​​​​つい2ヶ月ほど前のことですが、私の一生分の思い出を保存していた3TBの外付けHDDが壊れました。その際にオランダのSeagateラボへ修理を依頼した際の体験談になります。

 

結果を先にお伝えしますと、見かけ上の復元率は6割でしたが、実質的な復元率は3割程度でした。

 

 

 

 

①故障の経緯

​​​​​データ整理の途中、​​わずか​​高さ30cmの​机から落とすという一瞬の出来事でした。​​

まずい!とは思いつつ「この高さなら壊れてはいないだろう」と電源を入れて確認してみると「シュウィーン…キキ、シュウィーン…キキ」という音が…。

​​
​これは確実にやばいやつだと判断し、すぐに電源を落としました。

 

 

②Seagateの修理を見つける

​青ざめながらネットでHDD復旧業者を探すも、3TBのHDDともなると相場は安くとも15万円以上。​
しかもHDD復旧業者の中には怪しい業者も多数存在しており「ウン十万払って結局直りませんでした。むしろ悪化しました」なんてパターンも。

そんな中、数ある業者の中に「オランダSeagateラボ」という名前があることに気付きます。
SeagateといえばHDDを作っている有名な会社ですので、修理の技術も信頼できるはず。
 

 

しかも特筆すべきはその料金で、HDDの容量にかかわらず事務手数料50ドル+技術料550ドル(約6万5千円)。
なおかつ修理失敗の場合は事務手数料のみということでした。

 

 

③修理に申し込む

もはやこれ以外に選択肢はないと思い、画面の案内に従いながら修理申込ページを埋めていきます。(英語わからんという方は電話申し込みも可能とのこと)

途中、復元したデータを「4TBHDDで受け取る(料金100ドル追加)」「クラウド経由で受け取る(200GB未満のデータの場合)」という選択がありましたが『大きなデータでもクラウド経由を選んでおけば無料のHDDに入れて返してもらえる』という裏情報があったため「クラウド経由」を選択。

HDDの送付先は「東京」を選択。

ひととおり申し込みを終えると、メールにて受付番号が書かれたPDFが送られてきたので、それを印刷してダンボールの中に入れ(念のため外にも貼り)ゆうパックにて発送しました。
また、追加のメールにて、修理の進捗状況がわかるサイトのURLが送られてきました。

 

 

 

④進捗状況の推移

作業の進捗状況は専用サイトから常時確認できるようになっており、下記4工程ごとにどれくらい進んでいるかが一目でわかるようになっていました。

 

 

①送付状況(当方⇒Seagate)

②修理状況

③成否

④返送状況(Seagate⇒当方)

 




実際の進捗は下記のとおりです。

2日後:輸送中。
5日後:オランダのラボに到着。
7日後:修理完了まであと15日程度という案内が表示される。
23日後:「修理に時間がかかっている。なるべく早く完了させる」という旨のメールがくる。
40日後:「修理が完了した。データが大きすぎてクラウドでは渡せないので無料のHDDに入れて返す」という旨のメールとともに、「料金の引き落とし報告書」「国際便の追跡サイトURL」「HDDのパスワード」が送られてくる。
45日後:自宅に到着。

 

 

⑤結果

返送されてきた箱の中には、私が送った壊れたHDDと、復元データが入っている無料の2TBHDDが入っていました。

さて、私が送ったHDDには1.8TBほどのデータが入っていたのですが、どれほど復元しているのか。恐る恐る接続してみると…

​1.1TB​​

・・・およそ6割ほどの復元率でした。

 

 

 

⑥本当の復元率は6割ではなかった

HDDのフォルダ構造は壊れる前のままですが、ルートフォルダに「~BadFiles~」という名のフォルダが作られており、その中に復元できなかったファイルの残骸が入っていました。

残骸の状態は様々で、写真や動画であれば一部だけバグっていたり、そもそも開くことさえできないものもありました。

これらの破損データが200GBありましたので、じつは完全に復元できたのは1.1TBではなく0.9TB。つまり5割ということになります。

なお、破損データには下記のような傾向が見られました。
・動画のように大きいデータは破損データになる確率が高い
​・広く浅く破損している(ほぼすべてのフォルダに少しずつ破損データがある)​

 

 

 

⑦実質的な復元率は5割ですらなかった

​上で書いたように「広く浅く破損している」というのが厄介で、ゲームやソフトウェアは少しでも足りないデータがあればエラーが出てしまうので、事実上復元できていないのと同義です。​

そのため、データサイズ的には5割の復元率ですが、実質的な復元率は3割程度かもしれません。

故障確認後すぐに停止したのでもっと希望があるかと思っていましたが、現実は厳しかったようです。

 

 

 

⑧まとめ

●大容量HDDの修理はSeagateラボが一番安い。
●申し込みの際は「クラウド受取」を選択したほうがお得。
●修理日数はトータルで45日ほどかかった。
●データの復元率は実質3割ほどであった。
●ゲームやソフトウェアの復旧は諦めた方がいいかも。

 

これはあくまで私のケースであり、必ずこのような修理結果になるというものではありません。
しかし私のようにならないためにも、​本当に大事なデータはバックアップを確実にとる​ことをオススメします。​