ダムの奏でる

ダムの奏でる

のんびりと、ダムや堰堤をめぐっている記録です

黒又ダム

 重力式コンクリートダム

 信濃川水系黒又川 新潟県魚沼市

 訪問日 2026/6/19

 

 黒又川第一ダムから下流へ4km、10分足らずで到着するのが黒又ダム。実は黒又川第一ダムへ向かうときに脇を通っていたのですけれど。

 黒又ダムは、堤高24.5m、堤頂長228.4m、1926年(大正15年)竣工の、発電を目的としたダムです。管理は東北電力(株)。発電は上条発電所(運転開始1927年(昭和2年)、最大出力6,000kW)にて行っています。土木学会の日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選に選定されています。

 この日のダムめぐり、予習は一夜漬け。黒又ダムは堤体の形が良く分からないダム滝汗という程度の情報で見学開始。左岸、排砂ゲートの横から堤体を眺めます。越流型の堤体、右岸上流には石垣が見えるけれど何だろう。取水口の辺りは石積みで古さを物語っています。沈砂池もいい味出してます。


 下流面が見えるだろう橋へ移動。樹々の葉に隠れる所はありますが、しっかりと玉石を貼った下流面を見る事が出来ました。
 そこから右岸側へ移動。あれ?右岸側には大きな横越流式の洪水吐?いや待てよ、敷高は同じだぞ。という事はここも本堤ではないか。上流へ歩いて行くと土手になっているのですが、非越流部の天端なのですね。端には石碑に見えたコンクリート塊がありました。堤体が折れている、角のあるダムではないですか! 分かり難いかと思いますので、図を書いてみました。それでも分かり難いかも滝汗

 築造100年、石張りの堤体、ユニークな形状。これは一見の価値あり。テンションが上がりまくるダムでした。またいつか、越流しているときに見に来たいものです。

 

下流に架かる橋から眺める  堤頂長228.4mには見えない…

 

石張りをズームアップ

 

右岸から下流面を眺める…  ん?

 

あれ?右岸(向かって左)にも越流部  *スマホの広角で撮影

 

右岸側を眺める

 

右岸越流部を上流側から眺める

 

天端右岸の端  土手に見えたのは非越流部でした  このコンクリートは築造時の名残?

 

非越流部天端からダム湖を眺める

 

左岸、沈砂池越しに下流面(左岸側)を眺める

 

左岸から眺める上流面、土砂吐、取水口

 

左岸からダム湖を眺める  右岸の様子は分かり難い

 

右岸上流側に見えた石垣  堤体の非越流部だった

 

取水口(左)と土砂吐(右)

 

沈砂池への流入口

 

沈砂池

 

左岸にある魚道  近付けない…

 

水利使用標識

 

概略図描いてみました  堤頂長228.4mはこんな風に折れ曲がっていたのです  橋から見えたのは一部分でした

 

上條発電所

 

水圧鉄管  手前を走るはJR只見線
 

黒又川第一ダム

 重力式コンクリートダム

 信濃川水系黒又川 新潟県魚沼市

 訪問日 2026/6/19

 

 三国川頭首工から北方へ約56km、一時間程で到着するのが黒又川第一ダム。実際には、この日訪問するダムの発電所に立ち寄りながらだったのでもう少しかかりましたけれど。

 黒又川第一ダムは、堤高91m、堤頂長276m、1958年(昭和33年)竣工の、発電を目的としたダムです。管理はJ-POWER(電源開発(株))。発電は、黒又川第一発電所で行っています。
 上流9kmに黒又川第二ダム(アーチ式、堤高82.5m、堤頂長235.2m)がありますが全面通行止めとなっており行くことは出来ません。

 ダムへ到着する1.3km程手前の道から、下流面正面を眺める事が出来ます。その姿は、ザ・直線重力式というか質実剛健を表しているように思えます。クレストにラジアルゲート2門、オリフィス(コンジットかも)は、ダムカートの記載ではリングシールゲートとなっています。右岸にプラント跡も見えます。
 ダムサイト右岸のスペースに車を停め散策します。天端きは気持ちよいほどの一直線。苔が生えた堤体のコンクリートも味わい深い。ゲート脇から下流面を見下ろすと、減勢工はスキージャンプ式の様。
 左岸には取水設備。巡視艇はクレーンで吊り下げられていました。道路には、この先全面通行止めの看板とチェーン。黒又川第二ダム、行ってみたいなぁ…

 右岸までゆっくり歩いて戻り、散策修了。山の中に凛と立つ直線重力式ダムを楽しみました。ダムカードは、道の駅『いりひろせ』にて。

 

下流面正面  距離800m

 

クレストゲートをズームアップ

 

斜めからの姿も凛々しい
 
右岸脇からの下流面
 
右岸からの天端
 
右岸脇からの上流面
 
クレストゲート脇、導流壁を見下ろす
 
減勢工はスキージャンプ式
 
下流を眺める
 
クレストゲート脇から下流面を見下ろす
 
ダム湖を眺める
 
左岸脇からの下流面
 
左岸からの天端
 
左岸脇からの上流面
 
取水設備
 
取水設備の裏側  巡視艇が吊られている
 
ダム銘板
 
水利使用標識
 
注意看板  ダム直下に中岩橋という橋がある様だが、見当たらなかった  橋から見上げられるかもと思ったのだけれど
 
黒又川第二ダムへ続く道
 
黒又川第一発電所  最大許可出力61,500kW、水車型式は立軸フランシス水車
 
水圧鉄管  これは萌える

三国川頭首工

 可動堰

 信濃川水系三国川 新潟県南魚沼市

 訪問日 2026/6/19

 

 五十沢発電所から下流へ250m、三国川ダムからは下流へ約2.6kmの位置にあるのが、五城土地改良区が管理している三国川(さぐりがわ)頭首工です。堤体にある銘板によれば、昭和42年(1967年)12月竣功。

 五十沢発電所に続いて見学開始。洪水吐ゲート4門が見えるスリムな堤体。ゲート巻上機室は三角屋根になっています。雪国ならではです。管理橋には、きけん!ちかづくなの文字。立入禁止という事ですな。左岸に魚道、土砂吐ゲート、取水口が見えます。かなり堆砂している様子。洪水吐ゲートを上げたらどうなるのでしょうか。
 一通り見て、左岸へ移動。左岸には、管理所、石碑、除塵設備、沈砂池がありました。水利使用許可標識を見ると、かんがい用水、発電用水、水道用水とあります。多目的だなぁ。発電所は五条発電所(水路式の発電所で平成12年運転を開始)になりますが、今回は未訪。

 とても重要な頭首工であることは、石碑の下部に記された沿革でも分かります。以下に、全文を書き写します。

 沿  革
 全戸有数な豪雪地帯の故をもって、後進性を余儀なくされている
五城地区農民にとって、潮の如く打ち寄せる農業近代化に対応ので
きる基盤の整備は、永年の悲願であった。
 本事業は。この悲願達成の為、池区民総意の許に、国に訴願陳情
した甲斐あってこれを採択され、昭和三十六年開拓パイロット事業
の制度化と共に同事業の調査指定地域となり、北陸農政局魚野川東
部開拓建設事業所の設置を見、同四十年度に大和工区に着手、六日
町工区は同四十一年度から着工した。
 六日町工区は、当初全地区の水田化を計画したのであるが、昭和
四十五年からの米の生産調査による開田抑制により、計画変更を行
い、既成田以外は畑造成に切替えて工事を施行した。
 その間、昭和四十四年八月、古今未曽有の集中豪雨による大災害、
同五十年の青田刈り問題等、幾多の難関を克服し、地区開闢
以来の
革命とも言える世紀の大事業を、魚野川建設事業所、土地改良区、
組合員一体となって遂行したものである。
 この事業の完成により、農業経営規模の拡大及び農村工業との調
和による近代的農業地帯として発展することを期待して已まない・

事業概要
一、事業名  国営魚野川東部開拓建設事業 六日町工区
二、受益地区 六日町五十沢地区 同城内地区
三、受益戸数 一、四三八戸
四、事業面積         工事前          工事後
       田      八八八・一ヘクタール   九七〇・六ヘクタール
       畑      二〇一・四ヘクタール   一五〇・七ヘクタール
       原野その他  一八九・二ヘクタール     六・六ヘクタール
       導水路     六四・二ヘクタール   二一五・〇ヘクタール
       合計   一、三四二・九ヘクタール 一、三四二・九ヘクタール
五、主要施設 頭首工 三箇所
       三國川頭首工、五十沢川頭首工、宇田沢川頭首工
       幹線用水路  一一路線 三二・五粁
       幹線排水路  一七路線 二〇・七粁
       幹線道路(舗装)    二二・〇粁
六、標準区画 三十アール(三十米×百米)
七、事業費  六十五億円
八、工事期間 着工 昭和四十一年度  完工 昭和五十三年度
   昭和五十二年十月  建之
    記念碑建立委員長 五城土地改良区 理事長 関 美宗
 

 堤体にも銘板が付されているのですが、不可解なことが…
 左側の銘板、三國川が旧字体なのはいいとして、竣功の功の字が(土偏に力)になってます。この字は初めて見たかも。功の異字体のようです。
 右側の銘板、洪水吐門がローラーゲート2門になってる。AIさんに訊いたら、残りの2門は調節ゲートだとおっしゃる。単なる誤記だと思うのだけど… 真相は如何に…

 

右岸からの下流面

 

右岸脇からの下流面

 

管理橋  きけん!ちかづくな

 

右岸からの上流面

 

取水口、取入制水門3門

 

左岸からの下流面  一番手前のゲートが土砂吐

 

左岸下流側、魚道

 

左岸脇からの上流面

 

左岸からの上流面

 

取水口

 

沈砂池へ向かう導水路  除塵装置へ

 

除塵装置から沈砂池

 

沈砂池から用水路へ

 

除塵装置

 

水利使用許可標識  かんがい用水、発電用水、水道用水

 

銘板  左の銘板の 㘦 の字  右の銘板で洪水吐門2門になってる

 

石碑 春水満四田

 

沿革

 

管理所(右)