東山の安井神社裏の「梵」という旅館に彼等は這入った。新建材であちこち継ぎ接ぎした安普請の「連れ込み」だったが、物慣れた帳場の無関心が気に入っていたし、実の処、未だ高校3年生である勉を、怪訝そうに見ることもなかった。
 学生は、勉の期待に相応して素晴らしい肉体をしていた。震えている體を、やさしさを込めてゆっくりと離し、コートを脱がせてやった。跪いてホワイトジーンの脹らみに鼻先を近づける。既に張りきったものが雄々しく息づいている。徐にホックを外し、ジッパーを引き下ろすと、真白い下着に包まれた大きな盛り上がりがとび出した。清潔そうな下着だったが、ほんのりと体温で温められた精液の匂いがした。生臭く、それでいて一種の懐かしさをもった匂いは、その学生が顔を歪めて自慰に耽っている図を想像させた。むらむらと激しい衝動が勉の下腹から突き上げてきた。(その類の読み物ではないので、この先は省略します)
 恐らくは、高校3年生の自分より年上でありながら、はるかに綺麗な、すべすべした肌理の細かい肌をしている学生に勉は驚いていた。『案外遊んでいないのかな』と新鮮な獲物を得た幸運に嬉々としながら、吸い付くような手触りの学生の両腿を押し開いた。
「ダメ、それはダメだよ」
と学生は喘ぎ喘ぎ拒んだ。しかし勉には、もう止めることは出来なかった。
「ちょっと、ちょっとだけ辛抱して、なっ!」
云うが早いか、たっぷりと唾液をなすりつけた勉の堅い槍先が、学生を貫いていた。今迄の低音の話口調からは想像も出来ないような金属的な叫びが、学生の口から迸った。しかし、学生が體を堅くしたのは、ほんの一瞬だけだった。全身を弛緩させて、勉の半ば無茶苦茶な前後運動に身を任せ始めた。やはり、相当経験のある証拠だった。しかし勉はもう、どっちでもよかった。既に戻ることの出来ない快楽の渦の中で酔い痴れていたのだ。
 女のように線の細い、少年のように幼い美しい顔貌が、激しい苦痛にひたすら耐えるかのように、大きく歪んでいる。勉には先程からの学生の振舞から、それが作意された表情であることが分かっていても、やはり、例えようもなく美しいものに見えた。激しい昂まりに耐え切れず、大きく咆哮して果てた勉は、学生のモノが未だそのままの堅さで突き立っているのを見て、
「やったるわ」
と手を動かそうとした。
「ううん、いいんだ、時間が無いから」
学生は、今夜の夜行列車で郷里へ帰るのだと云った。「ううん、」と首を横に振って勉を見上げたその学生を、勉は何かしら、自分の方が年下でありながら、弟のように可愛いなと思った。
 東山安井で市バスに乗り込んだ学生を見送ってふと時計を見ると、未だ10時をまわったばかりだった。母親が心配してるだろうと、少しばかり逡巡しはしたが、勉の足はまた四条の繁華街の方向へ向かっていた。この夜は勉にとって、大学受験をはっきりとあきらめたばかりの、初めての土曜日だったのだ。

表題を変えました。凛太郎の九州行写真、ひどい顔がありました。
$凛冽の汗