まことに理不尽な仕打ちでございました。見に覚えなき辱めでございます。されども、あなたさまをお慕い申し上げしときより、既に定まりし成り行きででもございましたでしょう。
わたくしは、歯を食いしばりて忍びました。ただ、悲憤に堪えぬは、咎なき窯の人々にも、その殺戮の及びしことでございます。唯わたくしめひとりが為に成された、暴挙であった筈ではございませなんだのか。
父母兄弟の眼前で、わたくしは惨たらしい辱めを受け申した。夕餉の膳を蹴散らし、大太刀振りかざいて乱入せし雑兵どもは、意趣なく覚えとてなき父母に真一文字に打ってかかり、一刀のもとに切り捨てたのでございます。どうと転び伏す幼気な弟たちを足蹴にし、叫び喚く兄たちを縄目に捕え、目指すわたくしを温突の床に押し据えると、雑兵どもは鞘抜き草摺かき分けて、下帯弛める間ももどかしく被さってまいります。麻袴(パジ)引き裂かれしわたくしは、恥ずかしさと怖ろしさに、成す術なくただ震うばかり。叫ぶ間もなく、抗う力とてなしに、わたくしは、雑兵の股間のものにて刺し貫かれ、気を失うてしまいました。そのままでわたくしは、幾人ものむくつけき兵たちに嬲りものにされたのでございます。
わたくしの幼き肉襞は裂けて血を流し、高股はその血に塗れて、赤き円柱と化しました。未だ秘めやかなるままのわたくしのものは、無理強いに剥き上げられ、靭帯を切られてしまいました。
血の海の中で、それでもわたくしは生きていたのでございます。甦りくるおぞましき痛みに、わたくしはうつつに戻りました。わたくしの體を思うさま飽食し尽くした雑兵どもが、家中を我が物顔に物色しおります。その陣頭に立つようにして、恐ろしい眼でわたくしを見つめおられた秀臣さまの姿を目に致せしとき、わたくしには一切が分かり申した。されど、悔しき涙がわたくしの瞼を潤ませ、秀臣さまのお顔付はよう見えませぬ。ただ、秀臣さまは笑うておいででした。身の毛のよだつ、賢しらな笑みを湛えし壮絶な美しさで、そこに立ち尽くしておいででした。
そして、思いもよらず、あなたさまが突然とびこんで来られたのでございます。既に秀臣さまの一隊は、掠奪の限りを尽くして引揚げられしあとでした。
あまりの惨たらしさに、あなたさまはしばし呆然と立ち尽くしておいででしたが、何やら叫ばれて、わたくしの恥ずかしい裸身を掻き抱いてくだされました。さらにあなたさまは、兄弟の目にこの禍々しき姿を晒せぬという、縋るようなわたくしの心をお察しくださいましたのか、労しげな眼差しでわたくしを瞥見なさると、軽々とこの身を抱えて、あの懐かしき破屋へお運びくだされたのでした。
そこに待ち受けおりし凋みゆくうつつを、傷つき困憊せしわたくしながら、薄々と覚えていたのでございます。
わたくしは、歯を食いしばりて忍びました。ただ、悲憤に堪えぬは、咎なき窯の人々にも、その殺戮の及びしことでございます。唯わたくしめひとりが為に成された、暴挙であった筈ではございませなんだのか。
父母兄弟の眼前で、わたくしは惨たらしい辱めを受け申した。夕餉の膳を蹴散らし、大太刀振りかざいて乱入せし雑兵どもは、意趣なく覚えとてなき父母に真一文字に打ってかかり、一刀のもとに切り捨てたのでございます。どうと転び伏す幼気な弟たちを足蹴にし、叫び喚く兄たちを縄目に捕え、目指すわたくしを温突の床に押し据えると、雑兵どもは鞘抜き草摺かき分けて、下帯弛める間ももどかしく被さってまいります。麻袴(パジ)引き裂かれしわたくしは、恥ずかしさと怖ろしさに、成す術なくただ震うばかり。叫ぶ間もなく、抗う力とてなしに、わたくしは、雑兵の股間のものにて刺し貫かれ、気を失うてしまいました。そのままでわたくしは、幾人ものむくつけき兵たちに嬲りものにされたのでございます。
わたくしの幼き肉襞は裂けて血を流し、高股はその血に塗れて、赤き円柱と化しました。未だ秘めやかなるままのわたくしのものは、無理強いに剥き上げられ、靭帯を切られてしまいました。
血の海の中で、それでもわたくしは生きていたのでございます。甦りくるおぞましき痛みに、わたくしはうつつに戻りました。わたくしの體を思うさま飽食し尽くした雑兵どもが、家中を我が物顔に物色しおります。その陣頭に立つようにして、恐ろしい眼でわたくしを見つめおられた秀臣さまの姿を目に致せしとき、わたくしには一切が分かり申した。されど、悔しき涙がわたくしの瞼を潤ませ、秀臣さまのお顔付はよう見えませぬ。ただ、秀臣さまは笑うておいででした。身の毛のよだつ、賢しらな笑みを湛えし壮絶な美しさで、そこに立ち尽くしておいででした。
そして、思いもよらず、あなたさまが突然とびこんで来られたのでございます。既に秀臣さまの一隊は、掠奪の限りを尽くして引揚げられしあとでした。
あまりの惨たらしさに、あなたさまはしばし呆然と立ち尽くしておいででしたが、何やら叫ばれて、わたくしの恥ずかしい裸身を掻き抱いてくだされました。さらにあなたさまは、兄弟の目にこの禍々しき姿を晒せぬという、縋るようなわたくしの心をお察しくださいましたのか、労しげな眼差しでわたくしを瞥見なさると、軽々とこの身を抱えて、あの懐かしき破屋へお運びくだされたのでした。
そこに待ち受けおりし凋みゆくうつつを、傷つき困憊せしわたくしながら、薄々と覚えていたのでございます。