最後のアイス屋さん生活<「私、留学します」宣言の日>

「アイスの日」という日があることをご存知でしょうか？
5月9日は、日本で初めてアイスが販売された日だそうで、
それを記念して5月9日はアイスの日なのです。

私の働いていたアイス屋さんでは、
このアイスの日に毎年チャリティイベントを行っていました。

イベント時間中に募金をしてくれた方には、
アイスを一つプレゼントということで、
毎年たくさんの方が参加してくれるイベントなのです。

よって、この日は、
店のスタッフは全員集合
スタッフほぼ全員が集まる1年で唯一の日でした。
　
オーナーにはタイ行き宣言をしておりましたが、
まだ後任が決まっていないこともあって、
スタッフちゃん達には、私が辞めることはまだ伏せられていたのです。

この日以外に、みんなにちゃんと話をできる機会はありませんので、
5月9日アイスの日に、スタッフちゃん達に、
「私、留学します」宣言をすると決めておりました。

・・・ただ、
できればそれまでに、
自分の後任を決めてもらい、
その場で一緒に紹介できればと思っていたのですが

オーナーへのタイ行き宣言から半年以上たったこの時点でも、
後任は決まっていませんでした。

まぁ、私が店長に決まったのも、
店のオープン直前でしたしね・・・・。
そんなところが好きだったのですが、
のんびりとした社風の会社だったのです。

後任の紹介は結局できませんでしたが、
イベントの後のミーティングで、ついに、やっと、スタッフちゃん達に、
タイ行きの報告ができたのでした。

この時点で開店から約2年。
オープニングメンバーも、
ほとんど辞めることなく働いてくれていましたし、
ちっとも店長らしくなんてなかった私を、
いつもいつも助けてくれたスタッフちゃん達でした。

オーナーには、開店の時から、
いつかタイへ行くつもりだという話しはしていましたが、
いつも相談役になってもらっていたパートさんを除いて、
スタッフちゃんには一切そういった話はしていなかったのです。

開店から一緒にがんばってくれたスタッフちゃんたちの卒業を待たずに、
自分が先に卒業することになったわけで。
なんとなく申し訳ない気持ちもありました。

スタッフちゃん達は、店長のとつぜんの退職宣言に、
驚いてはいたようですが、
みんな、タイ行きを応援してくれました。

タイ行きを決める前、
行こうかどうしようかとグズグズしていた気持ちは、
もうすっかりありませんでしたが、
やはり気持ちのどこかにひっかかっていたお店のこと

スタッフちゃん達にちゃんと報告できたことで、
タイ行きまでに気がかかりなことは・・・・
あとは店長を誰が引き継いでくれるかということだけでした

アイス屋さん生活も、残すは最後の夏のみ。
忙しい毎日にもみくちゃにされ、最後の夏が終われば、
秋を迎える10月には、いよいよタイ行きです。