何とも淫靡な音が漏れてくる。未だ授業中の西大路小学校の生徒用トイレの中で、二人は絡み合っているのだ。あたしと佐智は、大便所の薄い板張りの節穴から覗いていた。
「何をしとんじゃ男同士で小学生が! こんな早うからそないなこと覚えてどないする。木村に山岡やな。次は何や? あん? 国語? 豆タンクの授業やないか、早よ行かんとどつかれるぞ…」
そこへ入りしなに、釜本先生が口汚く、内に居た二人の男子生徒を罵っていた。が、その声には、男にだけの慈愛が溢れていたとあたしは思った。新旧交代という具合に内へ入り込んで、またしても花柄のフリルつきパンティーを下ろした静馬青年の尻を、釜本先生のどうしても勃起しないものが、強引に汚している。凄惨な光景…と云えるかどうか。あたしはもっと凄いのを想像していたので、もうダレきっちゃって、いやんなっちゃって、汚い筈のトイレのコンクリートの三和土にへたり込んじゃった。が、佐智は必死だ。
「あっ、ばか、やだ、お兄ちゃんに触るな。この助平じじい。よせ、汚らしい。お、お兄ちゃん、何で、そんな奴と……」
見ると双眸は涙に光っている。あたしは憐憫を催した。中腰になると、背の高い佐智の股間辺りだ。そこへ頬を寄せると、いっちょ前に大きくなっている。ジッパーをずり下ろしてやる。佐智は抗わない。引きずりだすと、ぐっしょり汗に濡れている。小便臭いが、我慢はできる。おかしなものばかり見て、ひどく疲れていたが、それだけに、性的な昂揚は素早い。十年ぶりぐらいに、あたしも濡れている。がぶりっと、佐智自身を頬張った。
「やだ、やだ!」
佐智は身を震わせて、激しくあたしの頭を叩く。
「いいの、いいの、おとなしくして! あたしだって、どうすれば白いのがバーって出るかぐらい知ってるのよ、可愛い佐智ちゃん。いいから、お姉さまに任せて、ねっ」
口を放してそれだけ云うと、ぷりっと締まった佐智のお尻を抱いて、再び頬張ったものをしゃぶり上げた。佐智はさらに身を震わせる。あたしの髪の毛を掴む。
「バカ、五万円のヘレンカーチスよ」
構わずに佐智は身悶える。腰の鈴がいやに高い音をたてる。
「やだ、お兄ちゃん、やだ、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」
レコードが同溝回転するように、「お兄ちゃん」を繰り返す悲痛な佐智の叫びに混じって、世にも聞いたことがないような、奇妙な悲鳴が板戸の内から響いた。
「なんだ、先生、もういっちゃったの…」
静馬の声がした。釜本先生が逐情したようだ。

前回、回数を間違えてました。すみません。凛太郎九州行写真、第九弾です。凛太郎の生まれ故郷らしいです。大牟田です。
$凛冽の汗