・細胞膜表面にRBDを発現するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株に広範・持続的な免疫の誘導に成功

2023年5月19日

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000118477.html

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、※『VLP Therapeutics Japan株式会社』、独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター、国立大学法人北海道大学大学院医学研究院、公立大学法人大阪 大阪公立大学の研究グループは、細胞膜表面に新型コロナウイルス受容体結合ドメイン(RBD)を発現するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンを開発しました。

本研究では、レプリコンプラットフォーム技術を利用して、COVID-19ワクチンを新規開発しました。※『この技術は、アルファウイルス(ウイルスの一種)のレプリコン発現ベクターを利用しています。』このベクターは、レプリコンの複製・転写に必要な4種類のタンパク質(nsPs1-4)を発現し、目的の遺伝子を効率的に発現させます。この自己増幅プロセスにより、標的抗原の発現レベルおよび発現期間は、既存のmRNAワクチンプラットフォームで観察されるよりも高く、長くなります。



以下「In Deep」様より転載

https://indeep.jp/japan-s-plan-to-destroy-the-world/

・日本発の世界破壊計画

Japan’s plan to destroy the world

ダニエル・ナガセ MD

2024/08/31

※核兵器が悪いと思うなら、1000年も持続する核兵器を想像してみてほしい。

過去数ヶ月にわたり、日本の真実を追求するコミュニティは、この秋、おそらく 10月にも日本で初めて大量に人間に投与されるであろう新しいタイプのワクチンについて警鐘を鳴らしてきた。この新しいタイプのワクチンは、日本で一般にレプリコンとして知られている。


レプリコンとは何か?

これは「自己増幅型」RNA「ワクチン」であり、患者が抗体を作るはずのタンパク質を生成する前に、自分自身を複製すると言われている。

これは、副作用で悪名高いファイザーとモデルナの現在のスパイクタンパク質 mRNA「ワクチン」とは異なる。

現在の COVID-19 mRNA ワクチンには、自己複製する能力は正式にはない(人の DNA に組み込まれない限り)。ファイザーまたはモデルナの mRNA が逆転写され、細胞の DNA を変更した場合のみ、細胞分裂を通じて複製する能力が得られる。

新しい「自己増幅」レプリコンワクチンは、逆転写や DNA の改変も起こり得るものの、細胞の DNA を改変することなく自分自身を複製する生来の能力を備えているという点で異なる。

レプリコン「自己増幅」技術の危険性の重大さに、私はここ数日でようやく気付いた。

レプリコンワクチンの基礎テンプレートとしてアルファウイルスを選択したことにより、レプリコンワクチンの新しい人工遺伝子が人間に導入された場合、他の人間だけでなく他の種にも広がる可能性が高まっているのだ。


2024年10月にも日本で供給される予定のレプリコン「ワクチン」がなぜ核兵器よりも悪いのか

それらはどのようにして世界的な災害を引き起こすのだろうか。

まず、日本政府が開発に資金を提供したレプリコンワクチンの背景を少し見てみよう。

現在の第一世代の「自己増幅型」(複製型)RNA ワクチンは、自然発生的なアルファウイルスをベースとしているようだ。論文によると、COVID-19 に対するアルファウイルスベースのレプリコン「ワクチン」の具体的な開発は 2020年にまで遡り、おそらくこの研究が発表される日よりかなり前のことと思われる。


アルファウイルスとは何か

これは、人間や動物に感染するウイルスのグループで、一部の種は蚊によって伝染するが、アルファウイルスの種の中には、屋外の環境下で長期間生存でき、感染力(増殖して再び広がる能力)を維持できる非常に丈夫な種もある。

自己複製ワクチンが危険であることはわかっていたが、当初私は、もし人々が自然発生のアルファウイルス(自己複製ワクチンのベースとなっている)に対する既存の抗体を持っているなら、健康な人々は、レプリコンやその他の自己増幅 RNA 「ワクチン」を接種した人々から排出された自己複製 RNA を中和するのに十分なアルファウイルス抗体を持つことができるかもしれないと考えていた。

天然のアルファウイルス抗体を得るには、蚊に刺されることを頻繁に自然に経験するのが最も簡単だ。しかし、レプリコン「ワクチン」から身を守るための自然な方法についての私の考えは、問題の一部しか考慮していなかったことに気づいた。ここ数日で私に思い浮かんだ別のはるかに大きな危険があったのだ。

私が疑わしいと思ったのは、2020年以降、研究コミュニティがレプリコン型ワクチンにアルファウイルスを使用することに固執していることだ。

自己複製する「ワクチン」のために、この特定のウイルスファミリーの研究がこれほど盛んに行われたのはなぜだろうか。

アルファウイルス科の自然の特性が、もっと邪悪な目的を持っているかもしれないと気づくのに、1週間以上かかった。

それは、環境耐性 (長期間、宿主の外で生き延びる能力) と、種間の交配能力だ。アルファウイルスは、生態系全体に人工遺伝子を恒久的に導入するための有効な候補となった。


これは最初から意図的な計画だったのだろうか

それは分からない。

しかし、2021年8月にベトナムで行われた自己複製ワクチンの臨床試験では、研究者たちは論文の中で、レプリコン「ワクチン」の人から人へ、また人から環境への拡散を無視していた。

この論文には環境の監視がまったく含まれていなかった。

レプリコン患者に曝露した人々に副作用が生じたかどうかを調べるための追跡調査も公表されていない。

新しいレプリコン「ワクチン」を注射された人々の周囲の環境全体を監視し、自己増幅 mRNA である 「ARCT-154」 (※Arcturus Therapeuticsが創製した、新型コロナウイルス用の次世代mRNA(=レプリコン)ワクチンの開発コード。Meiji Seika ファルマが、日本国内における製造販売承認取得、流通および販売を担当する)が周囲に漏れていないか調べるプロトコルも公表されていない。(漏れがチェックされていたとしても、結果は公表されていない)

被験者の周囲の動物、ペット、昆虫(特に蚊)はすべて、人工 ARCT-154 遺伝子の存在を調べるべきだったはずだ。

レプリコン型ワクチンはアルファウイルスをベースにしているため、最も組み換えられる可能性が高い種は他のアルファウイルスだ。

ウイルス内で遺伝物質の組み換え交換がどのように起こるか。

野生のアルファウイルスは他の動物や蚊と種を交配するため、レプリコンを注射された人間は誰でも、他の人間にレプリコンの遺伝子を伝達できるだけでなく、レプリコンの遺伝物質を他の種に移すことができる。

これは、蚊を介して、またはレプリコン患者がコロナウイルス、インフルエンザウイルス、または他のアルファウイルス種などの他の種に感染したときに組み換えによって発生する可能性がある。

レプリコンに感染した人が、そのレプリコンがまだ体内にある間に別のウイルスに感染するたびに、レプリコンは患者から出て、その別のウイルスを使用して他の人や動物に感染する機会が与えられる。

レプリコンが別のウイルスの殻に便乗するだけの場合、通常のウイルスと不要なレプリコンが拡散する。別のウイルスと組み換えが行われると、人工のレプリコン遺伝子とウイルスの天然遺伝子のハイブリッドであるスーパーウイルスが生成される。

レプリコン + インフルエンザまたはレプリコン + コロナスーパーウイルスの副作用は何だろうか。

まあ、そんなことはわからない。


種間の感染(種間ウイルス伝播)が起こる可能性はどのくらいあるのか

これはほとんどのウイルス学のテキストに一章を割くほど頻繁に起こる。

アルファウイルスは、特に免疫反応を活性化する能力に関して、この現象の典型的なウイルスの 1つとして名付けられている。


種間の移動の問題は何か

ウイルスが複数の種に感染すると、宿主の 1種を殺すことで自滅することはなくなる。ウイルスが別の宿主種で無期限に生存できる限り、1種以上の種で高い死亡率があっても、そのウイルスの全体的な存在に悪影響はない。ウイルスが複数の種に感染すると、宿主にダメージを与えないようにする進化圧力は大幅に小さくなる。

これは、多種アルファウイルスが、その「保有宿主」となる別の宿主種に悪影響を与えない限り、人間にとって致命的であり続ける可能性があることを意味する。

たとえば、東部ウマ脳炎アルファウイルスは、鳥類では顕著な病気を引き起こすことなく存続するが、人間には致命的な害を及ぼす可能性がある。


レプリコンの基礎としてアルファウイルスを選択したのは意図的だったのだろうか

ベトナム人での実験

ベトナムでは、第1、2、3相のヒト研究で、アルファウイルスベースのレプリコン「ワクチン」に 9000人以上が感染した。

ベトナムでは、自己増幅型 mRNA COVID-19ワクチン ARCT-154 の遺伝物質がすでに動物や昆虫に漏洩しているのだろうか。

それを確認した人はいるのだろうか。

もし拡散の証拠がある場合、つまり誰かが ARCT-154 遺伝子を持つ風邪やインフルエンザウイルスを発見した場合、または動物や昆虫に感染するアルファウイルスの自然集団にそれらの遺伝子が突然出現したことを発見した場合、それはもう手遅れなのだろうか。

さらには、政府の 科学者は、それを突き止めようとするだろうか。

なぜなら、人工遺伝子が環境中に 1つでも存在していることが証明されれば、特にそれが鳥や昆虫の場合、唯一できることはその地域、この場合はベトナム全土を完全に隔離することだけだからだ。

感染拡大を防ぐには、人間だけでなく、動物や昆虫も隔離する必要があるだろう。

地域が完全に隔離されなかった場合、何が危険にさらされるのだろうか。

その人工遺伝子は世界中の複数の種に広がり、排除することがほぼ不可能になる可能性がある。


まずはベトナム、そして、日本はどうなるだろうか

2024年10月は、日本政府が明治株式会社(日本のクラフト食品に相当する企業)とVLPTジャパン(日本政府が資金提供しているバイオテクノロジーの新興企業)に日本人に対するレプリコンの注射を許可する予定だったとされる時期だ。

日本の人口の 1%未満(わずか 100万人)がレプリコン注射を受けると、それはすでにベトナムの治験の 100倍以上の人数になる。

その 100万人が人工レプリコン遺伝子を他の人や環境に拡散できるキャリアになった場合、ベトナムの治験で発生したものと比較して、世界全体に対するリスクは 100倍以上になる。

そして、患者の体内に機能的なレプリコンが生きている毎日は、人工遺伝子産物が環境に侵入するチャンスとなる。

体外でのレプリコンの人から人への感染、あるいは異種への感染が証明される頃には、もう手遅れだろう。

世界を守る唯一の方法は、日本を完全な隔離状態にすることだ。

日本に入国した者は、決して出国を許されない。製品、資材、あるいは昆虫を宿す可能性のあるものを入れた輸送コンテナは、今後何十年、あるいは何世紀にもわたって日本から持ち出すことは許されないだろう。

この隔離は人工遺伝子が完全に消滅するまで続けなければならない。レプリコン自己増幅「ワクチン」遺伝子が日本国内のすべての生物から消滅しなければ、国外に何かを出しても安全とは言えない。


それは極端すぎて、国際的な経済崩壊を引き起こすのでは?

そうだろうか?

経済崩壊は、世界全体の遺伝子汚染と比べてどうだろう。

日本政府とアメリカと日本の企業パートナーのせいで、エコシステム全体が今や危機に瀕している。

世界の残りの国々に関して言えば、G7の 1つの国(※ 日本のこと)を失うことで数年間経済が混乱するのと、人工の遺伝子構造によって地球が永久に汚染されるのとでは、どちらが悪いだろうか。

自国と世界の他の国々を地球規模の災害から守ることを考えている国は、人間と動物の両方における自己増幅遺伝子実験がすべて停止されるまで、日本に対する経済制裁、完全な輸出禁止、渡航禁止について考え始めるべきだ。




以下「井口和基の公式ブログ5」様より転載

https://quasimoto5.exblog.jp/30341117/

・【バイオコンスピラシー】ザ・レプリコンワクチンは日本人の悪魔の発明だった!?

2024年9月7日

※みなさん、こんにちは。

さて、いよいよ魔のレプリコンワクチンが10月1日から接種される予定らしい。

これは

「自己増殖型のmRNAワクチン」


(上)コロナ 新タイプmRNAワクチン「レプリコンワクチン」国内承認

というものである。

これは300人委員会=DSの世界ではノーベル生理医学賞候補と呼ばれるほど有名なものである。

この発明者は誰か?

というと、なんとアメリカ在住=日本脱出組=心中では日本にはバカしかいないと思う人たちの組の日本人




赤畑渉代表からのメッセージ

ワクチンは、過去数世紀における最も重要な発明の一つです。有効なワクチンは、地域的および世界的に流行する伝染病を根絶し、数百万人の命を救います。私は研究の現場を離れ、この VLP Therapeutics(VLPセラピューティクス、VLPT)を設立いたしました。

そして現在有効な治療法がない病気への治療を目的とした次世代ワクチン技術の開発に真剣に取り組んでおります。

弊社は、自社の i-αVLP ワクチン技術が画期的な治療法を生み出し、世界の公衆衛生の改善に大きく貢献する可能性があると信じております。


赤畑渉(あかはたわたる)という人である。

この彼と他のアメリカナイズした日本人2人がタッグを組み、2013年にアメリカで作った会社がVLPTという会社である。

他の2人とは、上野隆司と久能祐子である。

ちょうどMODERNA(改変RNAという意味)を会社名にしたアンソニー・ファウチ博士



が若い時分にやったことと同じである。

さらにその延長線にあり、故に次世代mRNAワクチンと呼ばれる。

VLPTのCEOの赤畑渉は、2002年からNIH(アメリカ国立衛生研究所)に留学して、10年間にわたってアルファウイルスのワクチンを研究開発したというのは、まさにファウチ博士と同じで、NIHやジョンズ・ホプキンス大学やカーネギーメロン大などでは、人口削減計画が主流の研究テーマになっていて、ワクチンで人殺しできるならそれが一番儲かるということで本格的に研究しているわけだ。

だから、野口英世が行った頃のアメリカとは異なり、今アメリカのNIHに行けば、まさに地球人を殺傷するウイルス兵器開発を、さも人間のためになることだと洗脳されて、一端の研究者になるわけである。

だから、当然、赤畑、上野、久能の3人も自分たちは地球人及び日本人のためになると思ってこの会社をベンチャー企業として生み出したわけである。

しかしながら、そうは問屋が卸さない。

ファウチは米議会で大量殺人剤で告訴されているし、当然ファウチの研究の延長線上にあるレプリコンワクチンの研究者は当然ファウチと同じ過ちを犯すのである。

このVLPTという会社の日本での100%子会社が2020年に設立されたVLPTジャパンであり、このレプリコンワクチンが

唯一国家から認可されたのは日本だけ

なのである。

アメリカでもEUでもイギリスでも全世界でどこでもまだ認可されていない。

しかも

しかもこのワクチンの生物実験はネズミだけである。

ファイザーのワクチンはネズミ実験もなかったからそれよりはマシと言えばマシだが、実験ネズミは結構死んでいるらしい。

それをこの10月1日から厚労省が認可した。

要するに、アメリカのベンチャー企業の天下り先がほしい彼らには格好の甘い汁に見えたのだろう。


さて、アンソニー・ファウチが若い頃に発明したmRNAワクチンは、こんな感じのものだった。



一方、今回の赤松渉の発明のレプリコンワクチンのメカニズムはこんな感じ。



この図を見てさっとメカニズムが理解できる人は素晴らしい。かなり生物学がわかっている人だろう。

これに対して赤畑当人はこう言っている。

赤畑渉150秒インタビュー:VLPセラピューティクスが開発するマラリア、がん、新型コロナウイルスのワクチンについて【一般向け】





私たちの科学

https://vlptherapeutics.co.jp/science/

VLP 表面抗原提示

i-αVLP プラットフォームテクノロジー

がんワクチン
マラリアワクチン

VLPセラピューティクスの i-αVLPプラットフォームは、ウイルスの表面に相当量の抗原を提示することで、身体を刺激し、特定の病気と闘う抗体を生成することができます。 i-αVLP プラットフォームは、2つの非常に効果的なアルファウイルス(チクングニアウイルスおよびベネズエラ馬脳炎ウイルス)の表面に、合理的に設計された疾患を標的とするエピトープを提示します。当社のi-αVLPワクチン候補には、フェーズI / IIa段階にあるマラリアワクチンや前臨床試験にあるがんワクチンがあります。

免疫システムは、病気から身を守るために働く生物学的機構です。人間の免疫システムは、体内のウイルス、バクテリア、異常な自己組織(がん細胞など)などの異物を検出し、これらの物体を排除しようとするだけでなく、それらを記憶して将来これらの物体から身体を保護できるようにします。ワクチンは、このような免疫システムを利用して、さまざまな病気から私たちを守っています。

従来のワクチンは生きたウイルスを使用して作られていますが、まれに重篤な安全上の問題を引き起こします。従来のワクチンとは異なり、私たちの新しい独自のプラットフォーム技術は、ウイルス様粒子(VLP)を利用して創生されました。 『VLP は、その形状は本物のウイルスと同じですが、ウイルスの遺伝物質を持ちません。遺伝物質がなければ、VLP は自己複製できません。これは、VLPが体に提示されると、免疫システムが VLP を異物として認識し、ウイルスに関連する副作用を引き起こすことなく、効果的な免疫応答を導くことが可能であることを意味します。』


レプリコン(次世代mRNA)

レプリコン プラットフォームテクノロジー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン
季節性インフルエンザワクチン

『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン、季節性インフルエンザワクチン
自己増殖型のmRNA(メッセンジャーRNA)で、ワクチンとして使用すると接種量を現行のmRNAワクチンの10~100分の1程度に抑えることができることから、より短期間で多くの人口をカバーするワクチンを生産できるほか副反応の低減が期待されます。』VLPセラピューティクス社保有のレプリコン技術を用いた新型コロナワクチンは、Sタンパク質のうちウイルスが人の細胞に結合して感染するRBD(受容体結合部位)と呼ばれる部分のみを抗原にしているため、不要な抗体を作らないことによる高い安全性と、多様なRBDへの抗体を作ることによる変異株への効果も期待されます。



いやはや、上の『』部分には、「VLP(ウイルス様粒子)は自己複製遺伝子を持たないから安全だ」と言っておきながら、下の『』の部分では、「レプリコンワクチンは内部で自己増殖する」と矛盾したことを言っているわけだ。


さて、上の中にRBD(受容体結合部位)という言葉が出るがこれは、こういうものである。

細胞膜表面にRBDを発現するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株に広範・持続的な免疫の誘導に成功



(上)図1.RBD抗原の発現に用いるレプリコンベクターの模式図。上が分泌型RBDを発現するレプリコン、下が細胞膜上に固定されたRBDを発現するレプリコン



(上)図2.RBD抗原のアミノ酸配列と構造モデルの模式図。赤線で囲われた配列がオリジナルのRBD、青線で囲われた配列が安定化されたRBD、そして黒線がジスフィルド結合を示す


たぶん、この研究が基になり、VLPTジャパンのレプリコンワクチンが認可されたのかもしれない。

ちなみに、VLPとは「Virus like Particle(ウイルスの様な粒子、ウイルス様粒子)」という意味である。

ところで、ファイザーやモデルナやアストラゼネカのmRNAワクチンもウイルス様粒子=スパイクタンパクを使っていたわけだ。

ファイザーやモデルナのものには脂質ナノ粒子(LNP)の中に人工的なウイルス様粒子=スパイクタンパクを産生するためのmRNAが入っていて、イギリスのアストラゼネカのものにはチンパンジーのアデノウイルスの殻に同様のmRNAを仕込んだものが使われた。

だから、レプリコンが特段、ウイルス様粒子を初めて使ったわけではない。

一方、これまでのmRNAワクチンはスパイクタンパクや他にさまざまな仕込みを入れた遺伝子を配列したmRNAを殻の内部に仕込んだ。

ところが、mRNAワクチンのmRNAは免疫により徐々に潰れていった。

今回のレプリコンワクチンはスパイクタンパクを産生するmRNAが外部から注射され、そのmRNAが自己増殖するように仕込まれている。

ということは、mRNAを自己増殖するための何か(レプリカーゼ)が仕込まれていなければならない。

論文を見た限りではこの辺りのメカニズムがあまり良くわからない。

この部分は現段階ではまだ良くわからないので、今後勉強していきたいところだ。

いずれにせよ、このレプリコンワクチンの問題はスパイクタンパクを体内で無尽蔵に作り出すことにある。

この副作用がどういうものかはネズミや猿のような実験動物しか見ていないわけだから、彼らは言葉で話さないからワケワカメなわけだ。

こんな代物を今秋早々にぶっ放すというのだから驚きである。



・細胞膜表面にRBDを発現するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株に広範・持続的な免疫の誘導に成功

他のパンデミック病原性ウイルスに対する基盤技術としての応用にも期待

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

2023年5月19日

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000118477.html

ポイント

◇新型コロナウイルスSタンパク受容体結合ドメイン(RBD)を細胞膜上に発現させるレプリコンワクチンをデザインし、開発を行った。
◇RBDを細胞膜表面に発現させると、分泌型のRBDを発現させた場合と比較してより高い免疫がマウスで誘導された。また、ガンマ株のRBDを用いると、武漢株のRBDと比較してより広範かつ持続的な中和抗体価が誘導された。
◇ハムスターおよび霊長類モデルを用いた攻撃接種実験において、ワクチン防御効果が確認された。また、変異株に対する抗体が、霊長類モデルで少なくとも12ヶ月間維持された。


※国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、VLP Therapeutics Japan株式会社、独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター、国立大学法人北海道大学大学院医学研究院、公立大学法人大阪 大阪公立大学の研究グループは、細胞膜表面に新型コロナウイルス受容体結合ドメイン(RBD)を発現するレプリコン(次世代mRNA)ワクチンを開発しました。

 本研究で、このレプリコンワクチンの免疫は、霊長類モデルにおいて効率的にT細胞およびB細胞応答を誘導することが分かりました。武漢株またはガンマ株 RBDで免疫したハムスターと霊長類では、新型コロナウイルス武漢株に対する防御効果を示しました。また、変異株に対するRBD特異的な抗体が、霊長類モデルで少なくとも12ヶ月間維持されることが分かりました。これらの結果から、このレプリコンプラットフォームは、今後のコロナウイルス変異株に対して持続的な免疫を誘導する有用なワクチン候補となり得ると考えられます。本成果は、今後の変異株に対するワクチン開発戦略としてだけでなく、他のパンデミック病原性ウイルスに対する基盤技術としての応用可能性が期待されます。

 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)ワクチン開発推進事業「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」の一環として行われました。本研究成果は5月19日、英科学誌Nature Communications(電子版)で公開されました。


研究背景・概要

 新型コロナウイルス感染症は、新たな変異体の出現により拡大を続けており、全世界に配布可能かつ様々な変異株に対しても有効なワクチンの開発が急務となっています。現在、COVID-19に対するワクチンは複数承認されており、パンデミックの影響を軽減することに貢献しています。しかし、これらのワクチンによって誘導される免疫応答の持続時間は比較的短く、また、新たな変異株が出現し続けているため、ワクチン設計のさらなる改良が求められています。

 本研究では、レプリコンプラットフォーム技術を利用して、COVID-19ワクチンを新規開発しました。この技術は、アルファウイルス(ウイルスの一種)のレプリコン発現ベクターを利用しています。このベクターは、レプリコンの複製・転写に必要な4種類のタンパク質(nsPs1-4)を発現し、目的の遺伝子を効率的に発現させます。この自己増幅プロセスにより、標的抗原の発現レベルおよび発現期間は、既存のmRNAワクチンプラットフォームで観察されるよりも高く、長くなります。したがって、このレプリコンプラットフォームを用いることにより免疫系へのRBD抗原の長期的な提示が期待されています。レプリコンベクターを用いて全長のSタンパク質を発現するCOVID-19ワクチン候補を開発した前臨床試験がいくつか実施されており、これらの候補ワクチンは、COVID-19攻撃接種試験において感染防御と同様に高い液性および細胞性免疫を誘導することが報告されています。

 また、感染者の中和抗体の90%以上が新型コロナウイルススパイクRBDを標的とすることが報告されています。中和抗体が標的とするエピトープが最も多く存在する場所に免疫反応を集中させるため、本研究ではRBDの配列のみをレプリコンベクターに挿入する遺伝子として設計しました。

 さらに、抗原を細胞表面に高頻度で発現させ、B細胞受容体に効率よく抗原を提示することで、より強い反応が誘導されることが報告されています。より強力なB細胞応答を誘導するために、本研究グループはRBDのN末端にSタンパク質のシグナル配列を、C末端にインフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質(HA)の膜アンカーを融合させました。このアプローチにより、RBDが細胞の表面に固定化され、高頻度で発現されるようになりました。本論文は、このRBDベースのレプリコン候補ワクチンの開発、および脂質ナノ粒子デリバリーシステムを用いたマウス、ハムスター、および霊長類モデルでの前臨床評価について報告するものです。


研究内容・考察

 本研究で開発された新規COVID-19ワクチンの基本設計は、最適化されたRBD配列とN末端のシグナル配列、C末端の膜アンカーを融合した抗原をレプリコンベクターで発現させるものです。この設計により、中和エピトープの大部分を含むRBDに免疫反応を集中させ、非中和抗体の誘導を抑えることで、単球やマクロファージなどによる抗体を介した新型コロナウイルスの取り込みを抑制し、全身性炎症を引き起こすリスクを最小化することができます。シグナル配列と膜アンカーの追加により、RBDは細胞膜表面に効率よく発現され、マウス、ハムスター、霊長類モデルで高い免疫原性を示し、ハムスターと霊長類モデルの攻撃接種実験で防御効果があることを示しました。現在広く使用されているmRNAワクチンの懸念は、誘導される免疫応答の期間が比較的短いことであり、さらに新たな変異株の出現によって状況は更に複雑になっています。mRNAベクターによる抗原発現が2週間以内に減少するのに対し、レプリコンベクターによるレポーター遺伝子の発現は動物モデルで最長86日目まで確認できることが本研究グループや他の研究グループの報告で明らかになりました。このような発現の延長は、免疫応答の持続時間の延長に寄与すると考えられますので、この特性を活用出来れば、ワクチン接種の間隔を延長することが可能になると考えられます。

 霊長類モデルを用いた実験では、レプリコンRBD(ガンマ株)-TMが高い中和抗体価を誘導するだけでなく、抗原特異的B細胞および抗原特異的T細胞の応答も誘導することが示唆されました。観察期間中、霊長類モデルにおいて抗原特異的B細胞と血漿中和活性は維持され、レプリコンRBD(ガンマ株)-TMによって誘導された抗体は、ワクチン接種後3ヶ月から6ヶ月の間にほとんど減少しませんでした。レプリコンワクチンは、ワクチン接種後の胚中心反応を促進・延長することにより、ヒトにおいて高い中和抗体とTh1バイアス免疫応答を誘導する可能性があると推測されます。

 また、このレプリコンRBDワクチンのデザインは、新型コロナウイルスの他の株とのRBD配列の交換を容易に行えることを示しました。ガンマ株 RBDを発現するレプリコンワクチンは、武漢株 RBDを発現するレプリコンと比較して、オミクロン株の亜系統などの変異株に対して大きな交差反応性を示しました。ガンマ株 RBDに存在するaa484の変異は免疫逃避のために獲得されたことが知られており、最近の変異株の多くはこの位置に変異を有しており、この違いがRBD(ガンマ株)-TMのより強い交差反応性に寄与している可能性が考えられます。


研究展望

 このレプリコンワクチンのさらなる開発には臨床試験での評価が必要であり、プライムワクチンとしての評価とブースターワクチンとしての評価の両方が現在進行中です。他の研究グループからも、いくつかレプリコン技術を用いたCOVID-19ワクチン臨床試験が報告されています。このレプリコンのアプローチは、今後の新型コロナウイルス変異株に対するワクチン開発戦略としてだけでなく、他のパンデミック病原性ウイルスに対するプラットフォームとしても有用となることが期待されます。


用語説明

1.レプリコン(次世代mRNA)ワクチン:少量の接種で十分な抗体が作られる、自己増殖型のmRNA(saRNA)ワクチン。現行のmRNAワクチンと比べて10~100分の1程度の接種量となることから、短期間で日本全人口分の製造が可能となることと、副反応が低減されることが期待される。新型コロナウイルス表面にある突起状のSタンパク質全体を抗原とする現行のワクチンと異なり、レプリコンワクチンはSタンパク質のうちウイルスが人の細胞に結合して感染するRBD(受容体結合部位)と呼ばれる部分のみを抗原にしている。そのため、不要な抗体を作らないことによる高い安全性と、多様なRBDへの抗体を作ることによる変異株への効果も期待される。

2.攻撃接種試験:動物にワクチンを接種したのちにウイルスに暴露することでワクチンの予防効果を調べる試験のこと

3.脂質ナノ粒子デリバリーシステム:mRNAワクチン製剤を分解させることなく効率よく標的細胞に導入するための製剤化技術のこと




図1.RBD抗原の発現に用いるレプリコンベクターの模式図。上が分泌型RBDを発現するレプリコン、下が細胞膜上に固定されたRBDを発現するレプリコン



図2.RBD抗原のアミノ酸配列と構造モデルの模式図。赤線で囲われた配列がオリジナルのRBD、青線で囲われた配列が安定化されたRBD、そして黒線がジスフィルド結合を示す



図3.レプリコンRBD(ガンマ株)-TMを2回接種したハムスターでは、新型コロナウイルス武漢株およびガンマ株での攻撃接種後に大きな体重変化は確認されなかった


◆医薬基盤・健康・栄養研究所について            [https://www.nibiohn.go.jp/]

医薬基盤・健康・栄養研究所(本部:大阪府茨木市、理事長:中村祐輔)は2015 年 4 月 1 日に医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が統合し、設立されました。本研究所は、メディカルからヘルスサイエンスまでの幅広い研究を特⾧としており、我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため、研究開発の最大限の成果を確保することを目的とした国立研究開発法人として位置づけられています。

◆ VLPセラピューティクス・ジャパン(VLPTジャパン)について[https://vlptherapeutics.co.jp]

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国 VLP Therapeutics, Inc. の100%子会社として設立されました。2023年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び厚生労働省の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを国内数機関と共同研究開発中です。

◆ VLPセラピューティクス(VLPT)について[https://vlptherapeutics.com]

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2023年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。



・蚊が媒介する感染症、より一般化・重症化つつある? 臨床ウイルス学者が解説(Forbes JAPAN 2024年9月12日)

※米国で、蚊が媒介する感染症の発生が相次いでいる。※『北東部では東部ウマ脳炎による死亡例が、この数週間で複数報告された。』※『米政府の新型コロナウイルス感染対策を指揮した国立アレルギー感染症研究所(NIAID)前所長のアンソニー・ファウチ博士は8月下旬、ウエストナイルウイルスに感染して入院し、いまだ養生中だ』。※『先週には、ニューハンプシャー州の住民が東部ウマ脳炎、ウエストナイル熱、セントルイス脳炎の3種類のウイルスに陽性反応を示して入院したとの報道があった。』

こうした中、多くの米国人が「蚊媒介ウイルスは増加傾向にあり、かつ重症化しているのではないか」との疑問を抱いている。

■米国における蚊媒介感染症

蚊は、単なる厄介者とみなされがちな虫だが、実のところ地球上で最も多くの命を奪っている生き物である。マラリア、デング熱、黄熱、チクングニア熱、ジカ熱、ウエストナイル熱、東部ウマ脳炎など、命にかかわるさまざまな感染症のウイルスを媒介する。世界では、蚊に刺されることで引き起こされる病気で年間100万人以上が命を落としていると推計されている。

幸い、蚊が媒介する病気すべてが米国で風土病となっているわけではない。ただ、それも年月とともに状況が変わりつつある可能性がある。気候変動、自然開発などの人間の活動、動物の地理的分布の変化により、この10年間で蚊やダニが媒介する感染症が増加しているのだ。

現在、米国で最もありふれた蚊媒介感染症はウエストナイル熱だが、東部ウマ脳炎、デング熱、セントルイス脳炎、ジェームスタウンキャニオンウイルス(JCV)感染症、マラリアも、局地的流行がみられる。一般的に、蚊媒介感染症の発生率は北東部と中西部北部の州で高いが、テキサス州とフロリダ州ではマラリアとデング熱の感染例が多く、ウエストナイル熱は全米で報告されている。

ウイルスを保有する蚊に刺されて感染しても、大多数の人は無症状のままだ。また、発症した場合も、発熱、頭痛、悪寒、発疹、関節痛といった非特異的なインフルエンザのような症状がほとんどである。

デング熱は体の痛みや関節痛が非常に激しく「骨折熱」とも呼ばれる。ウエストナイル熱、東部ウマ脳炎、セントルイス脳炎では、まれに症状が悪化して脳炎や髄膜炎などの神経疾患に進行したり、死亡したりすることもある。


ワクチンは普及していない

■ウイルスの検査方法は?

蚊媒介感染症ウイルスの検査は可能だが、主に大規模な標準検査機関や公衆衛生施設に限られる。新型コロナ感染症やインフルエンザの検査と異なり、蚊媒介ウイルスの診断には分子検査(PCRなど)は適していない。というのも、ウエストナイル熱や東部ウマ脳炎などのウイルスは血液中に存在する期間が比較的短く、医師の診察を受ける頃にはすでにPCR検査の結果が陰性になってしまう可能性があるからだ。

このため、蚊媒介ウイルス感染症の診断には、血清学的検査(抗体を用いた検査)が最も一般的だ。感染後1~2週間は、ウイルスに対する初期の免疫反応であるIgM抗体が産生される。IgM抗体は通常3~6カ月間血流に留まるため、血清検査でIgMが検出されれば最近ウイルスに感染したことが示唆される。ただし、血清検査はしばしば特異性に欠け、偽陽性や交差反応性を示す場合がある。

たとえば、ウエストナイルウイルスに感染した人は、セントルイス脳炎やデング熱のIgM検査でも陽性となりうる。これは、ウエストナイル熱、セントルイス脳炎、デング熱のウイルスがすべて同じ「フラビウイルス科」に属しているためだ。ウエストナイルウイルスに反応して産生されたIgM抗体は、フラビウイルス科の他のウイルスを診断するために設計された検査と交差反応する可能性があるのだ。

一方、体内で産生されるまでに時間がかかるものの長期的な免疫を提供するIgG抗体を検出する血清検査もある。こちらはより特異的で、IgM検査ほどの交差反応性は示さないが、IgG抗体が検出可能な濃度に達するには感染後2~3週間かかることがある。このため、蚊が媒介する急性ウイルス感染症の診断にIgG抗体ベースの血清検査を用いることには限界がある。

■蚊媒介感染症を予防するには

残念ながら、蚊が媒介する感染症を予防するためのワクチンは普及していない。現存するのは、チクングニアウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルスに対するワクチンだ。その他の蚊媒介ウイルス感染症を予防するには、蚊の繁殖場所を減らし、刺される機会を少なくすることが最善の対策となる。

蚊は水たまりに卵を産むので、古いタイヤや植木鉢の受け皿にたまった水を捨て、小鳥の水場の水も定期的に交換しよう。外出は、日の出前や夕方以降など蚊の活動が最も活発になる時間帯を避け、蚊の多い時間帯に外に出る必要がある場合は、長袖のシャツと長ズボンを着用して虫除けスプレーを使う。これらの対策を講じることで、蚊が媒介する病気から自分自身や周囲の人を守れる。蚊に刺されるリスクは気温が下がるまで続くので、用心しよう。



・チクングニア熱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

※チクングニア熱(チクングニアねつ、Chikungunya fever、CHIKV)は、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどにより媒介されるウイルス性の伝染病。トガウイルス科アルファウイルス属の※『チクングニアウイルス』がヒトに感染することにより発症する。おなじく※『蚊媒介性のデング熱やウエストナイル熱と症状が類似している』。日本では感染症法に基づく4類感染症および検疫法に基づく検疫感染症に指定されている。チクングニヤ熱、チクングンヤ熱などとも表記される。


症状

2日から長くても2週間程度の潜伏期間の後に、40℃に達する高熱と斑状丘疹があり、関節が激しく痛む。他に頭痛や結膜炎、羞明(眩しがること)などを伴うことがある。発熱は2日ほど続き急に終息するが、関節痛、頭痛、不眠、全身疲労などは5日から7日ほど継続する。関節痛は年齢にも依るが2年ほど続くこともある。

また近年の流行では発熱することなく関節痛を訴える患者も多い。関節痛は朝に酷くなる傾向があり、軽い運動で楽になるが激しく動かすと悪化する。数日間痛みが和らぎ再び悪化することもよくある。膝や肩、背骨などでひどく、手足首や指の関節などにはそれほど影響がない。また職業柄酷使する関節ほど症状が酷い傾向がある。

成人では多くないが、小児とくに新生児では嘔吐、下痢、脳髄膜炎などを生じる場合がある。神経性の網膜炎やブドウ膜炎などを合併することもあるが、予後は一般的に良好で、たいていの患者が視覚を回復する。


診断

症状はデング熱と類似しており、確定診断にはRT-PCR、ウイルスの分離、血清検査などの検査が必要である。

ウイルスの分離は特定の細胞株を患者血に暴露して応答を調べる方法である。患者血暴露で細胞が変性し、さらにチクングニアウイルスの特異中和抗体血清を添加した場合に変性しなければ、チクングニアウイルス陽性とする。決定的な診断法であるが1-2週間かかり、レベル3施設を必要とする。

RT-PCRは全血からウイルス特異的な遺伝子を増幅する方法で1-2日で済む。

血清検査はウイルス特異的なIgMの量をELISAではかる方法である。より多量の血液が必要で2-3日かかるうえ、オニョンニョンウイルスやセムリキ森林ウイルスのような近縁ウイルスとの混同の虞がある。

病原体
チクングニアウイルス
分類
群 : 第IV群(ss+RNA)
科 : トガウイルス科
属 : アルファウイルス属
種 : チクングニアウイルス

チクングニアウイルス(CHIKV)はトガウイルス科アルファウイルス属に属する節足動物媒介性ウイルスである。カプシドは直径60-70 nm。58°Cで失活し、また乾燥に弱い。ウイルス株はアフリカ西部、アフリカ南部から東部、アジアの3系統に大別できる。このうちアジアのウイルスはネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介しており、ヒト-蚊-ヒトという感染環を形成している。一方※『アフリカでの保有宿主は猿』で、Aedes属の蚊が媒介する森林サイクルを形成している。


病理

研究は乏しい。上皮や内皮の細胞、線維芽細胞や単球由来マクロファージが感受性であるのに対し、リンパ球、単球、単球由来樹状細胞は非感受性である。ウイルスはpH依存的エンドサイトーシスによって侵入し、感染によりアポトーシスが誘導され細胞変性が起きる。I型・II型のインターフェロンによって感染は阻害される。


予防

最も効果的な予防法は媒介蚊との接触を避け、蚊の繁殖を防止することである。DEET、icaridin、PMD、IR3535のような昆虫忌避剤、長袖や長ズボンの着用も効果がある。衣服をピレスロイド処理することもできる。窓や扉に網戸を設ければ蚊の家屋への侵入を防ぐことになるが、ネッタイシマカやヒトスジシマカは昼行性であり通常屋外で接触することから効果は限定的である。


ワクチン開発

ワクチンは2000年に治験が行われたが、実用化されなかった。

チクングニア熱から回復した患者から得た抗体はマウスを感染から守ることができる。 ウイルス様粒子を用いて猿に対して感染防御を成立させ、かつその猿からの受動免疫で免疫不全マウスを致死量のウイルスから守ることができたことから、液性免疫が働いていることが示された。

DNAワクチンも検討されている。チクングニアウイルスのカプシドとエンベロープの遺伝子配列をもとに設計したDNAワクチンによって、マウスに液性および細胞性の免疫応答を誘導することができた。


治療

致死率は0.1%と極めて低いが特異療法は存在しないため、発熱に対する通常の対症療法を行う。鎮痛剤はアセトアミノフェンを第一選択とし、効かない場合に他の鎮痛剤を試みる。ステロイドやアスピリンは副作用の恐れがあり勧められない。回復期の患者に対しては、軽い運動や理学療法を勧める。こうした治療は確定診断を待つことなく行うことができる。

クロロキンはチクングニア熱の症状、特に関節炎を緩和する可能性がある。アスピリンやNSAIDで緩和しない関節炎に対し、1日あたり250 mgのクロロキン燐酸塩が効果を示したとする研究がある。しかし、培養細胞や猿を用いた研究ではクロロキンはチクングニア熱に対して効果がないとされる。


予後

病気からの回復は年齢によって異なる。若い患者が5-15日で回復するのに対し、中年では1-2.5月を要し、年を取るほど時間がかかる。また病気の程度も若いほうが軽い。妊娠中の感染は重症化の原因にはならないが、母子感染の確率は50%程度とされるので注意が必要である。

眼の炎症として虹彩毛様体炎や網膜損傷がある。

多くの患者で足に浮腫が認められるが、循環器や腎臓肝臓に異常はなく原因は不明である。


疫学



症例が報告された国々(1952-2019年)を緑で示す。

サハラ砂漠以南のアフリカ、インド、東南アジアなどで発生している。アフリカではサルを自然宿主とする森林サイクルが存在しているが、東南アジアでの感染サイクルは主にヒト-蚊-ヒトである。人間から人間への感染は認められない。

雨期が終わり媒介蚊が増えるとともに流行が始まる。流行は普通は数年の間隔をあけて繰り返し、沈静期にはサル、ネズミ、その他の野生動物が保有宿主になっていると考えられている。しかし流行期にはヒトが保有宿主となっている。

チクングニア熱はネッタイシマカに刺されることで伝播していくが、レユニオンの集団感染で分離されたウイルス株はヒトスジシマカによって媒介される能力を獲得したことが考えられている。これはウイルスのエンベロープ遺伝子(E1)に生じた点変異によりヒトスジシマカへの感染力が増強された結果であることが示されている。ヒトスジシマカによって伝播されうるようになったことから、日本を含めヒトスジシマカが生息する地域でチクングニア熱の爆発的な流行が起きる可能性が高くなったと考えられる。

2009年5月にはタイのトラン県で流行があり、母子感染を防ごうと帝王切開で出産した乳児がすでに感染していたという事例があった。このことは経胎盤感染が可能であることを想定させるが、実験的な検証はなされていない。


歴史

この病気はタンザニアとモザンビークの境界に広がるマコンデ平原で1952年に流行があり、Marion RobinsonとW.H.R. Lumsdenが1955年に報告したのが最初である。

chikungunyaという名前はマコンデ語の「曲げるもの」という言葉に由来し、体を屈めて関節痛に耐える患者の様子を形容したものとされている。

発見以来、アフリカ、南アジア、東南アジアなどで突発的流行を繰り返しており、さらに拡大しつつある。不顕性感染で終わる可能性が大きいとされているが、しかし2005年以降の流行では、おそらくウイルスの遺伝子変異によって、劇症化の傾向がある。インド洋の島レユニオンでは、2006年5月18日までに人口78万人のほぼ3分の1に当たる25万8,000人が感染、219人が死亡している。またインドでも2006年に各地で流行している。2007年1月24日、日本での感染を初めて確認する。

この病気の流行は記録上1779年に遡る可能性がある。 この年代はウイルスが1700年頃に発生したという分子遺伝学的データと符合する。



・東部馬脳炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

※東部馬脳炎(とうぶうまのうえん、英: Eastern Equine Encephalomyelitis (EEE))とは、トガウイルス科アルファウイルス属に属する 東部ウマ脳炎ウイルスを病原体とする人獣共通感染症である。

近縁の西部ウマ脳炎ウイルス、※『ベネズエラウマ脳炎ウイルスも同様の感染症を起こす』が、東部ウマ脳炎ウイルスが最も重篤な症状を示す。

日本では三ついずれも感染症法で四類感染症に、家畜伝染病予防法では日本脳炎とともに「流行性脳炎」の名で法定伝染病に指定されているが、2014年までに報告事例は無い。


概要

東部ウマ脳炎ウイルスは一本鎖(+)RNAウイルスであり、アメリカ北東部の湿地帯で蚊と小型鳥類の間を循環していて、この蚊を介してウマやヒトへの感染が成立する。ウイルス自体は両生類やは虫類からも見つかっているが、人への感染源は鳥の血を吸った蚊に限られている。

ウマでは5-14日の潜伏期を経て、発熱、食欲不振などが認められ、組織学的には非化膿性脳炎が認められる。

ヒトの場合、ほとんどは不顕性感染となる。潜伏期間は3~10日で高熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛などの症状を生じるが、1~2週間で回復することが多い。しかし、脳炎を発症した場合は重篤化し、昏睡や死亡に至る。脳炎を起こした患者の致死率は50~75%に達し、特に幼児や高齢者で死亡率が高い。神経学的後遺症が残るなど予後も悪い。


2019年のアメリカでの流行

11月19日現在、8州で流行し、感染者が36人、うち死亡者が14人、致死率39%である。 (通常の感染者数は年平均7人であり、最近10年間では2012年の15人が最高だった。)[。


西部馬脳炎(WEE)

西部ウマ脳炎ウイルスによる人獣共通感染症。 概要は東部馬脳炎に近いが、三つの中では最も症状が軽いとされる。潜伏期間は5~10日、年長者ほど回復は早く通常は5~10日で回復する。脳炎を発症した場合の致死率は8~15%。


ベネズエラ馬脳炎(VEE)

ベネズエラウマ脳炎ウイルスによる人獣共通感染症。 EEEと異なり発病率が高く、ほぼ100%に達するが重篤化することは少ない。潜伏期間は1~6日で、発熱以外に頭痛、筋肉痛、硬直などを生じる。重篤化した場合の致死率は10~20%。 南アメリカ北部(ベネズエラやコロンビアなど)の湿地帯で蚊と齧歯類の間を循環している。本来の病原性は弱いが、変異によって強毒性の流行型ウイルスが生じると、ヒトやウマ相互で感染するため大流行を引き起こす。 1962年からの大流行では3万人が感染し190人が死亡した。1969年からの大流行ではウマの被害が大きく、メキシコとテキサスで1万頭の被害が出ている。1995年には10万人が感染し300人以上が死亡している。


生物兵器

※『ベネズエラウマ脳炎ウイルスは感染力が強く、噴霧されたウイルスを10~100個吸入しても感染する。また、発病率も高く変異により強毒化することなどから、1950~1960年代に生物兵器として研究が進められた。 アメリカでは アメリカ合衆国生物兵器プログラム(United States biological weapons program)で使われた病原体7種の一つだったが、1969年11月のニクソン大統領の指令により廃棄された。』

また、冷戦時代、アメリカの生物兵器計画とソビエトの生物兵器計画の両方がベネズエラ馬脳炎ウイルス(VEE)を研究し、兵器化した。スティーブン・ハンデルマンは、著書『Biohazard: The Chilling True Story of the Largest Covert Biological Weapons Program in the World』の中で、冷戦時代のソビエト兵器プログラムにおけるケン・アリベック博士によるVEEやペスト、炭疽菌、天然痘などの他の生物製剤の兵器化について詳しく説明している。