アスカとマヤちゃんのその後が気になっていたものの
マヤちゃんと仕事場でワタルの話をする事もほとんどなく、アスカに近況を聞くメールを入れる事もなかった
そー君が働き始める事で頭がいっぱいだったのだ
私はまた私が生きる事だけに必死になっていたから・・・
自分が不確かな幸せにしがみつく事に必死になっていたから・・・
そして、私はまた後悔をする事になるのだけれど
私は私の幸せが大事だったから・・・
お人好しだとよく言われたけれど
自分を犠牲にしてまで、他人に尽くせるほどの偽善者にはなりきれなかったのだ
何をしても中途半端な自分らしい結果だったなと今は思う
そー君が働き始める初日
仕事が終わり、そのまま新宿へ向かうのだったが
こうちゃんはいい顔をしていなかった
それは、当然なのだが・・・
こうちゃんに嫌われるかなと・・・私は少し悲しく感じたのだった
そー君が働き始めた店は、系列店が何店舗もある大きな店だった
本当の新人の下っ端として入店した、そー君は私を店の前まで迎えに出る事もできず
私は1人でその大きな店に入って行かなければならなかった
造りからして立派で、入る事が怖かった
恐る恐る店に入ると、入り口のキャッシャーの所に内勤らしき人が立っていた
内勤とは、キャバクラで言うボーイのような感じの人で
接客もしないし、指名も取らない、ホール管理するだけの人の事だった
内勤がいるってだけで、今までの店と大きさが違うことがよくわかった
「いらっしゃいませ」
落ち着いた雰囲気で、綺麗な立ち振る舞いで対応される
煩いノリのいらっしゃいませー!!しか聞いた事のなかった私はさらに怖気づく
「初回のお客様ですか?」
「えっと・・・そうなんですけど。蒼希君指名なんですが・・・」
「蒼希・・・?」
内勤が?マークを頭に浮かべてる
「今日から働いてる新人ですよ。」
キャッシャーの奥から別の内勤が言う
「あぁ、はいはい。では、ご案内します。」
店内に通されて、席に座る。
小さい席だった。
角でもなく、いい席とは絶対に言えない席だった
地元の店にしても、以前働いてた新宿の小箱でも、もっといい席を用意して貰ってたので
本当に、そー君が新人な事を実感した
今までのような、地元での地位も名声もない、何もない所からのスタートと言うのがよくわかった
「お飲み物はどうなさいますか?初回ボトルお持ちしてもよろしいですか?」
あ・・・どうしよ・・・
その辺の事聞いてなかったよ・・・
「えっと・・・。」
少しの間悩む
どうしよ・・・答えないと内勤さんも困るよね(´・ω・`)
「蒼希に聞いてきましょうか?」
内勤さんが優しい笑顔で言う
「それでも、いいですか?」
「いいですよ。すぐ着くと思いますので少々お待ちくださいね。」
爽やかな笑顔で去っていく
なんて、教育の行き届いた店だ・・・
しばらくして、そー君が席にやってくる
そして少し遅れて、さっきの内勤さんが焼酎のボトルとお茶のピッチャーを持ってやってきた
「ネームはどうしますか?」
「えっと、ゆいで書いておいて貰えますか?」
そー君が答える
完璧な敬語で・・・
ネームを作ると言う事は初回ボトルではないらしい
内勤が去り、やっと普通のそー君になる
「お仕事お疲れ様。」
私の頭を撫でる
「店に入るの緊張したよ(´;ω;`)ウゥゥ」
「俺なんてずっと緊張しっぱなしよ?やっぱ、大箱でこれだけ大きい店は全然違う。教育がしっかりしてるんだなって実感してる所だよ。」
「それは、私も思った・・・。」
「でも、わくわくする。これだけちゃんとした店で、自分がどこまで通用するのか楽しみだよ。」
「おぅwがんばってね(*´∇`)」
「でだな、お前に最初のミッションを与えよう」
ミッション(゚ω゚)w
「はいw」
「まずは、仲良くなってくれ。気に入られてくれ。まず、NO1やNO2は着くことないからあれだけど、それ以外の売れてる又は役職者に気に入られてくれ。まぁ、お前の得意分野だろ。」
「はぅぃ(*´∇`) ところでさ・・・聖夜さんはどこかなwwwwどうせなら、聖夜さんと仲良くwwwww」
聖夜さんとは、昔にホスト雑誌を見た時から見た目だけのファンの人
顔がめちゃくちゃ好みの人で、私はそー君が同じ店で働く事になった時に
生聖夜さん(*´д`*)ハァハァ
と、1人で悶えていたのだった。
それを見て、そー君は少し呆れていたw
「んー、こっからは見えないかな。」
「そっか、残念(´・ω・`)w」
「そのうち着いてもらえる日が来るかもしれないから、その日を楽しみにしておきなさい。」
「はーい(*´∇`)」
煌びやかな店内の中で、場違いな雰囲気をかもし出しながら、私はしっぽりと飲んでいた
いつか、この店の看板ホストの1人にそー君がなるのかな・・・とか思いながら・・・