今日はみんなのお休みの日。凛太郎はひとりで良く遊び、よく寝ました。ご飯もしっかり食べて、ひとつのトラブルもありませんでした。凛ちゃん、ちょっと大人になったのかなと安心しました。その調子でね。
「もし僕が母だったら、そこまでして合格して欲しくないと思う。先輩は受験前なのに、学級委員をしてとても偉いと思った。僕は小学校のときから、学級委員や生徒会にも立候補したことがない。だから、今までは、自分のことしか考えず、みんなのことはあまり考えていなかった。二年になったら、学級委員になってみようと思う。」(長岡校 田中◯之)
「自分一人だけで勉強して受験に成功しても、一人だったら何の意味もなくなってしまうと思う。みんなで合格できたらみんなで喜べる。それがいちばんいいけど、だめだったら励ましてあげられるし、励ましてもらえる。僕は一人は嫌だから、みんなで助け合いたい。」(長岡校 斉藤信◯)
「自分さえ良ければいいという考え方をしているうちは、絶対、自分をも伸ばしてはいけないでしょう。他人を踏み台にして登っていくのは不可能なのです。人のために生きて、自分をつくっていくのです。もし、他人を踏み台にして頂上にたどり着いたとしても、それは自分がそう思い込んでいるだけで、人間としての基礎の弱い、安定のない状態なのです。」(長岡校 神田〇○子)
「勉強というものは、単に参考書を読んで覚えたりするのではないと思う。人のため、社会のため、世間を見渡し世間のことを勉強する。そうでないと、勉強の良い結果は得られないと思う。分からないところは教え合い、そして理解し合う、そういう人間関係ができればできるほど、勉強の内容が濃くなり、そして友だちづきあいも濃くなると思う。そういう環境にしていかないと、志望校への道は開けないと思う。」(長岡校 国塩 〇)
「この世は勉強のためだけにあるのではないし、勉強で始まり勉強で終わる人生なんて、何の意味もないと思いました。死んでしまえば何も残りません。だったら、自分と他人と、どちらも幸せにやっていけたらいいと思いました。」(長岡校 木野◯◯)
「自分一人の力では、志望校に受からない。他人の力も借りなければ通らないと思う。」(長岡校 大高◯史)
「子ども本来のやさしさが通らない社会こそ病んでいるのだ」という林竹二氏のことばが、また脳裏をよぎる。進学塾への偏見が多い中、こんなにも健康な思考を持った生徒らと向き合っていられる自分を幸せだと思う。こんなにもやさしい子どもたちと共に在ることのできるこの場所を、心をこめて守っていきたい。そう言えば、清水君は心に沁みるようなやさしい少年である。子犬のような真っ黒な瞳に出会うたび、こちらの心まで洗われるような気がする。やんちゃだった一年生の頃からすると、受験を控えた今はあまり元気がない。こんなふうに、さまざまな悩みや疑問を抱えながら、試練に立ち向かおうとしている。先生たちにできることは、こうして後輩の書いたものを返すことで、君の考えの正しさを認めていくこと。人として生きていく正しい道は、君の方が歪みなく心得ていることを認めること。その上で、共に学問に励んでいく。君たちも、先生たちも、互いに全人的に認め合って、日々の学習に取り組んでいく。まず先生から、清水君も田中君も山本さんも、みんな自分と同じ人間であることから始めなければならないと思う。
さあ、堂々と胸張って進んで行こう。君は少しも間違ってなんかいない。お母さんが間違っているのでもない。大きな船ほど、疾走する船ほど、高く大きい波を立てるって話したよね。ジレンマにためらうのは、自分が懸命にやってる証拠だって言ったよね。健康な君の考えの通り、必ず手を貸してくれる人がいる。支えてくれる仲間がいる。春三月、そんな大切な仲間たちと、笑って同窓会ができるよう、主人公の君が君の人生を力強く歩いて行こう。
凛太郎も、さあ行きなさい。堂々と黒柴の大道を進んでいきなさい。おまえの方が、私なんかより正しくて立派です。年老いた私なんかより、凛ちゃんの方が文字通り凛として美しいのですから。ほら、そんな所で寝てないで、さあ、行くのです。んー? うーうー唸ってないで……あー、ああーオシッコしたあ!
