朝からおかしな天気です。カッと照りつけたかと思うと、沛然とした豪雨、そしてまた陽光麗らか。いずれにしろ、面倒なので凛ちゃんはずっと、屋根のある前庭にいます。さて、明日から東京です。朝早く車で出かけます。凛ちゃんも一緒です。どうなりますことか……。
春、新たな旅立ちがあり、別れがある。思えば物心ついてから、そんな旅立ちと別れを何度くり返してきただろう。三十五回、四十回、いや、もっと多くの喜びを、悲しみを経てきたのかもしれない。それなのに鈍感な心は、君の痛みを分からない。十二歳の、十五歳のふるえる魂に応えるすべもない、不甲斐ない先生だ。
七十三歳で逝去した、西行法師に尋ねてみたら、やさしい口調で教えてくれた。
願わくは 花のしたにて 春死なん
そのきさらぎの 望月のころ
そして、機嫌のいい日、弟子にこんなふうに詠んで与えたそうだ。
仏には 桜の花を たてまつれ
わが後の世を 人とぶらはば
爛漫の春、桜吹雪の散る道を、顔上げて、眉凛として、君よ行け。
来月五日は、母の祥月命日ですので、それまでにちゃんと帰る予定です。もう六年になるのですね。母の逝く前、尼崎で大勢の人が亡くなられました。そして今度は、その数百倍の尊い命が亡くなりました。少しでもその近くへ哀悼の旅に出ます。
