その後、ルミの態度が改まる様子はなかった
やっぱ、強く言えなかったのかと、私は半ば諦めた
しかし、前に比べて店でのイチャつきが減ったので・・・
その辺はけんちゃんが自覚してくれてるのだなと思い嬉しくも思った
そのうち別れるかな~なんて、ちょっと楽天的に考えもした
そうこうしてるうちに、そー君が大箱で働き始めて一ヶ月ちょっとが経とうとしていた
初めての大箱なので当然通常のNO入りなんてムリな話だったのだが
別枠の新人ランクでは、さも当然とばかりにNO1を取っていたのだった
いよいよ、これからが本番だ・・・
新人NO1キープは当然の事
新人が抜けた時に通常のNO入りを果たせるかどうかが問題なのだ
それまでの期間にどれだけ客を増やせるか・・・どれだけ店の人間に好かれるか・・・
それが勝負の決め手だと、そー君はいつも言っていた
そしてある日・・・
「なぁ、ゆいの店に飲みに行ってもいい?」
「え???何のために??」
突然の話に私は驚く
なぜ、今更私の店に飲みに来る必要があるのだろうか・・・?
「実はさ・・・楓さん達に連れて行けと言われててさ・・・。」
「え・・・?」
「いや、もちろん飲み代はそれぞれが払うけど、同業だから入れてもらえるか怪しいじゃん・・・?」
「あーうん・・・。確かに入れてくれるか微妙だねぇ・・・。」
「だから、俺がお前指名で行けば入れてくれるかもしれないじゃん?」
「んーwwww」
それはどうだろうか・・・?
いくら指名があるとは言え、そー君一人で来るならまだしも・・・フリーの枝をたくさん引き連れて来たら・・・
入れてくれるか微妙だ
「ちょっと、聞いてみてくれよ。俺も断れないっぽいしさ・・・。お前が中々枝を連れてこないからってのもあるんだぜ?」
「うーん・・・・w」
聞くって言ったら・・・こうちゃんに聞くわけでしょ・・・?
なんとも、聞きにくい・・・
「それとも、店に来られちゃ何かまずい事でもあるわけ?」
「ないけどー・・・。たぶん混んでたら入れてくれないよ?来るなら、六本木がヒマな土曜日とかじゃないと・・・。」
「最初から土曜日のつもりだし、問題ない!おまけにVIPでもいいって言ってるし・・・。な、頼むよ。」
「うーん・・・。まぁ、聞くだけ聞いて見るけど・・・ダメだったら諦めてよね?」
「お前なら大丈夫だと信じてる!」
意味がわからない・・・
けど、聞くしかない状況だよね・・・。
こうちゃんに・・・なんて切り出そうか・・・(´・ω・`)
次の日の営業終了後に、私はこうちゃんに話すべく・・・
店長室でもじもじしていた
毎度ながら、なんて切り出せばいいのか・・・
「朝までもじもじしてるつもり?w」
「うー・・・。」
「今度はどんな話しにくい事なのかな?」
「ダメだったら、ダメってすぐ断っていいからね。」
「店辞めたいはダメだよ?」
「そーじゃなくて・・・彼氏が店の先輩達と飲みに来たいって言ってるんだけど・・・。」
頭ではすでに、そー君への謝罪の言葉を考えていた
が・・・
「いいよ。」
「え!?いいの??」
「さすがに混んでる日はダメだけど、土曜日とかならいいよ。」
「うん、それは元から土曜日のつもりだし、VIPに入る気みたいだし・・・。でも、いいの?ホストだよ?」
「いいよ。たまには彼氏にもゆいちゃんの売り上げの足しになって貰おうじゃない。」
爽やか過ぎる笑顔で微笑むこうちゃん
な、何を企んでいるの!?
「ま、まさかぼったくる気!?」
「あははwそれはしないよ。」
「そっかw」
「土曜日ならどんな大人数でも歓迎しますよって伝えておいて。」
「そ、そんな大人数じゃないとは思うけども・・・そんなにいっぱい来てもいいの?」
「いいよ?みんなフリーばっかなんでしょ?人数多ければその分ゆいちゃんの売り上げもあがるじゃない。」
それもそうだが・・・
「女の子がホストに営業かけられるとしてもいいのん?」
「あぁ、それは大丈夫!席につける女の子は選ぶつもりだからさ。」
ふむ・・・。どういう基準で選ぶのだろうか・・・
「とにかく、心配しないで連れておいでよ。普通に歓迎するからさ♪」
「はーい(*´∇`)」
「それに、どんな男か見てみたいしね・・・。」
そ、それはそれで怖いよ・・・
なんとも言えない不安を覚えながらも・・・そー君が店に来る事が決定したのだった