FIREを目指している方は、シミュレータを使ってFIRE後の資産の取り崩しをシミュレーションしたことがあるのではないでしょうか?
シミュレータは数あれど、設定項目が無駄に多かったり、暴落などの市場変動を考慮していなかったりとあまり実用的ではないものも多いです。
そんな中、バンガード社のFIRE成功確率シミュレータが非常に実用的で使いやすかったのでご紹介します。
バンガード社のシミュレータが優れている点
バンガード社のシミュレータが他のシミュレータに比べて優れている点は3つです。
1.4項目のマウス操作だけで完結する利便性
2.予想利回りを自分で計算しなくてよい
3.市場変動を考慮したシミュレーション
順番に説明します。
1.4項目のマウス操作だけで完結する利便性
多くのシミュレータは「累計投資額」「取り崩し年数」など多くの項目をキーボードで入力させられますよね。
サイトによっては、家族構成やライフイベントなど「それ本当に必要?」と思うようなものまで入力させられ超面倒です(^ ^;)
しかしバンガード社のシミュレータは、わずか4つの項目について、画面上のメーターをマウスでドラッグするだけで設定が完了します。
シミュレータを使うときは、各数値を少しずついじりながら結果の変化を見ていくような使い方をすると思いますので、入力が簡潔にすませられるのは大きなメリットです。
2.予想利回りを自分で計算しなくてよい
多くのシミュレータでは、自身のアセットアロケーションをもとに運用利回りを自分で計算し入力する必要がありますが、バンガード社のシミュレータにはそれがありません。
やるべきことは、株・債券・現金の保有割合を設定することだけです。
株式と債券の平均利回りがわからないという方はもちろん、保有割合が複雑すぎて利回りの計算が大変だという方にとってもありがたい仕様ですね。
ただしここでいう株式・債券はそれぞれ米国株・米国債券を指していますので、日本株や国内債券をメインに運用されている場合は正しくシミュレーションできない点に注意が必要です。
3.市場変動を考慮したシミュレーション
多くのシミュレータでは、自分で設定した期待利回りが達成されることを前提として資産の持続年数が計算されています。
しかし実際の資産運用では暴落や暴騰などの市場変動がありますので、それらを考慮しないシミュレーション結果は信憑性に疑問があります。
それに対してバンガード社のシミュレータでは、1926年から現在に至るまでの市場変動のデータをもとに100000通りのパターンを検証するため、そのシミュレーション結果は非常に現実的であるといえます。
(出典:https://retirementplans.vanguard.com/VGApp/pe/pubeducation/calculators/RetirementNestEggCalc.jsf)
シミュレータの使い方
それでは実際の使い方を見ていきます。
まず、下のリンク先のサイトにアクセスしてください。
すると、こんな感じのページが出てきます。
英語だらけでビックリするかもしれませんが、ひとつずつ見ていけば難しくないので大丈夫です。
まずは「Your Retirement Plan」の項目を設定していきます。
3つのバーが並んでいますが、それぞれ次の意味を表しています。
上段:FIRE後に資産を取り崩す年数
中段:FIRE時の総資産
下段:FIRE後に毎年取り崩す資産額
バーの上の〇を左右にドラッグすると数値が設定できますので、自身のFIRE計画に基づいて設定してください。
金額が$表記となっており若干わかりづらいですが、1$=100円で計算してしまって大丈夫です。
続いて「How are your savings allocated?」の項目を設定します。
見慣れない英単語が3つ並んでいますが、それぞれ翻訳するとこうなります。
Stocks:株式
Bonds:債券
Cash:現金
さきほどと同じようにメーター上の〇をドラッグして、FIRE時のアセットアロケーションを決定しましょう。
以上ですべての設定が終わりましたので、下部の「Run Simulation」ボタンを押して結果を見てみましょう。
この結果を見ると、グラフの下の数値が30、横の数値が86%となっています。
これは「先ほど設定した条件でFIREした場合、30年後も資産が残っている確率は86%」ということを表しています。
ここでもし「40年後はどうなんだろう?」などと気になった場合は、下の30の赤丸をドラッグして40にもっていくことで、40年後に資産が残っている確率を見ることができます。
別の条件で検証したい場合は、条件を変えたあとに「Re-run Simulation」を押せばすぐに反映してくれます。
特に、株式と債券のバランスはFIRE成功率に大きく影響してくるので、いろいろ試してベストな資産配分を見つけましょう。