会において、情報の拡散も本当に早くなりましたし、韓国でもYouTubeなどの動画がその有力な役割を果たしました。

すなわち今後、同じようなことが相次いで起こる可能性があります。

今まさに、病気で苦悩している方にとって、このような「がんが治る」という話はとても惹きつけられるものでしょう。

またしばしば短時間となりがちな診察時間のみにおいて、これらの”新治療”のことを医師などとよく相談することは一般に困難と言えるでしょう。

そのため緩和ケア外来やがん相談支援センターなどの、医療者が時間をかけて相談してくれる場とつながることが重要となります。

思いつめている時は、得てして冷静な判断が難しく、高額なものや健康を害するものに飛びつきがちです。

そして今、健康な方は、動物実験や体験談、陰謀論などの情報は常に冷静に受け止め、病気になった際も先入観に惑わされずに、相談によく乗ってくれる医療者と話し合うことが重要です。

もちろん有望ながん治療薬が新開発されるのは嬉しいニュースですが、しっかりとした検証の結果を待って判断することが大切だと言えましょう。

今後も「がんに効く」とする様々な情報が出てくることが予測され、YouTube等のこれまでとは異なった手段が拡散の後押しをするケースが出てくる可能性がありますが、述べてきたような捉え方や対処を行うことで、健康被害や経済的な損害を避けやすくなると考えます。


大津秀一 緩和ケア医師

岐阜大学医学部卒業。緩和医療専門医。日本初の早期緩和ケア外来専業クリニック院長。早期からの緩和ケア全国相談『どこでも緩和』運営。2003年緩和ケアを開始し、2005年日本最年少の緩和ケア医となる。緩和ケアの普及を目指し2006年から執筆活動開始、著書累計65万部(『死ぬときに後悔すること25』他)。同年笹川医学医療研究財団ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。ホスピス医、在宅医を経て2010年から東邦大学大森病院緩和ケアセンターに所属し緩和ケアセンター長を務め、2018年より現職。内科専門医、老年病専門医、消化器病専門医。YouTubeでも情報発信を行い、正しい医療情報の普及に努めている。



・「馬用駆虫剤」イベルメクチン、「犬用駆虫剤」フェンベンダゾール、およびメベンダゾールを特徴とする新しいがん治療プロトコルが査読に合格し、治療のブレークスルーの可能性をマーク

2024年10月14日

https://www.thegatewaypundit.com/2024/10/new-cancer-treatment-protocol-featuring-horse-dewormer-ivermectin/

※イベルメクチン(一般に「馬用駆虫薬」として知られています)、フェンベンダゾール(「犬用駆虫薬」)、およびメベンダゾールを再利用した新しいがん治療プロトコルが、最近査読を通過し、癌治療における画期的な進歩の可能性があると期待されています。このプロトコルは、Journal of Orthomolecular Medicineに掲載され、がん幹細胞と腫瘍の進行を促進すると考えられている重要なメカニズムであるミトコンドリア-幹細胞結合(MSCC)を標的としています。

抗寄生虫薬であるイベルメクチンは、ミトコンドリアの機能を調節し、解糖系などの重要な経路を阻害することにより、がん細胞にアポトーシスを誘導します。フェンベンダゾールとメベンダゾールは、もともと動物用抗寄生虫薬として使用されていましたが、微小管形成を阻害し、糖代謝を阻害し、がん細胞に特異的にアポトーシスを誘導することにより、抗がん剤として有望視されています。

より大規模な集団における有効性と安全性を検証するためには、さらなる臨床試験が必要です。

イベルメクチン(一般に「馬の駆虫薬」として知られる)、フェンベンダゾール(「犬の駆虫薬」)、およびメベンダゾールを再利用した新しい癌治療プロトコルがこのほど査読を通過し、癌治療における画期的な進歩の可能性が期待されています。

Public Library of Science(PLOS)によると、研究プロトコルとは、特定の実験プロセスまたは手順を実行するための詳細な研究デザインまたは一連の指示書のことです。

Journal of Orthomolecular Medicine(Vol.39.3)に掲載されたハイブリッドオーソモレキュラー・プロトコルは、がん幹細胞と腫瘍の進行を促進すると考えられている重要なメカニズムであるミトコンドリア-幹細胞結合(MSCC)を標的としています。

核医学の医師であり、癌を含む複数の医療分野を専門とする研究者であり、COVIDワクチンの危険性について最初に警告を発した医師の一人であるウィリアム・マキス博士は、Xへの投稿でこのニュースを共有しました。




William Makis MD@MakisMD

速報:世界初のがんにおけるイベルメクチン、メベンダゾール、フェンベンダゾールのプロトコルが査読され、2024年9月19日に公開されました。

がん治療の未来は今始まります。

素晴らしいインスピレーションを与えてくれた筆頭著者の Ilyes Baghli 氏と Pierrick Martinez 氏、再利用薬物に関する広範な研究を行った FLCCC の Paul Marik 博士、そしてこの論文を実現するために尽力してくれたすべての共著者に感謝します。

この査読済み論文が、がん治療のまったく新しい未来への基礎を築くことを願っています。

皆さんの多くは、私が高用量のイベルメクチン、メベンダゾール、フェンベンダゾールで何千人もの癌患者を助けてきたことをご存知でしょう。

すでに、これらの再利用された医薬品で驚くべき成功が見られ始めています。

汚染されたCOVID-19 mRNAワクチンの導入後、主流の腫瘍学は崩壊した。

ほとんどの腫瘍専門医はヒポクラテスの誓いを放棄し、汚染されたmRNAワクチンをすべての癌患者に投与し、自らもmRNAワクチンを接種しました。

腫瘍専門医の中には、mRNA 誘発性心停止、血栓、ターボがんを発症した人もいます。また、突然死した人もいます。

これらの腫瘍専門医は現実から目を背け、有能な医師になるために必要なことすべてを放棄した。

しかし、未来に向けて新たな道を切り拓く医師たちがいます。またお会いしましょう! 😃


このプロトコルは、イベルメクチンやベンズイミダゾール誘導体(フェンベンダゾールやメベンダゾール)のような 「再利用 」薬剤と既存の治療法を組み合わせたものです。

この戦略は、ミトコンドリア-幹細胞結合(MSCC)理論に基づいており、癌は幹細胞のミトコンドリア機能障害に由来し、高度に腫瘍原性の癌幹細胞(CSC)の形成につながると仮定しています。

これらのCSCは、腫瘍の再発や転移を引き起こし、従来の治療法に対して抵抗性を示すと考えられています。

この論文によると、イベルメクチン、フェンベンダゾール、メベンダゾールはそれぞれ、異なるが補完的なメカニズムで抗がん特性を示します。抗寄生虫薬であるイベルメクチンは、ミトコンドリア機能を調節し、解糖系などの重要な経路を阻害することにより、癌細胞にアポトーシスを誘導します。単独または他の薬剤との併用により、膵臓癌を含む様々な癌種で腫瘍体積の縮小に大きな効果を示しています。

フェンベンダゾールとメベンダゾールは、もともと動物用抗寄生虫薬として使用されていましたが、微小管形成を阻害し、糖代謝を阻害し、がん細胞に特異的にアポトーシスを誘導することにより、抗がん剤として有望視されています。

どちらの薬剤も、前臨床がんモデルにおいて腫瘍の成長を抑制し、生存率を向上させることが実証されており、多くの場合、その効果は従来の化学療法を上回っています。しかしながら、メベンダゾールだけがヒトへの使用がFDAで承認されています。

オクラホマ州の男性であるジョー・ティッペンズは、KOCOによると、通常は犬用の駆虫薬であるフェンベンダゾールを使用して、侵攻性の癌を治したと信じていることを詳しく語っています。

ティッペンズは、臓器や骨に転移した小細胞肺がんと闘うための最後の手段として、獣医師から犬用駆虫剤を試すようにアドバイスされた後、彼の命が救われたと主張しています。

ティッペンズは、医師から余命数ヶ月と宣告され、ホスピスに電話し、最悪の事態に備えるよう促されたことを説明しました。「この種の癌がそこまで進行してしまうと、生存確率は1パーセント未満になります。最も痩せたとき、彼は220ポンドから110ポンドまで体重を落とし、「皮膚が垂れ下がった骸骨のようだった 」と言いました。2017年1月、彼はフェンベンダゾールの摂取を開始し、ビタミンEのサプリメントとCBDオイルを併用したところ、わずか3ヶ月で癌が奇跡的に寛解に至ったと考えています。

フェイスブックのファクトチェッカーは、フェンベンダゾールが癌の治療薬であることを裏付ける科学的証拠がないとして、この動画に誤解を招くものとしてフラグを立てました。

最近発表されたプロトコルによると、このプロトコルの中でイベルメクチン、フェンベンダゾール、メベンダゾールを併用することで、特にがん細胞の燃料源を減らすケトジェニックダイエットなどの食事介入と統合した場合に、生存結果が改善する可能性があることが初期の結果から示唆されています。 初期の症例報告では、他の選択肢を使い果たした進行期の患者において、腫瘍の縮小や病状の安定化などの良好な反応が示されています。


査読済みのプロトコルによると、


イベルメクチン

イベルメクチンは、Streptomyces avermitilisという細菌に由来する抗寄生虫薬で、抗がん作用を持ち、がん細胞のオートファジーやアポトーシスを誘導します(Liu, et al., 2020)。イベルメクチンは、さまざまながん細胞株に大きな影響を与え(Juarez, et al., 2020)、in vivoでがん細胞のアポトーシスを誘導し(Sharmeen, et al., 2010)、対照群と比較して腫瘍体積を大幅に減少させることが示されています(Juarez, et al., 2020)。

これは、ミトコンドリア媒介を介して癌細胞のアポトーシスを誘導します(Juarez、et al.、2018;Tang, et al., 2021)。イベルメクチンは、解糖の最終ステップでピルビン酸キナーゼ筋アイソフォームを標的化し、調節することができます(Li, et al., 2020)。オートファジーを誘導する解糖系を阻害し(Feng, et al., 2022)、がん細胞に対して選択的な酸化促進効果を持つことができます(Wang, et al., 2018)。

また、CSCや転移を標的とすることもできる(Dominguez-Gomez, et al., 2018;Jiang, et al., 2022)およびマクロファージ(Zhang, et al., 2022)の著者です。In vitroでは、イベルメクチンは化学療法(パクリタキセル)と比較して、乳がん細胞のCSCを阻害する効果があります(Dominguez-Gomez, et al., 2018)。

In vivoでは、イベルメクチン単独は、標準的な化学療法(ゲムシタビン)単独よりも、膵臓がんの腫瘍重量と体積の減少に効果的です(Lee, et al., 2022)。イベルメクチンは非常に安全な薬です。健康なボランティアでは、単回投与量を2 mg / Kgに増やし、重篤な副作用は見つかりませんでした(Guzzo、et al.、2002)。

別の研究では、イベルメクチンを標準用量の5倍(最大1mg / kg)で毎日最大180日間連続して服用したがん患者には、深刻な副作用がなかったことが示されています(de Castro、et al.、2020)。イベルメクチン、ジクロロ酢酸、オメプラゾール(およびタモキシフェン)の全または部分的な組み合わせで治療に成功した場合、イベルメクチンはミトコンドリアの機能障害による腫瘍増殖を阻害し、アポトーシスを引き起こしました(Ishiguro, et al., 2022)。


ベンズイミダゾール

ベンズイミダゾールと呼ばれる別の薬ファミリーは、フェンベンダゾールやメベンダゾールなどの有望な抗がん能力を持っています。メベンダゾールとフェンベンダゾールは構造的に非常に類似しており、一般的に癌に対しても同じくらい効果的です(Bai、et al.、2011;Florio, et al., 2019;Schmit, 2013)、in vitro モデルと in vivo モデルの両方で (Song, et al., 2022)。ただし、メベンダゾールのみがヒトでの使用がFDAに承認されています(Impax、2016年)。

ベンズイミダゾールは、微小管の重合、アポトーシスの誘導、細胞周期停止(G2/M)、抗血管新生、グルコースの遮断(Son, et al., 2020)、グルタミン経路(Mukherjee, et al., 2023)を通じて抗がん作用を発揮します。アポトーシスはミトコンドリアの損傷によって誘導され、p53の発現によって媒介されます(Mukhopadhyay, et al., 2002;Park, et al., 2022)。

ベンズイミダゾールは、CSCおよび転移も標的とします(Son, et al., 2020;Song, et al., 2022)、したがって、化学療法抵抗性(シスプラチン)がん細胞(Huang, et al., 2021)です。メベンダゾールは、in vitroで他のよく知られた化学療法薬(5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、ゲムシタビン、イリノテカン、パクリタキセル、シスプラチン、エトポシド、ドキソルビシン)よりも胃がん細胞株に対して強力でした(Pinto, et al., 2015)。

一方、メベンダゾールは、in vivo 多形性膠芽腫に対する標準的な化学療法 (テモゾロミド) と比較して、生存期間が大幅に延長されます (Bai, et al., 2011)。

メベンダゾールは安全な薬として確立されています。ヒダチド疾患の小児患者では、長期のメベンダゾール治療 (50 mg/kg を 1 日 9 〜 18 か月間) で有意な副作用がないことが実証されました (Göçmen, et al., 1993)。神経膠腫に対して1500mg/日のメベンダゾールを投与された患者も、この薬による毒性がないことが認められました(Chai, et al., 2021)。

治療抵抗性消化管がんの患者は、メベンダゾールの個別投与を4 g/日まで使用した第 2 相試験に参加しましたが、重篤な副作用はありませんでした (Mansoori, et al., 2021)。カペシタビン、オキサリプラチン、ベバシズマブ、カペシタビン、イリノテカンなどの化学療法剤の失敗後、メベンダゾールを服用した後の転移性結腸癌患者でほぼ完全寛解の症例が報告されました(Nygren & Larsson, 2014)。

別の症例報告では、副腎皮質がんの48歳の男性は、すべての全身療法で疾患が進行しました。彼はメベンダゾール100mgを1日2回、単剤として処方されました。彼の転移は最初は退行し、その後安定していました。

メベンダゾールを単独治療として19ヶ月間投与されている間、彼の病気は安定したままでした。彼は臨床的に重大な副作用を経験しておらず、彼の生活の質は満足のいくものでした(Dobrosotskaya、et al.、2011)。

フェンベンダゾールでも同様の結果が観察されており、ステージIVのがん(泌尿生殖器悪性腫瘍)の3人の患者が1,000mgの用量で週3回数ヶ月間治療され、疾患の完全寛解を経験しました(Chiang, et al., 2021)。3人の患者のうち2人は、フェンベンダゾールを開始する前にいくつかの治療ラインにもかかわらず、転移性疾患の進行を経験していました。

このプロトコルの初期承認とピアレビューは有望ですが、より大きな集団での有効性と安全性を検証するには、さらなる臨床試験が必要です。




・癌におけるイベルメクチン、フェンベンダゾール、メベンダゾール:2024年がん査読プロトコル(State of the Nation 2024年10月28日)

フランク・ヤップ医師(医学博士)
ウィリアム・マキス博士:

2024年10月25日

「この論文は、イベルメクチン、メベンダゾール、フェンベンダゾール の驚くべき特性に基づいた癌治療プロトコルを提案する、世界で初めて査読され出版された論文です 。これは本当に愛情のこもった仕事でした。」

素晴らしいインスピレーションを与えてくれた筆頭著者の Ilyes Baghli 氏と Pierrick Martinez 氏、再利用薬物に関する広範な研究を行った FLCCC の Paul Marik 博士 、そしてこの論文を実現するために尽力してくれたすべての共著者に感謝します。

この論文ががん治療の新たな未来への基礎を築くことを願っています。」


・癌治療におけるミトコンドリアと幹細胞のつながりを標的とする: ハイブリッド・オーソモレキュラー・プロトコル

要旨

ミトコンドリアと幹細胞のつながり(MSCC)理論では、がんは幹細胞における慢性的な酸化的リン酸化(OxPhos)不全に由来すると考えられている。このOxPhosの不全は、がん幹細胞(CSC)の形成とエネルギー代謝の異常を引き起こし、最終的に悪性腫瘍をもたらす。この概念は、がん幹細胞理論と代謝理論という2つの確立された理論を統合したものである。分子生物学、薬理学、臨床研究からの洞察をもとに、この原稿ではMSCCを標的としたハイブリッド・オーソモレキュラー・プロトコルを紹介する。このプロトコールには、オーソモレキュラー、薬物、追加療法からなる7つの治療法が推奨されている。このハイブリッド・オーソモレキュラープロトコルの目的は、OxPhosを増強し、がん細胞の主要な燃料(グルコースとグルタミン)を阻害し、CSCsと転移を標的とすることで、相加的、相乗的効果を達成することである。このように、多くの実験から、MSCCを標的とすることが、がん治療のための潜在的な治療法となりうることが示唆されている。


ハイブリッド・オーソモレキュラー癌プロトコール: オーソモレキュラー、薬物、追加療法からなる7つの治療推奨事項

1. ビタミンC静注

中悪性度および高悪性度癌: 1.5g/kg/日、週2-3回投与(Fan, et al.) がん患者に対する無毒性量として確立されている(Wang, F., et al., 2019)。


2. 経口ビタミンD

すべてのがんグレード: 血中濃度≦30ng/mLの患者には50,000IU/日、30~60ng/mLの患者には25,000IU/日、60~80ng/mLの患者には5000IU/日を投与する。無毒性量として確立されている(Cannon, et al., 2016; Ghanaati, et al., 2020; McCullough, et al., 2019)。
ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)の血中濃度が80ng/mLに達することが必要である(Kennel, et al., 2010; Mohr, et al., 2014; Mohr, et al., 2015)。このレベルは無毒である(Holick, et al., 2011)。このレベルに達したら、1日の投与量を≈2000 IU/日に減らして維持しなければならない(Ekwaru, et al., 2014)。ビタミンDの血中濃度は、高用量では2週間ごと、低用量では毎月測定する必要がある。


3. 亜鉛

すべてのがんグレード: 1mg/kg/日の投与量は、がん患者に対する無毒性量として確立されている(Hoppe, et al., 2021; Lin, et al., 2006)。血清亜鉛濃度の基準範囲は80~120μg/dLである(Mashhadi, et al.) このレベルに達したら、1日の投与量を5mg/日に減らして維持しなければならない(Li, et al.、2022)。亜鉛の血中濃度は毎月測定すべきである。


4. イベルメクチン

低悪性度がん: 0.5mg/kg、週3回投与 (Guzzo, et al., 2002)。
中悪性度がん: 1mg/kgを週3回投与(Guzzo, et al.)
高悪性度がん: 投与量は1mg/kg/日(de Castro, et al., 2020)から2mg/kg/日(Guzzo, et al., 2002)である。
これらの用量はすべて、ヒトに対する耐容性が確立されている(Guzzo, et al., 2002)。


5. ベンズイミダゾール類とDON*。

低悪性度がん: メベンダゾール: 200mg/日の用量(Dobrosotskaya, et al.)
中悪性度がん: メベンダゾール: 400mg/日の用量(Chaiら、2021年)。
高悪性度がん: メベンダゾール1,500mg/日(Sonら、2020年)またはフェンベンダゾール1,000mg/週3回(Chiangら、2021年)。

これらの用量はすべて、ヒトに対する耐容性が確立されている(Chai, et al., 2021; Chiang, et al., 2021; Son, et al., 2020)。ベンズイミダゾールはDONに置き換えたり、併用したりすることができ、毒性なく投与できる;静脈内または筋肉内投与: 0.2~0.6mg/kgを1日1回;または経口投与: 0.2~1.1mg/kgを1日1回経口投与する(Lemberg, et al., 2018; Rais, et al., 2022)。ベンズイミダゾールはDONよりも入手がはるかに容易である。しかし、グルタミンに大きく依存する転移性がんに対しては(Seyfried, et al., 2020)、DONとベンズイミダゾールの併用を考慮すべきである(Mukherjee, et al., 2023)。
*DON(6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン)は、ベンズイミダゾールよりも強力なグルタミン特異的アンタゴニストである。


6. 食事介入

すべてのがんグレード: ケトン食(低炭水化物-高脂肪食、900~1500kcal/日)(Weberら、2020年)。
ケトン代謝療法は、約60~80%の脂肪、15~25%のタンパク質、5~10%の繊維質の炭水化物で構成される。グルコースケトン指数(GKI)スコア2.0以下を達成するためには、十分な水分補給と単一食材のケトン食が必要である(Meidenbauer、他、2015;Seyfried、Shivane、他、2021)。GKIは、可能であれば1日2回、食後2~3時間後に測定すべきである(Meidenbauer, et al., 2015; Seyfried, Shivane, et al., 2021)。
中悪性度および高悪性度のがん 進行がんでは、ケトジェニック食と連続3~7日間の断水を併用すべきである(Phillipsら、2022;Aroraら、2023)。断水は治療期間中、数回(≒3~4週間ごと)繰り返すべきであるが(Nencioni, et al., 2018)、特定の薬剤を使用している人やBMIが20未満の人では、除脂肪体重の減少を防ぐために断食を慎重に行う必要がある。
絶食ができない患者には、FastingMimicking Diet(スープ、ジュース、ナッツバー、ハーブティーを300~1,100kcal/日)を用いることができる(Nencioni, et al.)


7. その他の治療法

すべてのがんグレード: 週3回の適度な身体活動。サイクリング、ランニング、水泳などの活動で、心拍数と呼吸数を45~75分間増加させる(Bull, et al.
中悪性度および高悪性度のがん、または身体活動が困難な人: 高気圧酸素療法(HBOT)、1.5~2.5ATA、45~60分、週2~3回(Gonzalez, et al.)
注意事項
単一の薬剤がすべてのがんの奇跡の治療薬となることはない。特定の薬剤を服用したり、特定のプロトコルを単独で採用したりすることは、不健康な生活習慣、すなわちヘビースモーカー、アルコール依存症、ストレスの多い非活動的な生活習慣、過体重、肥満などを置き換えることはできない。このようながんを促進する要因はすべて取り除く必要がある。

がんと闘う最良の方法は、野菜や果物をたくさん摂り、栄養価の高い全食品を食べ、超加工食品を避け、健康的なライフスタイルを送るなど、健康を維持するための戦略メニューを活用することである。各戦略は、既存の治療レジメンに追加することで、がんによっては少しずつ改善する可能性がある。

しかし、がん専門医(オンコロジスト)が教えてくれないような医学的知識を自分のものにしておくことは重要です。がんと共に生きている人も、がんを克服した人も、主治医に相談して、自分にとって最善の治療法を見極めましょう。


免責事項

本ガイドは、個人的な医療アドバイスではなく、専門家による使用を推奨するものであるとお考えください。主治医に相談し、相談してください。

私たちの目的は、医師のアドバイスに代わるものではありません。あくまでも知識と情報の共有が目的です。ほとんどの治療法は、がんを100%予防するものでも治癒するものでもないことに注意してください。免疫系とがん細胞との間の絶え間ない闘いなのです。がん治療は、この闘いにおいて免疫系を補助するためのものです。

がん治療は、可能な限り最良の結果をもたらすために、多方面からのアプローチの一部であるべきです。食事療法や生活習慣の改善は、従来の治療と並行して行うものです。それらは補完的なものであり、代替的なものではありません。とはいえ、すべてのがんを治す奇跡の食事療法や治療法は存在しない。


米国、メキシコ、ヨーロッパ、アジアの統合腫瘍医を探す

フェンベンダゾール、イベルメクチン、メベンダゾールの潜在的な抗がん作用は興味深いものですが、慎重に取り組むことが重要です。

統合医療の専門家に相談することが、あなたの独自の健康要件に合わせたプロトコルを作成する鍵となります。

統合腫瘍医を探すには、「統合腫瘍医を探す」をご覧ください。


新しく改良された ジョー・ティッペンズ・プロトコル

フェンベンダゾール (300 mg、週 6 日)、または重度のターボ癌の場合は最大 1 グラム。

イベルメクチン (24 mg、週7日)、または重度のターボ癌の場合は最大1mg/kg/日。

生体利用可能なクルクミン (1日あたり600mg、1日2錠、週7日)。

ビタミンD (週7日62.5mcg [2500IU])と オメガ3 (1日1g)。(Nutrients 2024、 Frontiers in Aging 2022)

ビタミン E のトコトリエノールおよびトコフェロール形態 (全 8 種類) (1 日あたり 400 ~ 800 mg、週 7 日)。Life Extension の Gamma Eという製品。

このプロトコル中は食事から砂糖を排除することが極めて重要であり ( BMJ 2023 )、果物や野菜を含む栄養価の高い新鮮な自然食品を食べ、過剰に加工された食品を避け ( BMJ 2024 )、ストレスの少ない健康的なライフスタイルを送ることが重要です。

CBD オイル (1~2 滴 [1 日あたり 167~334 mg に相当] を週 7 日間舌下に摂取) CBD-X: 最も強力なフルスペクトル オーガニック CBD オイル。1 回分あたり 5,000 ミリグラムの活性化カンナビノイドとヘンプ化合物 CBD、CBN、CBG が含まれています。

出典: https://www.2ndsmartestguyintheworld.com/p/15-minutes-with-dr-makis-episode