凛太郎がテレビを見ています。キョトンと首を傾げてじっと見ています。何となく心配そうな顔をしています。私も、もう三日ほどテレビの前で祈っています。少しでも多くの人が救助されてほしいと。塾でも、緊急募金を始めたそうです。


凛冽の汗
進学歳時記 シリーズ 11 ひとりと思わないで いつでも


そんなに自分を責めないで 過去はいつでも鮮やかなもの

死にたいくらい辛くても 都会の闇に消えそうな時でも


激しくうねる海のように やがて君は乗り越えてゆくはず


その手で望みを捨てないで すべてのことが終わるまで

君住む街まで飛んでゆくよ ひとりと思わないで いつでも


君の弱さを恥じないで 皆んな何度もつまづいている

今の君もあの頃に 負けないくらい僕は好きだから


歌い続ける繰り返し 君がまたその顔を上げるまで


あの日の勇気を忘れないで すべてのことが終わるまで

君住む街まで飛んでゆくよ ひとりと思わないで いつでも


雲の切れ間につき抜ける青い空 皆んな待ってるまた走り始めるまで


その手で心を閉じないで その生命が尽きるまで


かすかな望みがまだその手に あたたかく残っているなら


あの日の勇気を忘れないで すべてのことが終わるまで

君住む街まで飛んでゆくよ ひとりと思わないで いつでも


                           オフコース「君住む街へ」


 いま、それぞれ違った意味の涙をにじませている君へ、この歌をおくろう。やっぱり何度もつまづいてきた先生が、君のその手を握りしめて、やっぱり涙をにじませて、この歌をおくろう。そして、さあ、新しい旅の一歩を踏みだそう。これからはずっと一緒に行こう。


 今度の震災で、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。近しい人を亡くされた方々を、どう慰めてあげたらいいのか……。オフコースのこの歌にも、適切ではない歌詞があります。しかし、私の思いは最後の一行にあります。そこのところを汲みとってください。どうか勇気を出してください。シゲも凛太郎も同じ思いです。報道は段々、おかしな方へ流れていくようです。私たちが知りたいのは、皆さんのいのちです。皆さんの生活とこれからの復興への明るい笑顔です。原発よりも、その範囲で必死で生きていらっしゃる皆さんの力強い姿をこそ知りたいと思うのです。五月、私たちは東京へ行きます。少しでも皆さんの近くへ行きます。