リトマスゴケ | いまのままぢゃダメだ! ・・たぶん。

リトマスゴケ

リトマス試験紙。
中学生の頃によく使ったなぁ。
なつかしいでフ。。もう最近では全くといってほど見てはいない。

リトマス紙は、液体をつけると、その液体のph(ペーハー)つまり酸性のものか、アルカリ性のものかを知らせてくれる指示薬というものです。

リトマス紙の色が、赤だと酸性、青だとアルカリ性ということになる。
これは、酸性の水溶液では水素イオンが多いため、リトマス紙の色素分子の一部に水素が付いて赤色の陽イオンとなり、アルカリ性では水素イオンが少ないので、水素がとれて青色の陰イオンとなるから。。ということらしい



リトマスゴケ さてここからが本題ですが、このリトマスとはなにか?リトマス紙というくらいだから、紙に”リトマス色素”が塗ってあるのか??

どうもそのようでフね!?
リトマスとは、<b>リトマスゴケ</b>のことです。

ろ紙に、リトマスゴケの色素がついており、
酸だとかアルカリだとかに反応する
そういうことだそうです

もちろん、他の色素の分子に、このような反応がおこるならば
リトマスゴケでなくても良いわけですね。
最近では、リトマスゴケに変わってウメノキゴケが良く使われているそうです。

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リトマスゴケ(Roccella属)は、地中海沿岸、西アフリカの海岸や南アメリカの西部海岸の岩場などに大量に自生していたらしいのだが、地中海沿岸にはもうすでにほとんど絶滅してしまっているようです。
このコケの色素をアルコールに溶かし、少量のアンモニア水を加えて青くしたものと、少量の塩酸を加えて赤くしたものを、それぞれろ紙に染み込ませて作っています。

昔はリトマスゴケに糞尿,石灰,炭酸カリなどを加えて発酵させて作ったそうです。
ルネサンス期のある貿易商が、岩の上に小便をしたところ、たまたまそこに生えていたリトマスゴケが、鮮やかに変色したのがきっかけと伝えられているそうです。

リトマスゴケは当時のヨーロッパでは羊毛の染料として使われ、紫色の染料はかなり貴重だったらしく、地中海沿岸ではほとんど取り尽くされてしまったのです。
石油化学の発達で、現在では劇物として扱われているアニリン(アミノベンゼン)が青い染料として用いられるようになりました。リトマスゴケなどの地衣類は染料として不安定なものだったため主役の座を奪われていったのですね。
ただ北欧の国々では、伝統工芸のようなかんじで利用されているようです。


リトマスゴケの代用ということについては、先ほどもあげたウメノキゴケの色素も、このリトマス色素と同じ分子構造をもっており、酸・アルカリで変色します。

日本でも手に入るものとしては、このウメノキゴケの他、天然の紫キャベツなどのアントシアニン系色素も使えます。

ボイルの法則で有名なボイル(17世紀イギリス)は、スミレやバラなどの花を指示薬として利用していたそうで、これが指示薬の始まりといわれます。


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日本でも手に入るウメノキゴケからのリトマス紙の作り方:
採取したウメノキゴケ10gに、3倍に薄めたアンモニア水100ccと5ccのオキシドールをかき混ぜながら加え、ビンに詰める。
ビンを冷暗所に置き、一日に数回ほどかき混ぜ、1~2ケ月ほどかけて発酵させる。
染料としては濃いピンク色~紫を得ることができる。
ただし、染料としては不安定なため染色後も周りのpHの影響により色が変わりやすい。