ちょっとお休みしていました。何かと忙しくて更新できませんでした。すみません。えっ、凛太郎ですか。凛ちゃんは元気ですよ。元気すぎて、やんちゃすぎて、落ち着きがなくて困っています。最近は、私と喧嘩もしなくなりました。とにかく、脳天気に毎日元気いっぱいです。
「夏休みはありませんでした。当然、冬休みもないと思います。」
彼はそう言いました。暗い表情ではありません。白い歯を見せて笑いながら言うのです。
「頑張るのが普通のことであってほしいな、なんて確か吉野家のコピーにありましたよね。」
洗いざらしたジーンズにチェックのダンガリーシャツ。手に参考書を持ったまま、彼は話します。
「きっと、あっという間にまた毎朝、起きて、ご飯を食べて、高校へ通っていると思うんです。」
右手のシャープペンシルをくるくる回しながら、また白い歯がこぼれます。
「一瞬ですよね。そのために何年も頑張ってきたんですよね。」
ちょっと真剣な顔になって、けれどすぐにまた肩の力を抜くように、早口で言います。
「でも、それって、ぼく一人だけじゃないんですよね。みんながそうなんですから。」
項から首筋にかけての幼い美しさが、決して痛々しくは見えないのです。楽しそうに彼は言うのです。
「合格の瞬間をね、いつもイメージするんです。発表のボードを見て涙なんか流しているところをね、繰り返し繰り返し眼の裏に描いてみるんです。」
ぐいっと伸びをするようにして、彼は立ち上がります。講師室の窓に寄って行って、声を上げます。
「あっ、先生、雪。」
私は何故かしら、鼻の奥がほんの少しむず痒くなって、椅子から離れて彼の後に立ちます。気忙しく人が行き交う街角に、白いものが舞い始めていました。私よりも背の高い彼の肩ごしに、硝子窓に映った彼の涙が見えました。
そう言えば、つい先刻、雪が乱舞していました。凛太郎はまた、口をパクパク開けてはしゃいでいました。えっ、もう三月なのに。寒いお雛様ですね。京都では間もなく公立高校の入試が始まります。フレーフレー受験生!
