カンブルランなので濃厚なマーラーではないと予想してた、が、が、
予想以上の素晴らしい演奏

名演でした

読売日本交響楽団 第524回定期演奏会
指揮:シルヴァン・カンブルラン
演奏:読売日本交響楽団
コンマス:ダニエル・ゲーデ(元ウィーン・フィルコンマス、来季読響コンマス)
会場:サントリーホール(3月19日)

マーラー:交響曲第6番

サントリーホール



ホールに入ると舞台指揮台を中心に扇状に最後列までぎっしりと置いてある椅子椅子椅子椅子椅子。
これを見て綺麗な配置だな、ではなく(笑)、実質5管式で多くの打楽器があるからこうなるよね、と。
これからまさにここでマラ6が演奏されるんだと思うと演奏前から何だか胸熱になってしまったマーラー好きのお馬鹿さんはこの私(爆


ヴァイオリン両翼配置でチェロバスは上手側。なのでちょうど第2ヴァイオリンとヴィオラを入替えた形。
ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレのマーラーと同じ弦配置です。
2台のティンパニも両翼配置。通常中央に置かれるティンパニをここまで離して配置するのも珍しい。
で、空いた中央にはマラ6には欠かせない弩デカイハンマーが鎮座しております。


第1楽章行進曲の様に始まる第1主題が通常と違いとても小さな音から一気に大きくなり始まったのが印象的。
少々速めのテンポでほとんど揺らしやタメがないのにあっさり淡白に感じてしまう事もなく、逆にこれが圧倒的な推進力を持ってグングン突き進む事になりグイグイと演奏に引込まれました。
カンブルランの持つ透明感と色彩の豊かさも持ち合わせており、複雑怪奇なオーケストレーションなのに分解能が素晴らしく各楽器の音が際立って聞こえオケに埋もれあまり聞こえないチェレスタの音まで聞こえるし、金管と打楽器が一斉にがなり立てている時でも弦5部の音がはっきりと聞き取れるのが凄い。

そしてムムムっ、コンマスが変わると弦の音がこんなに変わるのか!?と。
今までのカンブルラン読響とは明らかに違う。パワフルだけど時にガサツになる弦がとてもしなやか!
サンタさんマラ5の時同様トランペット首席長谷川さんが素晴らしいのなんの。
湿っぽく(←いい表現が思いつかないorz)愁いを帯びていて音の表情がキラキラしている。

おっ!と思ったのが第1楽章第1主題から第2主題への移行部。弦5部が順番に演奏していく所で今回の配置だと下手の第1ヴァイオリンから綺麗に時計回りに音を引き継いで行く様が視覚効果抜群!
このためのこの配置!?と唸らせられました(笑

そして続く第2主題。この主題はマーラーの妻であるアルマの主題と呼ばれてます。
マーラーより20歳位若い歳の差婚でありしかも美貌のアルマ(写真だとあまり綺麗に見えないけど
なのでこの主題はクネクネと悶える様に美しくなければいけません(笑
速めのテンポであっさりと表現されたのでここだけが今回の不満点でした(^▽^;)


マラ6演奏で問題になる第2第3楽章はアンスケの順。
第2楽章アンダンテはしなやかな弦の上でホルンや木管の音が踊り情緒感抜群。
第3楽章スケルツォは速めのテンポだった事もあり子供がキャッキャと騒いでいる様(爆

マラ6演奏第2の問題は第4楽章のハンマーの回数ですが2回でした。
ここまでほぼテンポを変えず突き進んで来ましたがハンマーの打撃の後では若干テンポを落としハンマーの一撃をより際出せる事に成功してました。


気が付くと久々に口をとんがらせた千秋先輩いわく「その顔やめろ」顔になってました(^ε^)♪
2回目のハンマーの打撃でヤバイもう終わっちゃうぞ、と。80分があっという間。


改めて名演でした


マーラーだと必死に聞くので聞いているだけなのに心地よい疲れが(笑
私の周りは雑音も少なく曲にずっと集中できたのも良かった。曲終了時カンブルランが手を下ろすまでしばし無音の余韻を楽しみ、パラパラと拍手が始まりカンブルランが客席に振り向いた時にブラボーの一斉射撃!
お客さんも素晴らしい演奏会でした。

カンブルランとコンマスゲーデのコンビで読響の音がこれ程変わるとは。
来季定期会員継続しなかったの失敗か!?とちょっと思いました(笑