カーテンの隙間から漏れる朝の陽光の中で、沖田は、攻め登ってくる快感に全身を打ち震わせていた。雄々しく脈打つ硬い昂まりは、うねるような熱い洞穴の中で蠕動している。一方の手で弘三の幼い強張りを放出へと導きながら、突き上げてくる快楽に腰を前後する。仰向けになって、長い両脚を沖田の肩に預け、背後を埋められている弘三もまた、深い愉悦に酔っているようだ。弘三の幼い尖塔は、これ以上昂まりようがないほどに硬く漲っている。しかし、その吐息は苦しげだ。巨きな沖田のものを、その体内深く受け止めているのだ。息の乱れは時折、絶えてしまいそうにか細くなる。その苦悶の下で弘三は、
「先生!」
と沖田を呼ぶ。沖田の混乱した思惟の中に、一筋の光明が差し込む。未だ自分を切なげに「先生」と呼ぶ、この少年は一体何なのだ。狂ってしまった生徒たちの中にあって、弘三だけは変わらない。いや、むしろ、沖田の情愛を試そうとするかの如く沖田にまとわりついて、沖田の躰にその長い脚を絡めようとする。昨日の光景が沖田の眼に灼きついている。自分もまた狂ってしまわねばどうしようもない状況なのだ。その狂疾の中で、弘三の洩らした「先生!」という吐息は、沖田を荒廃から救った。
「ああっ、弘三!」
沖田は、激しい運動を停止して、弘三の上に倒れ伏した。その唇から喉元にかけて、温かい弘三の樹液が迸った。徐々に退いていく潮のような放埒の中で、沖田はいつまでも、そうして弘三を抱いていたいと思った。
 対策本部で、緊急会議が行われた。事件のきっかけの張本人である沖田は、事情の説明を求められた。多少の非難はあったが、責任を問われることはなかった。当然なことであった。生徒たちは狂っているのだ。
 その原因をつかみ得ぬまま、対策本部は焦慮していた。陶風中学に対して、生徒は全員自宅待機、教員の配転が決議され、沖田は深更近くにアパートへ辿り着いた。意外にもベッドに弘三が眠っていた。沖田は胸を熱くした。その時の沖田にとって、弘三の清々しい存在は何よりも救いであった。夜明け近くまで、安らかな寝顔を見つめていた。そこでそうして眠ってさえ居れば、いつでも沖田が優しく守ってくれると言わんばかりの、沖田に全幅の信頼を寄せた、屈託のない寝顔であった。沖田が素っ裸になって弘三の横にもぐり込んだ時、既にしらじらと夜が明けていた。