やっちから貰った連絡先

それをすぐに処分できなかった私



連絡する気がその時本当になかったのなら

捨ててしまっても問題なんてなかったはずなのに

私は捨てる事ができなかった



つまりそれは・・・いつ爆発するかわからない爆弾を自分から抱え込んでしまった事になる



いけない事だとわかってたはずなのに・・・

そー君を裏切る事になるとわかってたはずなのに・・・



いつもなら・・・こんな気持ちの時に助けてくる人がいたんだけど

こうちゃんは、仕事が忙しいらしくゆっくり話すヒマもない程だった



一度、本音を出してしまった相手には・・・もう壁がない

なので、私はやっちに甘える事を止められなかった

やっちに愚痴を言うのを止められなかった



もう、どんどんはまって行った



でも、バースディに向けて必死なそー君は、それに気がつかなかった

一緒にいるのに感じる寂しさは・・・一人でいる時に感じる寂しさより大きいものだった

私よりもバースディに必死、その事実だけが私に重くのしかかってきていた



もう、精神的に限界は近かった




「ゆいは、バースディ500万くらい使える?」



やっと私を見てくれたと思えば、バースディの話



「さすがに、そんなに貯金はないよ・・・。」



「後2ヶ月あっても無理そう?」



私へ課せられたノルマは500万らしい



「毎日お店に行ってる状況じゃ厳しいかな・・・。」



「どうにもなりそうもない?そこまでがんばってくれればいいから。その後はもう何もしなくていいから。一緒にいてくれればいいから・・・。」



この時、初めて終わりが見えた

初めて、私のゴールが見えた

そんな気がした



バースディまでがんばれば・・・幸せが待ってるような気がした

望んでいた未来が来る気がした



「うん。がんばってみるよ。」



とは、言っても・・・

いくらがんばっても、セクキャバだけでは・・・500万まで貯金を増やすのは至難だ・・・

週末・・・他で働くか・・・


ヘルス・・・?

あの店長なら週末だけでも雇ってくれそうだけど・・・



でも、アスカのメールが頭をよぎる



これ以上、稼げなくなったらまじで困るし、もう誰も連れてこないで




あの店では働けない・・・

他にそんな週末だけで雇ってくれそうな都合のいい店なんてないしな・・・

どうしよ・・・



しばらく、スカウトマンや風俗店の知り合いの名刺を眺めて悩む

どの人もそこまで仲良いわけでもないし・・・



その時一枚の名刺が目に入った




辻本 秀親 



なんだっけ・・・いつだったかアヤカの客としてお店に来た人だよね・・・

たしか、にっしーが一緒に働いてて・・・愛人クラブだかなんだかしてるとか言ってたな

にっしーがいるなら、融通きかせてくれるかもしれない




私は、少し考えた後に、にっしーに電話をした

他に週末だけ働けそうなお店なんて思いつかなかったから

他に今すぐ働けそうなお店は思い当たらなかった



私は500万に向かって走り始めたのだった