帰ったら話を聞いてやるからなと言っていたけれど
そー君が帰ってくる頃には私はすでに寝ていたし
起きていたとしても、そー君は聞く余裕もなく眠りについてしまっただろう
結局、その話をきちんとする事はなかった
私も聞いて欲しかったわけではないので、その事には自分から触れようとはしなかった
だって、自分の事を好きかもしれない男の話
彼氏に話したくなかったから
一緒に住んでるのに、生活時間がバラバラなので、結局落ち着いて話ができるのはお店だけ
週末の休みもそー君は死んだように眠っていた
起きてから、少しの時間は話をしたけれど、それもほとんどがそー君のお店の話しだった
「だいぶ、中堅所に気に入られてきてるな、いい子いい子。」
「(ノω`*)ノ" ンフフフフッ 」
「そう言えば楓さんに、六本木のセクキャバって言っただろ?」
「え、うん。」
「だから、急に中堅所が着くようになったんだぜ。」
はぁ?
「どゆこと?」
「お前が稼げるって絶賛するように、ホストの間でもあの店の子は金使いがいいって評判なのさ。」
「うん。」
「だから、お前が枝連れてくるの期待してるんだよ。お前と仲良くなっておけば、それなりに枝来た時に着きやすいだろ?」
「ほー。」
私と仲良くしておけば、いい客がゲットできるかもって事か・・・
「って、わけでレイナちゃんみたくかわいい子頼むよ。」
「ん?w」
「枝だよ!枝!」
「いやー・・・そう言われてもねぇ。レイナちゃんは充君指名するだろうし?あたしの仲良し所はすでに自分のお気に入りホストが他店にいるし・・・?」
「その辺はほら、お前のがんばり所って事で!な!」
自分がそー君の売り上げに貢献するのはいいけど・・・
自分の友達をそー君のために、店に引っ張っていくのは少し気が引けた
友達が自分から飲みに行きたいと言うのなら・・・話は別だけども・・・
でも、やる気に満ち溢れてるそー君を見ると・・・拒否なんてできなかった
大箱のホストって言うのは、本当に貪欲で・・・
私から必死に枝を得ようとする中堅所の動きといい
今までの小箱でのNO争いなんて、本当に井の中の蛙程度の事だったのだ
売り上げのためなら、本当になんでもするのじゃないかと・・・
売り上げのためならなんでもする・・・
私にはそんな根性は無かった
相変わらず綺麗事が好きなのは地元にいた時と変わっていなかったから
そんな時、六本木の店に異変が訪れたのだった
売り上げのためならなんでもする・・・そんな子が入店してきた
名前は『ルミ』
アヤカの時と同じで私と同い年、そして、とても可愛い子だった
不自然なくらいに可愛い子だった
彼女の入店により、私の大好きだった店が無くなってしまうなんて・・・
強い意志を持つ人間の影響力と言うのは絶大だったのだ
彼女やホスト達の貪欲さ・・・
お願いだから・・・私の大切な物を壊さないで・・・