私はクロノトリガーが大好きです。
おそらくニューゲームで10周、強くてニューゲームも含めれば20周以上はしていると思います。
PS版で不評だったクロノクロスに繋がる破滅ムービーも「まあ許せる」レベルで受け入れられました。
でも――
竜の聖域、あれはいけない。
あのコンテンツだけは、名作に泥を塗った真の“害悪”。
ファンとしてあえて言います。制作陣は歴史に泥を塗った罪を自覚してほしい。
ここでは「竜の聖域」がいかにクロノトリガーにとって害悪であるか、その理由を3つに分けて語ります。
① ゲームコンセプト破壊の罪
クロノトリガーって、とにかくストーリー展開のテンポがよくて無駄がないんです。
長すぎるダンジョンもほとんどないため、中弛みすることなくスピーディーに進めるのが魅力でした。
言うなれば「密度が濃い」。
でも、竜の聖域は真逆。
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お使いに次ぐお使い
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同じダンジョンを何度も往復
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内容にほとんど変化がない繰り返し
とにかく「密度が薄い」。
プレイ時間を水増しさせるために作られた蛇足コンテンツです。
どこかのインタビューでシナリオライターの加藤さんが「クロノトリガーはお使いの連続のような作業ゲームにならないようにした」といった主旨の内容を語っていた記憶がありますが、リメイクスタッフはその想いを完全に踏みにじったとしか思えません。
② ゲームバランス崩壊の罪
初プレイ時、多くのプレイヤーは海底神殿でラヴォスに瞬殺されて絶望したはずです。
「こんなん勝てるのか…?」と。
しかしその後シルバードで各時代を飛び回り「この星のあらゆる時代の人々、あらゆる生命の力をかりて」ふたたび相見えるラヴォス外殻戦。
ジール戦の後で満身創痍になりながらもやっとの思いでラヴォス外殻を倒せて、感動した人も多いはず。
「星の力を合わせることで、あの強大な敵に勝つことができたんだ!」と。
そしてその後に控えるラヴォスコア戦では「天泣」「巨岩」「夢無」で瀕死のダメージを負いながら、「やるか、やられるか」という緊張感のある最終決戦となるのです。
クロノトリガーはこのあたりのゲームバランスが非常に秀逸でした。
でも、竜の聖域をプレイしてからだと話が違います。
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冗長なイベントをこなすうちにレベルが上がりまくる
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強力なアイテムを入手できる
その結果、最終決戦がヌルゲーと化します。
あの絶妙なゲームバランスだからこそ得られた達成感が、すべて台無しです。
最終決戦がヌルゲーだなんて、もはやクソゲーです。
③ サブイベをサブイベと誤認させる罪
クロノトリガーにおいて、シルバードを手に入れてからのサブイベって、実質メインストーリーじゃないですか。
メインキャラ達の背景が深掘りされ、魅力が倍増し、ゲームの世界にもっと入り込める。
クロノトリガーの魅力の多くがサブイベに詰まっているといっても過言ではないと思います。
なのに、竜の聖域が悲劇を起こします。
これは私が何人かのゲーム実況者を見ていて実際にあったことなのですが、Steam版で初めてクロノトリガーに触れたプレイヤーだと、竜の聖域が追加コンテンツだとは知らないわけじゃないですか。
で、竜の聖域ってサブイベの中ではもっとも開始方法がわかりやすいので、かなり早い段階であのゲートに飛び込む人が結構いるんです。
そして2~3時間プレイした後…
「サブイベは長くなりそうなので、次回はメインストーリーを進めます!」
…もう最悪です。
竜の聖域があるせいで「な~んだ。サブイベって特にたいしたストーリーもなくてこんな感じなんだ~」と悪い印象を与え、その結果他のサブイベをすっ飛ばしてしまうプレイヤーが出てしまっているのです。
これぞまさしく原作ブレイカーでしょう。
まとめ:頼むから、余計なことはしないで
追加要素というのは、原作のゲームに対してプラスの存在であるべきです。
もしくは最低でもプラマイゼロ。
でも、竜の聖域はプラマイゼロどころかマイナスの存在。
クロノトリガーというゲームのテンポ感・バランス・感動要素をすべてぶち壊し、
新規プレイヤーには「つまらないゲーム」という誤解を与え、
長年のファンには深い悲しみを与える――
こんなもの、誰も得をしていないのではないでしょうか。
もうSteam版では竜の聖域が実装されてしまったから仕方ないですが、せめてもの願いとして言わせてください。
もし今後リメイクを作るつもりなら、竜の聖域を削除し、余計なことはしないでほしい。
「リメイクするからには追加要素を入れないと」なんて考えなくていいです!
今のスクエニには無理です!
…なんならもうリメイクしないでほしいですよ。
本当に、当時の子供たちの思い出を、営利目的のために汚すのはやめていただきたい。