だんだんと酔ってきた私
周りの客もホストも酔っているのがわかるくらいに盛り上がっていた
盛り上がり大成功に思えるバースディイベント
だけど・・・そー君が待っている太客は来ていない
もしも、一人が私と同じ500万としたら・・・
最低でも2人は来ていないのだから、予定売り上げが1000万少ないって事になってしまう
そー君の表情が少し険しいのも納得できる
私の500万じゃ足りないんだ・・・
結局私は・・・そー君のたいした役には立てていないんだね
ソープ行きが決定した時に、AV女優だけは絶対無理だと私は言ったっけ
次の彼女がAV女優と言う噂
私が、あの時ちゃんとAV女優をやっていたら
もっとお金使ってあげれたのかな・・・
もっと一緒に暮らせたのかな・・・
険しい顔をさせる事なく、一緒にバースディイベントを笑っていられたのかな・・・
そんな寂しい思いを私は抱えた
掲示板の書き込みを読んだせいなんだとは思うけど・・・
酔ったせいで、少しネガティブになりながらもお酒はすすむ
目の前で潰れてしまったヘルプホストを眺めながら・・・昔を思い出す
いろんな事があったな・・・
自分でもここまでついて来れるとは思ってなかった
出会った頃は、まだまだ純粋だった・・・
ひたむきに信じていられて、捨てられる事が怖くて寂しくて
ついて行く事に、追いかける事に必死で無我夢中で走ってた
あんなに嫌がって泣いた風俗も今じゃたいした抵抗もない
変わったんだな・・・
寂しさで胸が苦しむ事も日常の一部になり
書き込みに動揺して泣いていた自分・・・
いつの間にか諦めの気持ちが強くなっていて・・・泣き出したい反面
もういいじゃないかと・・・思う自分がここにいる
少しだけ見えていたはずのゴールの光も今じゃ全く見えなくなってしまったような・・・
きっと、私が求めていたゴールの形が変わってきたのかもしれない
そんなネガティブな感情に私は支配される
誕生日に暗い顔なんてしちゃいけないのにね
そー君がこの世に生まれてきた、大切な日なんだから・・・
一緒に感謝しなきゃいけないのにね
でも、素直に喜べないんだ
私の前だけで笑って、私だけのそー君でいて
他の人に優しくしないで、他の人に愛なんて囁かないで
他の人にまで色恋しないで・・・
私だけを愛して欲しいんだ
全てを独占したいってわがままな感情が私にある限り・・・
ホストをやってるそー君じゃ・・・私の望むゴールは見えない
お金を使わなくなる事、一緒に住んでる事だけじゃ・・・それはゴールじゃないんだ
そー君がホストの道をゴールしてくれないと・・・
私はゴールできない・・・
一緒にゴールしなきゃ意味ないんだよ
今日のイベントはそー君の夢への第一歩でしかなくて、ゴールじゃないから・・・
私が走りつかれても・・・そー君はきっと走り続ける・・・
一緒にゴールは・・・
「潰れちゃったんだ。」
そー君の声に驚いて顔をあげる
「あ、うん。でも、結構飲んでたから仕方ないよね。そー君は大丈夫?」
「俺は大丈夫。でも、ゆいの方がやばそうだけど・・・?」
「そんな事ないよ。」
「そっか、もうちょいで営業も終わるからな。最後に残りの金でドンペリいっぱいいれような。それで、帰ってから二人だけでもっかいお祝いして(*´∇`)」
「うん(*´∇`) 約束ね(*ノωノ)」
私の表情から、頭の中を読み取ったかのような言葉
その後、残りのお金でドンペリを大量に入れて
私の意識はふっとんだ
営業が終了し、ふらふらしながらタクシーに乗せてもらった記憶がある
家について、水を飲んでそのまま寝てしまった
私がしっかり覚えていたのは・・・
『帰ってから二人だけでもっかいお祝いして(*´∇`)』
その言葉だけ・・・
最後に顔を見てした話
その約束が果たされる事はなかった・・・