愛人クラブで働き始めてから1ヶ月と少したった頃

尾西さんがお店に飲みに来てくれた


お店に来てくれるなんてただのあの場の社交辞令だと思っていた私は、すごく喜んだ

VIPルームに入り、さらりと高いお酒を注文する

初っ端からの羽振りの良さに私もボーイも唖然とするが、尾西さんにとってはこれが普通の飲み方のようだった



「仲良い子いないの?仲良しな子2,3人場内指名してみんなで飲もうよ。」



私は迷わず、レイナちゃんとマヤちゃんを場内指名した


しばらく4人で飲んでいると、尾西さんがホールを見て言った



「あれ・・・あの子」



指差す方にはルミの姿



「ルミちゃんですか?かわいいですよね(*´∇`)」



美人さんなので、尾西さんの目にとまったとしてもおかしくない



「いや、そうじゃなくて。あのお店で指名した事あったなと思って」



「え・・・?そうなんですか?」



ルミもあの愛人クラブに・・・・?



「せっかくだから、彼女も呼ぼうか。」



「はい。」



本当はちょっと、嫌だった・・・




「きゃー尾西さんじゃないですかぁ~。」



ルミがにこやかにVIPルームに入ってくる



「ちらっと見えたので、ここのお店だったんですね。」



「そうなんです~。覚えててくれたなんてルミ感激です('ω'*)♪新しい女の子どんどん入ってくるし、もうルミは尾西さんにお会いできないんだなぁ~って諦めてました~」



あ・・・・

ルミなら・・・私が愛人クラブで働いてるの知ってたとしてもおかしくないのかも・・・

新人の子をチェックしていたなら、私の写真がアップされたのも気がつくだろうし・・・



って事はルミが・・・

もう、ほぼ間違いないだろうと確信していた

だって、本番書き込みがされ始めたのは、ルミが本番認め始めてからだし・・・

そー君が店に飲みに来てからだし



間違いない・・・



私の中で、ルミに対しての怒りがこみ上げてきた

しかし、証拠もないし

わけもわからず、問い詰めたり怒る事もできない

なんとも歯痒い気分だった



レイナちゃんもその事に気がついたのか、私と目が会うと怒りの表情を一瞬見せた




尾西さんが帰った後に、二人で密談を始める



「ルミちゃんだよ!絶対に。」



「私もそう思う。」



「藤崎さんにチクった方がいいんじゃない・・・?」



「いや・・・こうちゃんとはちょっと・・・。」



「え?ケンカ中?」



「いや、ケンカじゃないけど・・・ちょっとね・・・。」



「なんか、ゆいちゃん大好きな藤崎さんと気まずいなんてちょっと想像できないけど・・・じゃぁ、けんちゃん!ルミと付き合ってるんだろうし、何か知ってるんじゃないのかな?副店長なんだし、探りついでにチクってみようよ!」



「うん。そうしますか。」



二人で、けんちゃんを呼び出して話をする



「ルミが愛人クラブで働いてるって知ってた?」



「ええ、知ってました。家でサイト見ながらぶつぶつ言ってたので・・・。」



「じゃぁ、書き込みしてるのがルミかもって気がついてた?」



「そうかな?と思った時もありますけど・・・。でも、ルミが携帯もパソコンもいじってない時にも書き込みが結構あったので・・・違うんだと解釈しちゃったんですけど・・・。」



「え・・・。」



じゃぁ・・・ルミじゃないの・・・?

他には考えられないんだけど・・・



「ルミの事は気をつけて見てるんですけど・・・書き込んでそうだったり、書き込んでなかったりと・・・イマイチ確信できないんですよ・・・。」



「ふむ(´・ω・`)」




「確信もできないし、証拠もないじゃ、問い詰める事もできませんからね・・・。」



「そうだね・・・。」



「また、何か気がついたら教えますから・・・もう少し我慢してください。」



「わかったー・・・。」



結局、進歩なしである・・・。

ただ、ルミかもしれないとわかったなら、少しは情報が流れるのを気をつけられる



「うーん・・・ルミちゃんしかかんがえられないのに・・・悔しいなぁ・・・。」



レイナちゃんが本当に悔しそうに言う

私の事をここまで親身に思ってくれるのはとても嬉しい事だった



「そうだねぇ・・・。でも、書き込んでない時もあるんじゃねぇ・・・。」



「うーん。」



その時、私はある事を思い出した

もえちゃんから聞いた、義明さんの言葉



『たぶんだけど・・・複数いるんじゃないのかって・・・・。』



「そうだ、複数いるんだ・・・。」



「それ、一緒に誰かとつるんで書き込みしてるって事?」



「そうじゃないかって言ってる人がいたんだけども・・・。もしかしたら、別々の人がそれぞれ書き込んでるのかもしれないけどさ・・・」



「でも、やっぱ一人はルミちゃんなんだね。」



「だと、思うよ~。」



「全員一網打尽にしてやりたいなぁ・・・。」



「そうだねぇ・・・してやりたいわ・・・。」




こみ上げて来ていた、怒りを残りの犯人探しに向けようと私たちは意気込んだ

ルミだってほぼ確信した私にとって

ルミは憎い相手でしかなかった。


あの女のせいで・・・私はあんな嫌な思いをしたんだ・・・