眠い目を擦りながら、いつも通り夕方五時に起床する

あまり眠れなかったな・・・



時間的にはそれなりの時間寝ているのだけれど

よくわからない悪夢により、度々目を覚ましていた感じだった


スッキリしない頭に悩まされながら仕事へ行く支度をそーっと始める


そー君はまだ眠っていた


起こさないように・・・そーっと・・・



シャワーを浴び終わり、化粧をしていると

こうちゃんから出勤確認の電話がかかってきた



『おはよう』



「おはよーぅ」



まだ、少し眠そうな声だったらしい



『眠いの?何時まで遊んでたの?』



「遅くまで遊んでないよ。ただ、寝るのが遅かっただけだよ。あと、ちょっと眠りが浅かったみたいで・・・。」



『そっか。大丈夫?』



「うん、大丈夫~。」



いつもと変わらぬ出勤確認の電話だったと思う

少なくとも、私はそう思っていたのだけれど・・・






仕事の待機中にマヤちゃんが話しかけてきた



「結局、ダイキ君にはメールしてるの?」



「んーん。してない。だって、するべきじゃないでしょ・・・。私はもう客として店に行くことなんてないんだから・・・。」



「まぁねぇ・・・。ゆいちゃんはちょっと鈍感さんなのかな?」



「鈍感?」



「ダイキ君の気持ち、本当に少しも伝わってないのかな?」



え・・・何を言い出すのだ



「え・・・?気持ち?」



「ゆいちゃんの事好きって気持ち。」



「それは・・・色恋じゃなくて?」



色恋でしょ?私の事をダイちゃんが好きになるわけないもの



「色恋しないホストって有名なのは知ってるよね?」



「うん・・・。」



「アフターしないホストってのも知ってるよね?」



「うん・・・。」



「じゃぁ、なんでゆいちゃんにはするのかな?」



「ん・・・。」



そんな事わからない

色恋しないホストって有名な、そー君だって色恋してるし・・・いや、確信はないけれど・・・しているっぽい・・・

アフターって言っても・・・みんなでディズニー行ったのと、家でゲームしただけだし・・・

ダイちゃんが私を好きになるわけないもの・・・



「私ね、ワタルの事でダイキ君にいろいろ話ししたんだけど。ダイキ君は、ホストをしている以上、相手に自分の真剣な気持ちをわかってもらうのは難しいって言ってた。どんなに自分が本気で言ったとしても、相手に色恋だって思われてしまったら、終わりだし。客が本気で好きってホストに言っても、ホストが色恋遊びしたいだけなんだなって思ったら・・・その時点で客とホスト以上の関係には絶対になれないんだって。」



「うん・・・。」



「だからね、ダイキ君はゆいちゃんには言葉では絶対に好きって言えないって言ってた。態度で伝わるのを待つしかないんだって・・・。」



「うん・・・。」



「ゆいちゃんは、本当に少しもダイキ君の気持ちは気がついてないの?」




そんなの・・・わかんないよ・・・


「マヤちゃんにそう言ってる事すら・・・営業なのかもしれないって思ってしまうひねくれた私がいるんだ。たしかに、ただの客にするにはおかしいくらい構ってもらったし、お世話にもなった・・・。だけど、それが本当の気持ちかなんて私にはわからないし・・・。確かめる事なんてできないし・・・。何より、私は彼氏がいるんだもの・・・。」



ダイちゃんの気持ちが本当だったとしても、私にどうしろというのだ?

たしかに、ダイちゃんは大好きだけど・・・

それは友達として、ホストとして大好きなわけで・・・


私がその気持ちに気がついたとしても・・・告白されたとしても・・・

私には振る選択肢しかないのだ


だったら、気がつかないフリして・・・友達やっていたいじゃないか・・・

って、言っても連絡はしないのだけど

何も最後に関係を壊すような事しなくてもいいじゃないか




「もう、連絡しないなら・・・そう言ったほうがいいんじゃないのかな?来ないメールをいつまでも待ってるのは、ダイキ君辛いんじゃないのかな・・・?」




そうなのだろうか・・・

もう、二度とメールしませんと、突きつける方がいいのだろうか?



でも、この前そう言ったら・・・

ダイちゃんが私からしたい時にメールすればいいからと言ったのだ・・・

ここで、もう一度同じ会話をするのも変じゃないの??

それこそ、思い込み激しい女と思われかねない



「よく、わかんないや・・・」



私は逃げるようにトイレへ立った






誰の気持ちが本当で、誰の気持ちが嘘だとか、そんなのは私にはわからない


わからない事をうだうだ考えるくらいなら


私はそー君の気持ちを本当だと信じていたかった