勉は、少しばかり躊躇してしまった。部屋へ通されると、その年下の学生は、何かしら必死の想いを込めてでもいるかのように勉にしがみついて、小刻みに震え続けているからだった。
 木屋町の「フロインド」というスナックで、その学生と知り合った。スナックなんかで遭う奴は、ろくなのがいないなと最近若干食傷気味だった勉は、カウンターの奥まった端っこで、むっつりとおし黙ってチンザノコークを舐めるように飲んでいる、その学生に気が付いた。近寄って、覗き込むように話し掛けると、学生は一瞬ぎくっと體を堅くして眼を上げた。何に怯えているんだろうと不思議に思いながら、それでもなんやかやと話し掛けるうちに、学生はようやく打ち解け始めた。かなり際どい会話も飛び出した。『なんだこいつ、案外遊んでいるんだな。大人しそうに初心を装ってたわけか。また騙された』と勉は、内心舌打ちしながらも、秀麗な顔貌をして、體もきりっと引き締まっていそうなその学生に執着した。
 小一時間ほど喋ると、驚いたことに、学生の方が
「出ませんか?」
と勉を誘った。真新しい獲物への自分の期待が、そうやって一つ一つぶち壊されていくのを不快に思いながらも、勉は、その『美味しそう』な體をした学生を、西木屋町を流しているタクシーの座席へ押し込んだのだった。

 表題はまだ決まってません。変更するかも知れません。こんな感じで津々と話が進んでいきます。凛太郎の九州行写真、まだあります。見てやってください。
$凛冽の汗