菊池@kikuchi_8

https://twitter.com/kikuchi_8/status/1485058614679445504

1月23日

「ウクライナ有事は台湾有事の予行演習」などとウクライナ紛争を台湾有事と結び付ける言説が出てきている。東西で同時多発的に紛争を引き起こし、それを繋げる事で世界規模の戦争に発展させる、というのが第二次世界大戦惹起の経緯だった。“コロナ禍”の次の脅威演出としての国際的両建紛争を警戒する。

ネオコン・シオニスト勢力の手先となってウクライナ・クーデターを引き起こしたネオナチは、日本だと統一系右派に相当する。国際的に見ると、政治的に同じ立ち位置・陣営と言ってよいだろう。国際的両建抗争の末端の先兵である。こういった様々なコマを使って、紛争を煽ってくる可能性があると見る。


1月25日

“ウクライナ危機”が強調される一方で、シオニストと言われるラーム・エマニュエルが新駐日大使に就任した事もきな臭い動きである。如何にも統一系右派が好みそうな発言である。>「どんな相手にも日米は決してひるまない。」 こういう事を言えば、似非保守はイチコロだろう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220125/k10013448201000.html

ウクライナのネオナチと日本の統一系右派(似非保守・ネット右翼等)は、海外の危険なスラム街の「ギャング」と日本の平和な街角の「ヤンキー」くらい違うと言えるが、世界的に見れば同じ陣営と言えるだろう。ウクライナと台湾という、東西で同時に危機を煽動し、世界規模の紛争にする企みを要警戒。

ツイッターでも「ウクライナ」がトレンドに入っているが、「ウクライナ危機」の宣伝が本格化している模様である。やはり、“コロナ禍”騒動の次に裏権力が企む脅威演出は、国際紛争(国際的両建抗争)の公算が高いのだろうか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012400822&g=int

ちなみに、在キエフ大使館員を退避させ「ロシアからの脅威が増大」と強調した英国は、マスク着用義務と惑沈接種証明の提示義務を廃止する。これは「“コロナ禍”の次の局面」に移行させる為の準備だと見る事が出来る。国際秘密力の中枢拠点である英国は次の脅威演出にいち早く乗り出したのではと推測。

コロモイスキーという猶太系オリガルヒが、ウクライナの右派セクターというネオナチ集団を支援しているとされる。ネオナチは「反猶太主義」とされるが、猶太系実業家がネオナチを支援するという奇怪な構図。だが、奇怪ではなく、それが両建というもの。両建を認識せねば、国内外情勢は理解不能である。


1月26日

国際秘密力がウクライナに執着する理由は主に2つあると推測している。➀英国系地政学で言う「ハートランド」の制圧。地政学者マッキンダーは「東欧を制する者がハートランドを制する。ハートランドを制する者が世界島を制し世界を支配する。」と説いたとされる。②カザール王国の版図復活を狙う意図。

ウクライナ東部は、かつてカザール王国の領域だったとされる。だが、今のウクライナ東部にはロシア系住民が多い。国際秘密力としては旧カザール王国領がロシアの影響下に置かれるのでは、せっかくウクライナを盗った意味が無くなる。故に欧米各国の走狗を総動員して危機を煽る。そういう読みも出来る。

ハルフォード・マッキンダーの地政学は空軍力を考慮しない旧時代的大鑑巨砲主義に立脚する時代遅れのものとされる事があるそうである。だが、現代に於ける裏権力の東欧侵略は、空軍力を使わない人工芝工作によって為されている。したがって、マッキンダーの地政学の枠組みは十分機能し得ると思われる。

人工芝デモやネオナチを手先とする21世紀の侵略手法は、空軍力を動員するような露骨な軍事作戦の形を取らない。「民衆蜂起」などを偽装する為、「侵略」とすら認識されないやり方である。よって、そこでは空軍力は特に考慮に入れる必要がない。ハートランド制圧が狙いとの読みは十分成り立つと考える。


1月28日

国際秘密力が戦争工作で最も重視する事は、「仮想敵に最初の一発を撃たせる事(自作自演を含む)」だと分析する。➀脅威を煽り②先に撃たせ➂大義名分を掲げて戦争をする。日米戦争で先に一発を撃った山本五十六は何故か戦後も英雄視され続けている。目下ウクライナにて同じ戦略が繰り返されている。

ウクライナ情勢に関し英米の政府・メディアが中心となって➀の段階を行っている。「侵略の危機が迫っている」と盛んに喧伝中。これに対して「ナンセンス」と発言した独逸海軍の中将は辞任に追い込まれた。この件に関しては、裏権力の中でも英米の好戦的勢力を中心に盛んに工作を行っていると思われる。

ロシアは戦前の日本と同じ立場に追い込まれる局面だが、石油や天然ガスというエネルギー資源がある以上そこまで追い込めるとも思えない。核武装国同士の本格的戦争は自殺行為。裏権力のフランキスト的な狂気を考えると、「やらない」とは断言出来ないが。サイバー空間や知覚領域を主戦場に選ぶ可能性。


2月20日

以下のウクライナ大統領の発言はバイデンの「ロシアが侵攻を決断した」発言など“ウクライナ危機”を煽り立てる欧米裏権力への皮肉としか思えない。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220220/k10013493331000.html

前述のウクライナ大統領の発言は、“危機”のイメージを醸成するこうしたヤバいデンな発言に対する皮肉としか思えない。引用:バイデン米大統領は18日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を決断したと確信していると述べた。
https://www.cnn.co.jp/usa/35183764.html

裏権力が戦争を「作る」手口は昔から全く変わらない。①盛んに“危機”を煽る→②挑発か自演で標的に「最初の一発」を撃たせ戦端を開く切っ掛けを作る→➂「大義名分」を鳴らして戦争になだれ込む。という三段階で構成。目下のウクライナ情勢は①の段階。だが、当事国の大統領が「止めろ」と言っている。


2月25日

ロシアがウクライナで軍事作戦を展開し、「戦争製造工程」は第二段階に突入した。即ち欧米の裏権力側としては「最初の一発を撃たせる事」に“成功”した訳である。しかし、したたかな戦略家であるプーチンが無計画に引きずり込まれたとは思えない。以前予測した通り国際的両建抗争が開始したのは確かだ。

当初バイデンは2月16日に侵攻が開始すると“予言”していた。だが、実際には当日には軍事行動はなかった。その後、2月17日からウクライナ東部でのミサイル攻撃や爆発が増加した由である。NATOに繋がるネオナチ系部隊が挑発行動を活発化させたのだと推測している。戦争製造のセオリー通りの展開に見える。

ロシアの軍事行動は衝動的又は突発的なものではないと見ている。欧米首脳と会談を重ねてもNATO直結部隊によるウクライナ東部への攻撃が止む事はない。座視し続けるとネオナチ支配が完了しロシア系住民の信望まで失う。それなら一気呵成に電撃作戦を展開し事態をひっくり返す。そんな計算が見て取れる。

追い詰めて「最初の一発」を撃たせる所までは裏権力の思惑通りだが、軍事行動に出たロシア側にもそれなりの合理的計算があると思われる。国際的両建抗争が開始してしまったという事では裏権力のシナリオ通りである。だが、全てが彼らの思惑通りに行くとは思えない。東亜への飛び火を厳重警戒すべきだ。


2月26日

ロシアの軍事行動に非を鳴らす者は多いが、その大多数はオデッサで50人近くの人々が建物に閉じ込められて焼き殺された時に何の関心も示さなかった。戦争が引き起こされるに至る経過には何の興味もないのだ。ニュースに機械的に反応しているだけで、「心」があるようで実はそこに「心」はないのである。

こうした事を言うと「ロシア寄り」などと決めつけるが、そうではなく、そうした決めつけをする者が欧米(の裏権力)に寄り過ぎているだけである。特定の裏権力派閥を批判すると、その派閥に属する者が批判者を敵対派閥の人間と決めつけるのと同じである。欧米の裏権力が欲するように考え物を言うだけ。

世の中の「反戦平和」論が無力なのは戦争が起きる原因・条件に何の関心も無い自己陶酔の一種だからである。戦争も現象の一つ。現象であれば生じるのに原因・条件がある。戦争を無くすには原因・条件を取り除く事。その為にはまずは原因・条件を知る事が大事。その大事な事に無関心なのが偽反戦平和論。

プーチンが「ウクライナをネオナチ支配から解放する」と言っているのをメディアなどは只の「侵略」の為の口実と決めつけているが、「ネオナチ支配」は単なる事実である。ウクライナ内務省に属する国家親衛隊傘下の準軍事組織「アゾフ大隊」は公安調査庁のHP資料にもネオナチ関連団体として載っている。

こんな団体を公的な準軍事組織として認めている時点で「ネオナチ政権」と言われても仕方ないだろう。引用:欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる 

https://moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.html

前述の記載からウクライナ国外から多数の戦闘員が「アゾフ大隊」に参加している事が分かる。ウクライナは2014年のクーデター時点から既に「侵略」されているのである。ウクライナに入り込んでいる連中の中には諜報機関の工作員や傭兵会社メンバーが含まれると見ている。ネオナチ支配は誇張ではない。

内務省と言えば、戦前の日本にもあったが、今の日本の行政システムで言うと警察を含む。ウクライナ内務省傘下の国家親衛隊とは、どちらかと言えば警察権を行使する憲兵的な部隊なのだと思われる。その指揮下にネオナチ集団がいる訳である。日本で言えば、街宣右翼が警察官をやるようなものと言える。

2014年のウクライナ・クーデターで権力を奪取した「政権」は、明らかにネオナチ集団によって支えられている。欧米メディアは、これを「自由と民主主義を重んじる政権」と粉飾して来た訳である。クーデターに反対する住民が虐殺されたのが、先述のオデッサ事件である。世の中が如何にアベコベか分かる。

アゾフ大隊のスポンサーがイホル・コロモイスキーという実業家である。コロモイスキーは猶太系。猶太系実業家がネオナチ集団を支援している構図である。まさに「両建」の奇々怪々さである。だが、実際は「奇々怪々」などではなく、国内外政治の常態である。これがウクライナ・クーデターの背景をなす。


アゾフ大隊 - Wikipedia
アゾフ大隊は「連隊」に昇格したとの事である。欧米メディアが言う「民主主義」とは一体..。引用:アゾフ連隊(ウクライナ語: Полк Азов)は、ウクライナ内務省管轄の準軍事組織である国家親衛隊に所属する部隊である。もとはアゾフ大隊であったが、後に連隊に昇格した。


2月27日

2014年のウクライナ・クーデターで重要な「役割」を果たしたのが右派セクターである。右派セクターはネオナチとされている。右派セクターの元トップがドミトリー・ヤロシュなる人物。この人物はウクライナ国防軍参謀長の顧問の由である。また、ネオナチ政党スボボダはクーデター政権の閣僚を輩出した。

このようにウクライナのクーデター政権とネオナチの関係は覆うべくもない。ウクライナのネオナチはステファン・バンデラなる人物を信奉している。バンデラは元ナチ党員で後にナチスに逮捕され収容所送りになった。その後は連合軍に解放され、反ソ連活動を行った。最後はKGB工作員に暗殺されたという。

ステファン・バンデラはソ連の支配下では「ファシスト」として忌むべき人物とされていたようだが、2014年のクーデター後は評価が変わり民族独立の英雄として扱われているという。バンデラは元ナチス党員だが、英国のMI6のスパイをしていたとの指摘もある。国際謀略で暗躍した工作員という印象を持つ。

バンデラが英国MI6のスパイだとすれば、英米の好戦派の手先をしている今のウクライナネオナチと性質が同じである。ヒトラーも元々は反英ではなく親英的姿勢を持っていた。ナチスドイツの諜報専門家だったゲーレンは戦後は米国にスカウトされた。こうした諜報謀略ネットワークが今も生きているようだ。

要するに。バンデラを信奉するウクライナのネオナチは、旧統一系右派勢力と同じ陣営である。大東社系の共産陣営と両建を構成した「世界反共ネットワーク」の一部。「冷戦」という両建構造を形成した片割れ。裏権力の国際謀略の下請けを担う。そういう破落戸(ならず者)が権力を握ったのが2014年以降のウクライナ。

戦前のナチス人脈は、戦後は米国の諜報機関や科学研究機関に取り込まれた。そういう頭脳系以外でも、タチの悪いチンピラ・ゴロツキ・無法者の類を国際謀略の下請け業者として使うのは国際秘密力の常套手段。スペイン内戦時の義勇兵にも、そういった類が多数参加したとか。左右両建の末端を担う破落戸。

ウクライナ・クーデター当時の「デモ隊」の写真を見た事があるが、“北〇の拳の悪役の如し”という印象を持った。随分と人相の悪い「民主主義の闘士」である。戦闘服を着込み、目出し帽を被り、手にはチェーンを巻き付けていたと記憶する。そういう「紳士」が作り上げたのが「自由と民主主義」の政権だ。

https://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2014/03/4d179e4fa7a7d43c1964d3e261309f76.jpg

似非保守がバンデラ主義者を支持するのは同じ陣営だからである。かつて「冷戦」という両建構造の一角を構成した「世界反共ネットワーク」は今も生きており、裏権力派閥の中でも特にネオコン勢力の手足となって工作に従事していると分析している。見た目も中身も「北〇の拳の雑魚キャラ」な皆様である。

旧統一系右派がバンデラ主義者を支持するのは「当然」だが、大東社系左翼・自称リベラル勢もクーデター政府を支持してきた。つまり、大東社系左派も事実上バンデラ主義者を支持している訳である。事の経緯を知ろうともしない。事実認識を欠いた上っ面の似非反戦平和論は今も昔も国際謀略の道具である。

戦の大義の有無の話はしていない。事情や背景、言い分を無視して一方的に追い詰めるようなやり方が戦を引き起こす故に、戦争の原因・条件を知る事に努め、取り除くべきと述べた。個人的には老子の「兵は不祥の器」という戦争観に共感している。大義の有無にかかわらず戦争が凶事である事に変わりない。


3月2日

ロシアとウクライナの代表同士が和平交渉を行ってる。和平案の妥結の為には、ネオナチ軍事組織の武装解除とネオナチ関係者の政府からの追放が最低条件になるだろう。それが為されない限り、ロシア系住民の安全は確保されないからである。戦闘停止は如何にネオナチ勢力を無力化するかにかかっている。

ウクライナを戦場としているが、真の対立軸は「ロシアVSウクライナ」ではなく「プーチン・ロシアVSネオコン勢力及びその手先」という構図である。ウクライナは2014年以来ネオコンの手先に占拠されている。それがMI6工作員だったとされる元ナチ党員ステファン・バンデラを信奉するネオナチ勢力である。

MI6工作員だったとされるステファン・バンデラは、日本だとCIAエージェントだった事が分かっている児玉誉士夫みたいなものだろう。児玉は旧統一協会と密接な関係だった。旧統一系勢力がウクライナのバンデラ主義者を支持するのは、こうした歴史的経緯に依っている。裏権力派閥の中で同じ陣営なである。

日本では芸能人がナチスを連想させる格好やポーズをしたら国際的大問題になるのに、ウクライナでは政府公認の軍事組織が鉤十字を掲げナチス式敬礼をしても何ら国際的に問題視されない。それどころか「民主主義勢力」と粉飾される。実にいい加減なご都合主義だ。



画像引用元「https://mintpressnews.com/real-ukraine/247281/」

国際的基準で「ネオナチ」に分類されるスボボダ党の創設者の一人アンドリー・パルビーは、クーデター政権の国家安全保障・国防会議議長やウクライナ最高会議議長を務めた。つまりネオナチ政党の関係者が軍や議会のトップだったのだ。これでは「ネオナチ政府ではない」という言い訳が通用する訳がない。

オデッサの虐殺事件やウクライナ東部でロシア系住民の虐殺遺体が発見された件について、クーデター政府は自勢力の関与を認めなかった。ネオナチ政党のメンバーらが大きな影響力を持つクーデター政府が認めるはずもない。だが、状況から見て、ネオナチ勢力の仕業である可能性が高いのは明白だと考える。


3月4日

事実を述べたら何故スパイになるのか?アゾフ大隊がネオナチ関連組織である事は公安調査庁のHP資料にも載っている。引用:同部隊(引用者注:アゾフ大隊)は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ 

https://moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.html

アゾフ大隊の初代指揮官であるアンドリー・ビレツキーがウクライナ語で書いた文章を翻訳機にかけて読んでみると、ゴリゴリのネオナチ思想だった。機械翻訳で「民族浄化」を意味すると思われる文言が出てくる。批判する為の証拠資料として引用しておく。閲覧注意である。

https://web.archive.org/web/20100216231547/http:/rid.org.ua/?p=256

Googleの機械翻訳で「私たちの国の有機体の治療は、国の人種的浄化から始めなければなりません。」と出てくる。これは明らかに民族浄化を主張しているのでは?こういった思想の持ち主が指揮する武装集団がウクライナ東部で戦闘を繰り広げていた。現地のロシア系住民にとっては非常な恐怖のはずである。

アンドリー・ビレツキーの主義・思想を要素ごとに分析する。①国家有機体説。②人種主義。精神的文化的言語的要因以上に人種的要因を重視する。➂国家社会主義。④人種間闘争と民族浄化の推進。ウクライナの使命は白色人種による「十字軍」で導く事とする。⑥キエフ公国の如き「大ウクライナ」の建設。

アゾフ大隊初代指揮官の思想は控えめに言って「激ヤバ」危険思想である。こういう人物が指揮する武装集団が内務省傘下の準軍事組織として認められているのが2014年のクーデター以後のウクライナの実態である。似非反戦平和論者は、そうした事実に目を向けようともせず、事実上ネオナチを容認している。

アゾフ大隊のオーナーであるイホル・コロモイスキーは猶太系でウクライナ・キプロス・イスラエルの三重国籍者。ゼレンスキーが猶太系である事はウクライナ政府とネオナチの関係を否定する根拠にならない事が分かる。ネオナチのオーナーに国籍を認めるイスラエル。両建。ここに世界の謎を解く鍵がある。


3月5日

自称リベラルは「国際社会」とやらを信用しているだろうから、因明(東洋論理学)の「立敵共許」の原則に沿ってこのように書いた。真摯に考える人なら「何故諸国がネオナチ解体の後押しをしないのか?」と疑問を持つはずである。ネオナチの支援者は誰か?そこに核心がある。

ゼレンスキーはウクライナ東部出身で元々ロシア語しか話せない人物です。軍や武装集団を動かす実権はないと思われます。ロシアの軍事行動を収めるにはネオナチ解体というプロセスが不可欠なのですが、ゼレンスキーには無理です。諸国の後押しが必要です。だが、似非反戦平和の方は関心すら持ちません。

ミンスク合意やノルマンディーフォーマットという枠組みが空証文になったのはネオナチ武装集団の行動が主因である。欧米からネオナチや傭兵が雪崩こんで滅茶苦茶になった。ウクライナの平和回復にはこの連中の排除が不可欠。各国がその認識で一致し具体化に乗り出せば、ロシアの軍事行動は理由を失う。

しかし、欧米を中心とする各国は何故かそれをしない。それはネオナチを支援する勢力が欧米にいるからである。ここに問題の元凶がある。ウクライナの平和を回復する近道は、所謂西側諸国とロシアがネオナチ勢力の武装解除で一致し、そのプロセスを具体化する事だと考える。ネオコンがそれを阻んでいる。

月並みな表現だが、平和の鍵は「譲り合い」だと考える。「貴国の言い分は分かった。だが、無辜の民に犠牲が出ている。戦闘を停止し平和を乱す元凶(ネオナチ集団や傭兵)の排除プロセスを具体化しよう。」という姿勢で臨んでこそロシアの軍事行動を止められると思う。それが出来ない原因を考えるべき。

似非反戦平和論者のように自分の言い分だけを一方的にまくし立てるやり方では平和など到底覚束ない。相手の言い分をよく聞き、背景・事情を知り、お互いに譲るべき所は譲り、落とし所を探る。現実的な姿勢がないと無理である故、ネオコンの如く理念・主義・支配欲に執着する連中にはこれが出来ない。


3月6日

「十七条憲法」については様々な手垢が付き過ぎているので、あまり言いたくないが、「和」の前提が「共に凡夫」という謙虚さであるという洞察はとても納得が行くものである。これは古代日本の政治の現実に「和」が無かった事の反映でもあるが。だが、西欧の権力者にはこれが著しく欠けていると感じる。

西欧の権力者は己の正義を疑わない独善的な姿勢で、一方的な基準を押し付け、相手の立場を微塵も慮る事はない。メディアはそれを代弁するスピーカーに過ぎない。こうした謙虚さを欠く傲慢な姿勢が争いの種をまき散らしていると考える。一説では裏権力連中は「オリュンポスの神々」と自認しているとか。

本当に世界を平和にする為には、西欧の権力者は少しは謙虚になり、「譲る」という事を覚える必要がある。欧米の一般民衆は別であるが、欧米の支配層の文化には元々そういう発想はないのだろう。国や地域にはそれぞれの歴史的な背景や事情がある。そこに無暗に手を突っ込むから平和が乱されるのである。

ウクライナの安定化プロセスを素人なりに考える。①ロシアを含む関係各国のメンバーからなる監視団を送る。②監視の下でウクライナ政府が責任をもってネオナチ集団の非武装化を進める。➂外国から来た傭兵やネオナチを全員国外追放。④オデッサ事件など人道犯罪に関与した者を全員逮捕し裁判にかける。

と、「それが出来たら苦労はない」という事を書いた。その通り。だが、それを書く事で、「それ」が出来ないように阻んでいるものは何か?を考える事にも繋がる。欧米諸国が平和を望むなら出来るはずである。だが、しない。ネオナチを飼っているのは欧米の権力者だからである。謂わば保護された無法者。

「保護された無法者」がいる。目下だとウクライナのネオナチが典型だが、CIAが設立したアルカイダ・アルカイダの派生組織IS、マフィア、中南米の麻薬組織、アンティファ、ブラックブロック等々、数え上げたらキリがない。どんなに無法を働いても裏権力の都合と利益に適う限りは彼らに保護されるのだ。

先述の素人考え「ウクライナの安定化プロセス」には、「ウクライナ政府及び軍からのネオナチシンパ=ネオコン走狗の追放」も必須。アゾフ大隊の初代司令官であるアンドリー・ビレツキーは内務大臣だったアルセン・アバコフなる人物と緊密な関係にあると「あの」ロイター通信の英語記事に書いてあった。

ネオナチの頭と内務大臣の関係について、このようにはっきり書いてある。日本のメディアはこうした事実すら書かないので、如何に酷いかが分かる。



:Interior Minister Arsen Avakov, who has close ties to Azov leader Andriy Biletsky

Commentary: Ukraine’s neo-Nazi problem

https://www.reuters.com/article/us-cohen-ukraine-commentary-idUSKBN1GV2TY

ネオコンの回し者にロシアの回し者呼ばわりされる筋合いはない。これまで引用した資料は、英語のネットメディアの記事、公安調査庁のHP資料、アゾフ大隊の司令官自身が書いた文章、ロイター通信の記事などである。「スプートニク」などロシアのソースは使っていない。だからこそ事実が浮き彫りになる。

内務大臣と言えば、警察権を掌握する政府の要職中の要職のはずである。その内務大臣とアゾフ大隊の司令官が密接な関係にあった訳である。「ネオナチはごく一部。政府は関係ない」と言えないと分かる。今のゼレンスキー政権下の政府は?ゼレンスキーはコロモイスキーが所有する放送局でスターになった。

ロシアの資料を一切使わなくても、ウクライナでネオナチが影響力を拡大している事を示す情報はたくさん出てくる。例えば、2014年のクーデター後に元ナチ党員ステファン・バンデラを民族解放の英雄として祭り上げるようになり、キエフの「モスクワ通り」は「ステファン・バンデラ通り」に改名された由。


3月8日

「極右はウクライナ議会の少数派だから力がない」という指摘は少々単純である。例えば、戦後の日本。笹川良一や児玉誉士夫といった旧統一協会と近い親米右翼勢力が公然と選挙に立候補者を立てても惨敗しただろう。だが、自民党(特に清和会)と緊密に結び付く事で日本の闇社会で権力を持ったのである。

政治というものは必ずしも「議会」という場だけで動いているのではない。「議会」の外にも目を向ける必要がある。特に戦闘が行われている地域なら尚更である。武装集団は少数で多数を支配する事も可能。また全体から見て少数でも固まれば力を持てる場合もある。カルト・新興宗教が分かり易い例である。

このタイム誌の記事は中々参考になる。アゾフ大隊が如何に国際的なネオナチ・ネットワークのハブになりつつあるかが分かる。



https://time.com/5926750/azov-far-right-movement-facebook/

戦場が無い国でも「暴力装置」というのは政治に於いて大きな力を発揮する。戦前の右翼の巨頭である頭山満が政界で隠然たる力を持ったのは、配下に命知らずの鉄砲玉を抱えていたからである。選挙で選ばれた政治家も暴力には弱いのである。アゾフは世界中から危ない連中が集まった集団。議席数以外の力。


3月9日

ウクライナのネオナチ問題は戦争前には欧米主要メディアが取り上げていた。ところが、戦争が始まると、かつては公然と取り上げられていた問題が半ば「デマ」扱いになっている。完全に報道管制が敷かれ、戦時宣伝体制が構築された模様だ。今の国際報道は全く当てにならない。参照するなら過去記事を。

ウクライナ紛争の事情・背景を指摘すると「ロシア寄り」みたいに思うのは、戦時の両建枠組みに嵌められているからである。今はロシア側だけでなく欧米側も戦時プロパガンダを盛んに行っている(日本の主要メディアは後者の付属物の如きものなので右に同じ)。事実究明には戦争前のソースが有効である。

例えば、タイム誌は世界のネオナチ文脈で「武器へのアクセス」と「採用力」でアゾフにライバル(競合者)はいないと書いている。アメリカ・カナダ・イスラエルなどからの支援に加えて、戦場を有し、常時実戦経験と軍事訓練を積めるという事が、アゾフが世界のネオナチのハブになった大きな要因と見る。

ニュージーランドのクライストチャーチでモスクを襲撃した白人至上主義者はアゾフとの関係性が指摘されている。アゾフで軍事訓練を受け実戦経験を積んだネオナチが本国に帰ってテロを行う危険を思うと、欧米にとってもアゾフは脅威のはずである。だが、目下はネオコンの都合でほぼタブー視されている。

メディアを鵜呑みにして怒る事を「機械的反応」と書いた。確かに感情はあるのだが、人間らしい感情というより、プログラムされ規格化された「感情」という感じがするのである。人間を「マス(塊)」と化し巨大な宣伝機構の一部にする技術があるようである。カラー革命で使われてきた技術の一端である。

「怒り」の感情を煽る事で集合的な「塊」とする。自律的思考を失い、群衆化する。これを宣伝機構の一部に組み込み、巨大なメカニズムとして動かす。そこに組み込まれた者は、まるで機械の一部であるかのように、特定の事象に「怒り」の反応を正確に示すのである。コントローラーは見えない所にある。

こうした巨大な機構の一部にならない為には、物事を対象化して観察・思考するのが有効である。洪水のように流れてくる情報に即座に反応しない。一旦距離を置いて背景・意図を分析する。謂わば「間合い」を取る事である。間合いを取れない者は容易に群衆化する。怒りの感情すら機械の一部のようになる。

いつからかテレビに「テロップ」が出るようになった。聴覚に不自由がある方の為にはよいと思うが、意図はそれだけではないようである。「ここは笑う所」など人々に指示する所に狙いがあるように思える。「笑い」「怒り」などの感情を意図通りに引き出す技術があれば、社会を意図した方向に誘導出来る。


3月10日

アゾフ大隊を意識的無意識的に支持するイロモノスキーたちは考え直すべし。彼らは世界中から集ったゴロツキーの集まり。日本人が志願兵となりアゾフに放り込まれたら目も当てられない。彼らは白人至上主義者であり、決して日本人を仲間と認める事はないだろう。色々な意味で無事に帰れる見込みは薄い。

一時期、海外在住のネオナチシンパから異常に絡まれた事がある。日本人追及者を取り込むのに邪魔と見られたようだ。日本人がネオナチの仲間になるなど考えられない。ナチズムは日本人の考え方と合わない。ナチスは国際秘密力の別動隊だと見ている。猶太金融資本批判は日本人の立場で行うべきと考える。

戦前の日本の国際秘密力研究の欠点は親ナチスの立場を十分に克服出来なかった事である。愛宕北山氏の「猶太と世界戦争」にもそれがみられる。戦前の陰謀研究書としてはよくまとまった教科書的書物だが、どんな書物だろうと鵜呑みにしては駄目である。批判的に吟味しつつ読解する事が大切だと考える。


3月11日

ナチズムの人種主義は人間中心主義を根底とする。「人間」の中でも特定の「人種」を偏重する、範囲が限定された人間中心主義である。そこでは如何に「自然」を征服し、克服するかが主題となる。自然を征服し、人間の支配下に置く。そして特定人種が支配種族となり全人類を支配せんとする。

人間中心主義では、とらわれ・はからいを離れて自然に則るのではなく、とらわれ・はからいを極限にまで推し進めて、逆に自然から離れ、自然を支配下に置こうとする。西洋の人種主義は、旧約聖書の猶太選民意識、ルネサンス以降の人間中心主義、近代の「アーリア人種」神話などと関係があると見ている。

ナチズムに被れた某サタニストは、悪魔「アザゼル」を黒魔術の「神」として崇拝し、全てを自由自在に操作する力を手に入れる事を夢想していた。こうした黒魔術思想もまた人間中心主義のグロテスクな一典型である。このように物事の発想の根本からして「ナチズムは日本人の考え方と合わない」のである。

ネオコンもナチスと同じく自然征服思想。歴史上、自然に形成された秩序に外部から介入し、自らの人為的設計図に基づいて改変しようとする。それでイラクなど中東世界は滅茶苦茶になった。2014年以降のウクライナも同様である。「自然に則る」のではなく「自然を征服する」が、国際秘密力の思想の基本。

アゾフを手先とするネオコンは元々はトロツキー主義者のグループが源流。アーヴィング・クリストルらトロツキー主義者が“転向”して「新保守=ネオコン」になった。“転向”したと言っても国際主義は不変である。トロツキズム集団が源流であるネオコンがが使役する国際ゴロツキズム集団。それがネオナチ。


3月13日

「握り拳」と言えば、人工芝運動のシンボルマークがまさに握り拳である。カラー革命運動では、振り上げた握り拳のデザインをシンボルマークにしている事が多い。このデザインの源流はヴァイマル時代の独逸共産党が保有した「赤色戦線戦士同盟」(ナチ突撃隊の如き武装集団)が掲げたロゴだそうである。

これに対して、ナチス式敬礼は手を開いているというより指を揃えて肩口から真っ直ぐに伸ばすというものである。ナチス式敬礼は古代ローマに由来し、元々はムッソリーニのファシスト党が採用したものである。

握り拳にしろローマ式敬礼にしろ、「自然」ではなく「人為」を重視する型に見える。人間の自然を征服し、人為的な形式によって統一・統率する。身体のあり方には、文化文明特有の考え方が顕れると考える。身体を使ったシンボリズムもある。人工芝運動の握り拳はまさに人心を動員するシンボルと言える。

右派セクターの元リーダーであるドミトリー・ヤロシは2021年にウクライナ軍総司令官の顧問に任命されていた。ヤロシ自身がFBに「ヴァレリー・ザルジュニー中将の命令により、ウクライナ軍総司令官の顧問に任命された。」と書き込んでいる。つまり軍高官の命令で就任したのだ。



https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3343336-yaroshu-yuan-you-paisekuta-dai-biaoukuraina-jun-zong-si-ling-guanno-gu-wenni-jiu-renshitato-fa-biao.html

ウクライナ・ネオナチの超大物自身が「ウクライナ軍とネオナチは無関係だろう」論を真っ向から粉砕している。ウクライナ軍中将がネオナチのリーダーを軍総司令官の顧問に任命した。つまりは軍幹部の意志という事である。これが「ネオナチ化」の実態。ウ軍はこの情報を肯定も否定もしていない由である。

ウクライナの政権与党は確かにネオナチ政党ではないが、軍や法執行機関にネオナチと繋がりがある人脈が浸透していれば、政府機構全体としての「ネオナチ化」は否定出来ないだろう。非武装の国会議員が何百人いても武装集団には対抗出来ない。不安定な国では軍権を掌握出来なければ政治的に無力である。


3月15日

ドミトリー・ヤロシをウクライナ軍総司令官の顧問にする命令を出したヴァレリー・ザルジニーなる人物は、現・ウクライナ軍総司令官である。ヤロシとザルジニーらしき人物が笑みを浮かべて肩を組んでいる写真がヤロシのFBにアップされている。軍のトップとネオナチのリーダーの密接な関係を示している。

左がヴァレリー・ザルジニー、右がドミトリー・ヤロシだと思われる。にこやかな表情で肩を組んで写真に収まるウクライナ軍のトップとウクライナ・ネオナチのリーダーである。日本だと自衛隊統合幕僚長がネオナチ活動家を正式な顧問に任命するのに相当する。それでヤバさが分かるであろう。



ドミトリー・ヤロシはウクライナ語のニュースサイトで、ウクライナ軍総司令官の顧問に任命された件について実態を述べている。「私は軍の最高司令官の顧問であり、防衛問題に取り組んでいます」と明確に述べている。



https://aspi.com.ua/news/suspilstvo/yarosh-rozpoviv-chi-kontaktue-z-komandoyu-zelenskogo-pislya-priznachennya-na-posadu#gsc.tab=0

ドミトリー・ヤロシの発言の要点をまとめる。ゼレンスキーのチームに入ったか?という質問に対し「入っていない。私はゼレンスキーと連絡すら取っていない。私は軍総司令官の顧問であり防衛問題に取り組んでいる。彼ら(軍高官)は私の近くにいる。軍は政治にタッチしない。私はこのチームの一員だ。」

ヤロシの「自分は軍のチームの一員であり、軍総司令官の顧問として防衛問題に取り組んでいる」という発言はウクライナのネオナチ・極右がウクライナ軍の中枢と深く結び付いている事を窺わせる。もはや、ネオナチ勢力の意向が軍の意志決定プロセスに全く影響が無いという想定の方が無理があるだろう。

ヤロシのゼレンスキー完全無視発言を見ても、やはりゼレンスキーは軍権を掌握出来ていない可能性が高いと見る。どこの国でも軍は自律的な組織機構を持っている場合が多く、それだけに不安定な国ではしばしば軍によるクーデターが起きている。国情不安定な国では軍権を握れなければ政治的に無力である。

無視どころかヤロシはゼレンスキーを公然と脅している。ヤロシは「彼がウクライナと革命で死んだ人々を裏切るならば、彼はクレシュチャティクの木にぶら下がるでしょう。」と言った。武装勢力に公然と脅されるコメディアンには傀儡として踊る以外に為す術はないだろう。



https://aspi.com.ua/news/politika/yarosh-zelenskiy-bude-visiti-na-derevi-na-khreschatiku-yakscho-zradit-ukrainu#gsc.tab=0

これは超重要資料(The Foundation for the Study of Democracy(民主主義研究財団)が作成し、OSCEのHPに掲載されている資料)。だが、閲覧注意。ウクライナ治安機関やネオナチ部隊が、ロシア系住民に対して行った蛮行の記録である。彼らの非道な行いが具体的に記録されている。内容は読むに堪えないものである。こういう鬼畜共が8年で改心すると思う程お人好しになれない。

https://osce.org/files/f/documents/e/7/233896.pdf

前掲の資料にはウクライナ保安局(SBU)・アゾフ大隊・右派セクターなどの名前が出てくる。この資料を読むと、何故ロシア系住民が独立を選択したのかが明確に理解出来た気がした。彼らが求めているのは権力・覇権・野心などではなく、とても簡単な事だったと痛感させられた。生存・安全・尊厳である。

前掲のOSCE資料のSBUを「ゲシュタポ」、アゾフ大隊を「SA」「SS」と書き換えても、全く違和感なく読めるだろう。歴史書でしか触れた事が無いような事が、2014年以降のウクライナで現実に行われたと思うと、ゾッとさせられる。たった8年前に鬼畜だった連中が今は皆改心しているなんて事があり得るのか?

民主主義研究財団はウクライナのネオナチによる人権侵害について調べ資料を作る所まではした。だが、欧米を中心とする「国際社会」とやらが、この問題に対し何らかの具体的解決策に乗り出したかと言えば、「否」であろう。プーチンの「特殊軍事作戦」を止めるには戦争以外のネオナチ問題解決策の提示以外にはない。

ゼレンスキーは只の道化・傀儡だと評価する。アゾフと同様にバックはコロモイスキーだろうが、ネオナチではないと思う。だが、武力を背景に公然と脅してくるネオナチの意向には逆らえないだろう。本来芸人が戦う場所は、TVショーやお笑いの舞台のはずである。戦う場所を間違えたコメディアンの悲喜劇。


3月16日

OSCEの資料に載っている証言の中で、ロシア系住民を拘束したウクライナの官憲が「右派セクターの所に送るぞ」という趣旨の脅しをかけたというものが幾つか出てくる。これは二つの事を意味する。➀ウクライナ官憲と右派セクターの結びつき。②「右派セクターに送る」というだけで脅しになる程の残虐性。

オデッサの住人ウラジミール・デュボフという人は、ウクライナ保安局(SBU)にデュボフ氏の妻と子供の住所を右派セクターに送ると脅されたと証言している。また、アレクサンダー・シャルノフ氏はSBUの捜査官から「妻と娘を右派セクターに送る。娘はばらばらに引き裂かれるだろう」と脅されたと証言。

これらの証言は既に貼ったこちらの資料に書かれている。SBUはしばしば「右派セクターに家族を送る」という脅し文句を使っているようである。これはウクライナ治安機関であるSBUと右派セクターの結び付きを示している。その右派セクターの元リーダーが今はウ軍総司令の顧問だ。

https://osce.org/files/f/documents/e/7/233896.pdf

ウクライナ軍が用いる拷問方法は、残酷過ぎて文字にするのがためらわれる。そのため、資料から彼らが拷問に使う道具だけを記す。感電装置・ナイフ・バット・鉄の棒・スティック・ライフル・熱した鉛などである。道具を記しただけで、拷問の残虐さが容易に想像が付くであろう。

https://osce.org/files/f/documents/e/7/233896.pdf

ウクライナの軍と治安機関は「ウォーターボーディング」という拷問方法を体系的に採用しているとの事である。所謂「水責め」である。水責めと言えば、CIAが使う拷問方法である。ウクライナの軍と治安機関がどこからこの技術を学んだか察しが付くではないか。これだけでネオナチの背後が透けて見える。

こうしたウクライナ官憲によるロシア系住民に対する迫害は、死者が出ても戦闘による犠牲者とは違う為、国際紛争の公式の犠牲者数としてはカウントされないだろう。よって、正確な犠牲者数は分からないのである。OSCE資料で証言した200人程の人々は辛うじて命が助かった人である。死者は証言出来ない。

アゾフ大隊に拘束されたオルガ・セレツカヤという人は「They used a shocker on me and wanted to throw me into a pit filled with corpses. They threatened to harm my child and my family.」と証言。「ショッカーを使い、死体で一杯の穴に投げ入れようとした。子供と家族を傷つけると脅した」と。

「wanted to throw me into a pit filled with corpses」とは、恐ろしい文言である。「彼らは(比喩的に)死体で一杯の穴に投げ入れてやりたいと言った」ではなく「wanted to throw 」、つまり実際に「投げたかった」という意味なので、現実に「a pit filled with corpses」が存在したと考えられる。

アゾフの兵士がセレツカヤ氏を投げ入れたかった「a pit filled with corpses」即ち「死体で一杯の穴」が存在したとすると、遺体の身元は誰なのか?戦場の遺体をわざわざ屯所まで運ぶとは考えられず、虐殺遺体の可能性が高いと思われる。こうした死者数は国際紛争の公式データには記録されないだろう。


3月18日

ウクライナのネオナチ問題にこだわる理由。第三次世界大戦の火種だからである。この問題を放置し続けると、世界大戦に繋がりかねない。以前はISが火種だと見たが、一気に終息していった。本当の火種はネオナチだという事に気付いた。ネオナチを温存し続けると、ロシアがさらに戦争に引っ張り出される。

以前「“コロナ禍”工作→国際的両建抗争」というシフトが起きる可能性があると予測したが、どうやら現実化してきたようである。勿論、“コロナ禍”工作は平行して継続中だが、今は「ネオコン(+金魚の糞)VSプーチン・ロシア」という構図を中軸とする国際的両建抗争の方に走狗メディアは傾注している。

ロシア軍が特殊軍事作戦を完遂しネオナチを完全に無力化すれば、世界大戦の火種は断たれる。だが、その過程で犠牲者が出る。犠牲者を出さずに第三次世界大戦を阻止するには、ウクライナのネオナチ問題を直視し、武装解除プロセスを戦争以外の方法で具体化するしかない。だからこの問題に拘っている。

ウクライナのネオナチ問題に言及する事が、あたかも親露的に言うのは、それこそネオコンの戦時プロパガンダに洗脳された僻事である。あらゆる戦争・戦闘を止める為にこそネオナチ問題を追及しなければならない。ロシアの軍事行動を止め、世界大戦の火種を断つには、この問題は避けて通れないのである。

「平和」「反戦」の声が喧しいが、それと裏腹に多くの人が戦時プロパガンダに乗せられて「敵」「味方」の戦争思考に陥っている。だからこそ、ウクライナのネオナチ問題に言及すると「親ロシア」「反ウクライナ」などという思い込む。これ自体が戦争思考に陥った二元論である。独立的思考を維持すべし。

「戦争思考に陥った二元論」とは「両建思考(両建に嵌められた二元論的思考)」と言い換えられる。戦時でも平時でも両建に嵌められないように気を付ける必要がある。「敵・味方」の思考を持って差し支えないのは、悪の元凶に対してのみである。元凶を炙り出す為には事実に即した批判的思考が不可欠。


3月20日

ロシア系住民への虐殺について。先日引用したOSCEの資料はウクライナの軍・治安機関・ネオナチ民兵・極右集団などによる暴力や拷問の被害を証言に基づき具体的に記録したものである。あくまで生存者の証言なので、拷問の実態に関する情報が中心だが、虐殺に関しても触れている箇所が何か所もあった。

例えば「右派セクターメンバーが酔っ払って囚人の少女を射○した」「○体で一杯の穴に放り込まれた・放り込まれそうになった」「拘束された人が地雷原につれていかれ、その後爆発音がした」などである。読んだ限りでは「死体で一杯の穴」への言及は合計で3回出ていた。それぞれ別の証言者によるもの。

国家親衛隊からアゾフ大隊に引き渡されたデニス・ガブリリンという人の証言要旨。「彼らは私を死体で一杯の穴に投げ入れた。それらは彼らが銃殺で処刑した人々の遺体だった。彼らは私をその穴に投げ入れた。それは独特の臭いがした。私は私も処刑されたような気がした」。これは紛れもない虐殺の証言。

引用➀Denis Gavrilin, another victim who was arrested by the Ukrainian National Guard on 31 July 2014 and given over to the Azov battalion, says,‘They threw people into a pit full of dead bodies. https://osce.org/files/f/documents/e/7/233896.pdf

引用②Bodies of the people theyhad executed by shooting. Then they threw us into that pit; it had a specific smell. I felt as if I had been executed too. https://osce.org/files/f/documents/e/7/233896.pdf

ウクライナ東部のドネツク市で400体以上の虐殺遺体が集団埋葬されているのが発見された事がある(この件を報じたニュース記事は削除されているようで、見つける事が出来なかった)。ガブリリン氏の「死体で一杯の穴に投げ入れられた」という証言は、この件と符合している。



https://www.bbc.com/japanese/video-47864033


前掲資料 https://kazan-glocal.com/official-blog/2014/11/24/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%81%8C%E9%BB%99%E6%AE%BA%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%9D%B1%E9%83%A8%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%99%90/

によると、ウクライナ東部で見つかった虐殺遺体には「皮膚にナチスを象徴するカギ十字の焼き印が押されていた」との事だが、これはOSCEの資料にも「a Nazi swastika was burnt into his buttocks with a red-hot bayonet-knife」などと記されている事と符合している。

ナチスのカギ十字を刻印するなどネオナチの仕業以外には考えられない。ウクライナでネオナチに虐殺された人々は、惑沈被害者と同じだと思う。「因果関係不明」「真相不明」「デマ」として片付けられる。ネオナチ問題と惑沈問題は裏権力の思惑と都合で引き起こされている点で実によく似ていると感じる。

惑沈問題とネオナチ問題は一見全く違う問題に見えるが、同じワンワールド化工作の一環と見る。“コロナ禍”工作で惑沈接種と惑パスによる個人への管理統制を強め、東欧にネオナチを扶植してロシアを刺激し国際的両建戦争の火種とする。国際秘密力は異常に攻勢をかけてきている。世界が非常に危険な状態。

今の「反戦平和」は「平和」「戦争反対」という言葉とは裏腹に第三次世界大戦への道を舗装するテイのものである。「欧米グローバリスト+金魚の糞VSプーチン・ロシア」という大戦の構図が作られつつある。「標的を悪魔化し群衆を“ピープルパワー”として動員し攻撃させる」という理論通りに動いている。

「標的を悪魔化し群衆を“ピープルパワー”として動員し攻撃させる」という人工芝工作の理論は、「ノーベル社会工学賞」があれば受賞ものの発明である。ネオコンは2000年代以降この理論に基き数々の国家を転覆してきた。彼らの大本命がプーチン。そしてロシアを引きずり出す為の道具がネオナチである。

「反戦平和」の掛け声が世界大戦への道を舗装するとは、まさに弁証法的展開である。反戦平和を唱える事自体は間違っていない。しかし、無知な善意は常に悪に利用される。無知な善意は思いとは裏腹に悪の道具になる。知が伴う善意こそ本物。仁義礼智信=五常の中に何故「智」が入っているかを痛感した。


3月22日

よく聞く「地獄への道は善意で舗装されている」という西洋の格言。この格言の真実味を痛感させられる情勢である。事実を直視せずに形式的なモラルだけを宙に響かせる“反戦”の掛け声が、かえって世界大戦の構図を醸成する。仁義礼智信=五常にも智仁勇=三達徳にも「智」が入っている意味を噛みしめる。

ドネツクの集団墓地で虐殺遺体が発見された件はEUも認識していた。OSCEからの報告で認識している事を、当時の欧州委員会副委員長が認めている。これはポルトガル代表のEU議員の質問に対してEU副委員長が回答した発言で確認される。

https://europarl.europa.eu/doceo/document/E-8-2014-008412_EN.html?redirect https://europarl.europa.eu/doceo/document/E-8-2014-008412-ASW_EN.html

この質問の中でポルトガル代表の議員は「加害者はオリガルヒのイゴール・コロモイスキーが資金を提供しているエイダー大隊と、ドネツク地域を占領している通常の(ウクライナ軍)部隊だと思われます」と述べている。これに対しEU副委員長は当たり障りのない回答に終始し何ら具体的対応を示していない。

EUは問題を認識しながら、一般論的な回答でお茶を濁すのみで、何ら具体的な対応に乗り出した形跡がない。曰く「法と秩序の回復」「ミンスク議定書ミンスク覚書の迅速かつ完全な実施」「オデッサ事件の独立した透明な調査の必要性を強調」。ネオナチ問題をスルーして、これらが実現する見込みはない。

何故欧米のエリートがウクライナのネオナチ問題をスルーするのか。それはネオナチがロシアを屈服させる地政学戦略の重要なコマだからである。彼らはウクライナの民の事など考えていない。彼らの意図は偏に東欧とハートランドを押さえ、ロシアを屈服させ、「世界島」を制覇し、世界を支配する事である。

日頃「ナチスは悪」と強調しながら「使えるネオナチ」は放置する。彼らにとって「使える=善」「使えない=悪」なのである。欧米“エリート”=権力支配層(パワーエリート)=グローバリスト=裏権力=国際秘密力は、善悪の基準を自分たちが決められると思っている、この上なく傲り高ぶった集団である。

葡萄牙EU議員の「加害者はコロモイスキーが資金提供するエイダー大隊とドネツク地域を占領している通常の(ウ軍)部隊と思われる」旨の発言に対し、EU副委員長は否定する発言はしていない。EUの議事録に記録される為、根拠無く否定する事は出来ないのだろう。これが言いっ放しのメディア発言との違い。


3月26日

EU議員の質問の文言を正確に引用しておく。「 It is suspected that the perpetrators belong to the Aidar Battalion — which is funded by the oligarch Igor Kolomoisky — and the regular forces which occupying the Donetsk region. 」。加害者はエイダー大隊とウ軍に所属していると思われる。

「葡萄牙EU議員の「加害者はコロモイスキーが資金提供するエイダー大隊とドネツク地域を占領している通常の(ウ軍)部隊と思われる」旨の発言」と書いたが、文字数制限の関係もあり不正確な訳になってしまった。「belong to」つまり「加害者が~~部隊に所属していると思われる」が正確な訳語である。

400人以上もの人々が虐殺されたとなると、一人や二人の兵士の仕業ではないのは明らかである。ポルトガルのEU議員は「エイダー大隊やウクライナ軍部隊の組織的犯行」とは断定していないが、規模的に見て個人的犯罪の範疇を遥かに超えているのは間違いない。少なくとも集団的犯行である事は確実だろう。

400人以上の虐殺遺体はウクライナ軍や民兵が占領していた地域から見つかったのだが、占領が解かれたから見つかったとも言える。占領が続いていれば、決して見つかる事は無かっただろう。では、未だにネオナチ集団が占領している地域はどうだろうか?彼らを武装解除しない限り真実は明らかにならない。

ウクライナの普通の政治家・政府関係者にとってもネオナチは厄介者以外の何者でもないのだから、ネオナチ非武装化は諸手を挙げて賛成のはずである。ウクライナとロシアがネオナチの非武装化で合意すれば、和平交渉は大きく前進すると思われる。では何故それが出来ないのか?命を脅かされるからだろう。

ウクライナの政治家がネオナチの非武装化を推進すれば、ネオナチに身の安全を脅かされるのだと思われる。これが和平を妨げている最大のネックだと分析する。ネオナチのリーダーが「ウクライナと革命の殉教者を裏切ったら木につるされるだろう」などと公然と大統領を脅して何のお咎めも無い状態である。

ネオナチの非武装化を推進するウクライナ人の命が脅かされないようにする事が不可欠である。ネオナチの非武装化は、それを支援する勢力以外は誰もが望む事だろう。不当な要求でも何でもない。その上で露と「ネオナチは完全に非武装化する。その代わり自国を守る国軍は残さしてくれ」と交渉すればよい。

3月30日

勇猛なチェチェン人精鋭部隊がマリウポリのネオナチ勢力をかなり駆逐した模様である。破落戸は戦士に勝てなかった。ウクライナ・ロシアの停戦交渉の前進には、この事が作用した可能性があると推測している。ウクライナ国内でのネオナチの影響力が下がる程、和平交渉がし易くなるのは理の当然であろう。

ネオナチ集団が支配するマリウポリがここまで持ちこたえたのは、一般住民を盾にする卑劣な「人間の盾戦術」による所が大きいと分析する。彼らは、学校などの民間施設、民家に隠れて戦うという情報がある。中には民間人に偽装して逃亡する所を捕まった者や既にポーランドに逃亡した者もいるようである。

欧米+金魚の糞メディアはネオコンのプロパガンダに終始している。ロシアはロシアでプロパガンダを行なっているだろう。チェチェン共和国はロシアに従属しているが、今もかなり高度な独立性を保っている独特の立ち位置である。欧米露の宣伝戦を相対化するにはチェチェンに注目するのはありだと思う。

ウクライナのナチスには思想的論理矛盾がある。ヒトラーはスラブ人を蔑視していたからである。という事は、ウクライナのナチは自らをスラブ人とは見なしていないという事になる。だが、キエフ公国はノルマン人が東スラブ人と同化して作った国とされる。スラブを否定してはかの国の歴史は成り立たない。

どういう動機で一部のウクライナ人がナチスになるのか全く分からないが、スラブ人とされるウクライナ人がナチスになるのは、東洋人である日本人がナチスになるのと同じくらい奇妙な事ではなかろうかと思う。日本や東洋でいう「名誉白人」的なニュアンスなのかも知れぬ。あるいは、欧化主義者の一種か。


4月1日

最近は「ネオナチ」「ナチス」の問題ばかり取り上げているのは、以前申したように、これらが第三次世界大戦の火種になり得る超危険因子と見ているからである。以前はISが火種だと見て追及していたが、ここ数年で下火になった。以前はネオナチは裏権力の手先の一つくらいにしか思っていなかったのだが。

だが、今思い返すと、個人的に思い当たるフシがある。5年ほど前から何故かネオナチ・ナチスシンパ系の工作員に絡まれる事が増えたのだった。ネオナチは国際的ネットワークを持っている。彼らが勢力拡大の為に日本語圏にも攻勢をかけていたのだと捉えると、今の情勢とピッタリ符合すると思うのである。

これまで絡まれたナチスシンパ系グループは2種類。1つ目は猶太人女性に「ヒトラーは悪ではない」と教えられたと称する者とそのシンパ。2つ目はヒトラーを救世主として崇拝するサタニスト・グループ。どっちも偏執狂的で執拗なのが特徴であった。何故こんなのが日本語Twitterに出没するのが謎だった。

今思い返すと、国際的なネオナチ・ネットワークの拡大途上の現象に遭遇したのだと解釈する事が出来る。特に接点も無いのに異常に目の敵にされたのを覚えている。彼らが日本語圏に勢力を扶植するのに邪魔になると思われたらしい。彼らはかなり執拗で、長期に渡って陰湿な印象操作工作を行ったのだった。

つい最近も吾人が書いている事を「アゾフに教えてやる」的な事を言ってきた者がいたが、「どうぞご自由に」としか言いようがない。そんなのが脅しになると思っているのが甘い。以前絡んできたネオナチ系工作員は、ご丁寧にも私のツイを英語に翻訳して「こんな事を言ってる奴がいまっせ」と“ご注進”したのだった。一時期やけに英語圏からのフォロワーが増えたのだが、彼奴の“ご注進”のお陰だったと推測している。宣伝してくれて感謝しかない(笑)「こんな事を言っている日本人がいまっせ」と外国語で“ご注進”する連中とは、スターリンに日本人同志を密告した野坂参三みたいな奴だなという印象である。

情報拡散に役立つのでどんどん“ご注進”してくれていいが、工作員はとことん心根の卑しい連中だなぁという印象は深くしている。日本国内で優位に立つ為に外国勢力に事大しようとする連中が明治以来数多く存在する。右だろうと左だろうと同じである。要するに欧化主義。ネオナチは右の欧化主義者である。

野坂参三は山本懸蔵をスターリンに密告して死に追いやった。だが、山本懸蔵も国崎定洞という人物を密告して刑死させたとされる。外国勢力に事大すると、とことんまで人間が腐るという例である。「日本人がこんな事言ってまっせ」連中は、基本的にこれと同じである。事大主義に囚われた奴隷根性の塊。


4月3日

スターリンとプーチンの比較論ついて考察する。スターリンは独裁的権力者であると同時にマルクス・レーニン主義の思想家でもあった。否、それらが密接不可分に結び付いていた。あたかもローマ教皇が全世界のカトリック教徒の教義解釈を支配するように、スターリンはマルクス主義の“解釈権”を振るった。

存命時のスターリンはマルクス・レーニン主義という国際主義イデオロギーの総元締めであり、マルクス文献という“聖典”の“解釈権”を握り、全世界のマルクス・レーニン主義者の思想を支配していた。大東社系派閥の当時最大のイデオローグだったと言える。トロツキー主義の台頭はスターリンの死後である。

一方、プーチンはロシア民族主義者であり、ロシアの国益を第一と考える現実主義的な政治家である。スターリンの如き「思想的文献の“解釈権”を握る国際主義的イデオロギーの総元締め」という性質が全くない。この点で、「プーチンはスターリンと同じ」という主張が完全にミスリードである事が分かる。

「プーチン=スターリン主義者」と印象付ける論は、トロツキー主義系のネオコン筋の思想工作である事が容易に推察される。トロツキーは1940年にスターリンが放った刺客によりメキシコで暗殺された。トロツキー主義者が政敵を憎きスターリン主義と重ねる心理は、こうした歴史的経緯から出ると思われる。

ネオコンには2つの屈折した心理が折り重なっていると分析する。一つ目は、猶太エリートの歴史的な反ロシア感情。猶太金融資本にとって中々思い通りにならなかったのが帝政ロシアだった。二つ目は、スターリン主義を憎むトロツキー主義者の怨念である。ネオコンは猶太人トロツキー主義者が源流である。

ネオコンというトロツキー主義者の脳内では、ロシアはスターリン主義体制下にあるのかもしれぬが、実際には、ロシアは民族主義国家である。ソ連より帝政ロシアに近いと見ている。ウクライナでの衝突はロシア民族主義とグローバリズムの対決以外の何物でもない。スタ・トロ両建抗争は今は昔の話である。

かつてのコミンテルンに相当する国際主義的思想運動の中心は、今はロシアから米国に移っている。ここを見抜けるか否かで国際情勢の構図理解に雲泥の差が出る。今のロシアは帝政時代と同じく民族主義の範疇を出ない。一方、ネオコンは国際主義イデオロギーの実現の為に、全世界で工作活動を行っている。

旧統一系右派はネオコンの手下であるが故に、冷戦時代の「勝共連合」理論にどこまでも固執する。それ故、今のロシアをソ連と同一視し「コミンテルン」の元締めだと夢想する。「コミンテルン日本支部」だった共産党やソ連と密接だった社会党の後進・社民党がプーチン批判している設定矛盾は気にしない。

ウクライナのネオナチはネオコンのグローバリズムの手駒の一つである。ネオナチとは、単なる民族主義という以上に人種主義である。それ故、一国を超えた国際主義的なイデオロギーにもなり得る。例えば、アゾフ初代指揮官アンドリー・ビレツキーは「白色人種の国際的十字軍」の如き“構想”を述べている。

ウクライナのネオナチの有力なイデオローグには、アンドリー・ビレツキーと並びオレナ・セメンヤカという人物がいる。セメンカヤは「ウクライナ・ナショナリズムのファーストレディ」と呼ばれているそうで、ヨーロッパのネオナチ界でも思想的影響力を持っているようである。ネオナチの国際主義の一例。

セメンヤカが鍵十字の旗の前でナチス式敬礼をしている写真がある。哲学専攻のこの人物はアゾフの政治部門と深い関りがある。アゾフが欧米各国のネオナチとネットワークを構築したのは、セメンヤカの役割が大きいようだ。アゾフは只の民兵組織ではなく、一つの国際主義的思想運動体でもある事が分かる。

日本の伝統思想は「自然」や「土地」と密接に結び付いているが、ヒトラーの思想はそうではない。ヒトラーにとっては「人種」が全てであって、土地とは人為的にいつでも変更可能な支配領域なのである。それ故、ヒトラーは力による領土拡張を正当化した。ナチズムとは「人種」を実体視する実体論である。

「土地とは人為的にいつでも変更可能な支配領域」というナチズムの観念からすると、領土は父祖の地に限定されるものではなくなる。ここに土地との結びつきを離れた国際主義が生じる余地がある。ビレツキーの国際的十字軍構想は人種=実体論のナチズムの国際主義的性格の表れの一つと見なせるだろう。

アゾフ初代指揮官は「白色人種の十字軍とセム族が率いる劣等人種との最終戦争」という趣旨の主張を述べている。「セム族」がポイントだろう。かつてウクライナを含む地域を支配したカザール王国は猶太教を国教としたが、カザール猶太教徒の支配層は人種的にはセム系ではなく、おそらくトルコ系である。

ビレツキーの言う「セム」が人種的なものであれば、非セム系のカザール系・白人系の猶太教徒とは衝突しない事になる。実際、猶太系資本家がアゾフを支援している。ネオナチの中でも「白人こそ真のセム族」と主張する一派もいるので、ややこしいが。後者は聖書を重視するタイプのネオナチと思われる。

「両建」の二文字を知っている真相追及者以外だと、大抵の場合は「猶太系資本家が何故ネオナチを支援するのか?」という所で思考が躓いてしまう。だが、「セム族」敵視のビレツキーのネオナチ思想は矛盾が少ないので理解し易い部類だろう。非セム系のシオニスト猶太がネオナチを支援しているだけの話。

民族主義と人種主義は混同されがち。両者を区別しないと、何故ネオナチが国際主義的になり得るのかが理解出来ない。民族主義では人種だけでなく、言語・文化・歴史・土地との結びつきも重視される。だが、人種主義では人種が根本的である。それ故、特定の土地との結合は必ずしも重視されない事になる。

人種を実体視するのが人種主義。人種主義は実体論の一種と言える。例えば、鍵十字を掲げるバンデラ主義者が土地に根付いたスラブの歴史と文化を軽視し“アーリア人種”を礼賛する姿勢に人種主義の論理の典型が表れていると見る。民族主義者は土地の文化を重視するが、人種主義者は必ずしもそうではない。

余計なお世話かもしれないが、何故ステファン・バンデラみたいなのを国家の英雄視するのか非常に疑問である。元ナチス党員のMI6スパイを。ウクライナの歴史上、もっと素晴らしい人物がいるのではなかろうか。先人を尊敬するのは良いと思うが、誰に私淑するかにセンスが表れる。バンデラはムリだろう。

ウクライナは歴史上完全に独立していた時期が極めて少ないようだ。周囲を強国に囲まれるという地政学的な位置が朝鮮半島と似ている。「キエフ」を「キーウ」に読ませるなどウクライナからロシア語色を消そうという試みは、韓国が漢字を排除したのを連想する。ロシア語はウクライナ文化の一部なのでは。

他国に従属した経験が長い地域では、その反動で種族主義が激化する場合がある。その点でもウクライナと朝鮮は似ている所があると思う。ロシア語は別にロシア人の専売特許じゃないだろう。ロシア語はウクライナ文化の一部でもあるのでは。ロシア語をあたかも敵性言語の如く扱うのは如何なものかと思う。


4月6日

「何故ステファン・バンデラみたいなのを国家の英雄視するのか非常に疑問」と書いたが、ウクライナ史上の偉人の中で「反ロシア」に限定すると人物の層が薄くなるという事もあると推測している。ウクライナの国民的英雄ボフダン・フメリニツキーはポーランドから独立する為にロシア帝国に保護を求めた。

ウクライナとロシアの関係は、ロシアの文化・文明・国家そのものの源流がキエフ公国だった事がまず挙げられる。だが、キエフ公国の滅亡後のウクライナ地域は、モンゴル帝国・ポーランドと支配者が変遷した。ポーランドから独立を図ったのがコサック頭領(ヘトマン)のボフダン・フメリニツキーである。

ウクライナとロシアの関係が決定的に深まったのは、ボフダン・フメリニツキーの独立運動が切っ掛けのようである。ポーランドに対する独立運動の過程でロシアの保護下に入る策を取ったのである。ウクライナ史上第一級の国民的英雄がロシア帝国寄りならば、「反ロシア」の偉人の層が薄くなるのも頷ける。

ボフダン・フメリニツキーがポーランドに対抗するのにロシア帝国を頼ったやり方は、新羅が日本に対抗するのに唐に臣従したやり方に似ていると思った。周囲を強国に囲まれるという地政学的位置がウクライナと朝鮮は似ている所があると述べたが、歴史を調べてみても、生き様が重なる部分があると感じた。

フメリニツキーに次ぐ英雄とされるのがイヴァン・マゼーパ。マゼーパはロシアのピョートル大帝に仕えていたが、途中で反旗を翻しロシアからの独立を図った。マゼーパはピョートルと北方戦争を戦っていたスウェーデンのカール12世を頼った。事大は只の卑屈ではなく地政学的位置が強いるものでもある。

事大はウクライナ指導者の伝統と言える。これは彼らを貶めて言っているのではなく、周囲を強国に囲まれるという地政学的位置が強いたものだと捉えている。そうした中で不幸にも、これまでウクライナを支配した如何なる「国」とも異なる国際主義的勢力が現れた。最も陰険・狡猾・邪悪な国際秘密力が。

ウクライナは東西で文化も異なるようである。特に宗教。東はロシア正教の信者が多く、西のガリチア地方にはカトリック信者も多いとの事である。ステファン・バンデラはガリチア出身。ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世はポーランド側のガリチア出身。正教とカトリックの違いも両建に利用されていると見る。

ウクライナを欧州に近づけたい勢力は、西部出身のカトリック勢力が中心かもしれない。ナチスはバチカンと密接な関係があった。ウクライナ・ネオナチの目標の一つが、正教から分離した独自のカトリック帝国の樹立がある可能性もあると見る。カトリック勢力と正教勢力の対立という視点も重要だと思う。

国にはそれぞれの事情がある。歴史的背景や因縁、地政学的な位置関係などである。異国の事を論じるには、まずは謙虚にその国の歴史を学ぶ事が大切だと考える。「何故バンデラを崇拝する者がいるのか?」という疑問一つとっても、ウクライナの歴史を学ばない事には中々考察が進まない。学びを続けたい。