その日の営業中の待機席の話題は、アスカとアヤカの話で持ちきりだった

詳しく事情を知ってる人なんて、私とその周りの数名だけなのだ

みんな2人が出勤して来ない事でクビになったのだろうと言う憶測をしたようだ


いない人間の話で盛り上がる

それも、クビになったと言う話でだ


聞いてて気分のいいものではない



態度の悪かったアヤカの悪口が飛び交うのは当然なのかもしれないけど

アスカの事まで悪く言われてしまうのはなんとも言えない気分だった



確かに、指名は取れていなかったけれど

何か、嫌な気分にでもさせた事があっただろうか?

揉め事を起こしたことがあっただろうか・・・?



指名取れてなかったしね~

あの容姿じゃねぇ~

と嘲笑うのを聞いてるとなんとも怒りを覚えたのだった



人を見下すヒマがあるなら上を見ろ



仕事仲間にそんな事を思ってしまう時点で私も小さい人間だなと

虚しくもなった


カオルもアスカもいなくなって、寂しかったんだ




接客から戻ってきたマヤちゃんが私の隣に座る



「大丈夫?元気なさげな顔しちゃってるよ。」



「大丈夫(*´∇`) ちょっと、寂しかっただけ」



「そっか。」



「うん。あ、マヤちゃん今日も飲みに行くの?」



「行くよ~。」



「今日私も行くつもりなんだけど、一緒に行かない?席は別卓でもいいから。」



「あら、珍しいね。ダイキ君会いたがってたよwでも、忙しそうでデートにも誘えない~ってw」



「デートってwww色恋はいやん('ω'*)♪」



そもそも、毎日電話かけてきてくれるけど

デートになんて誘ってくれないよ?w

そんな話微塵も出てこないよw



「あら、本人は色恋のつもりじゃないかもよ?」



「からかわれるのは、もっといやん('ω'*)♪」



「ふふ。ゆいちゃんて不思議な子」



(゚ω゚)?



「何が??」



別に今不思議ちゃん発言なんてしてないでしょうに!?



「不思議って言い方が悪かったかな。アンバランスな子だね。」



(゚ω゚)!?


マヤちゃんの発言の方が不思議だ!



「気にしないでw じゃ、仕事終わったら一緒にお店行こうね。で、どうせなら一緒に飲も?最近2人だと仕事の話ばっかで、ケンカっぽくなっちゃってさ・・・誰かいればそんな話しないと思うからさ。」



「うん(*´∇`)いいよぉ~。」



仕事の話・・・?

マヤちゃんの仕事の話か?それとも、ワタルの仕事の話?

どっちにしても、ケンカになっちゃ楽しくないよね・・・



しかし、マヤちゃんはワタルの何がいいんだろう?

第一印象からして、あんまよくなかった私としては・・・いまいち理解できなかった

マヤちゃんならもっといい男にはまってもよさそうだが・・・


でも、私がそー君がいいって思うように

マヤちゃんにもマヤちゃんにしかわからないワタルの良さってのがあるんだろうな



人の本当の良さなんて深く付き合わなければ見えてこないんだから






営業終了後、2人で店に向かう・・・


久々のダイちゃんとの楽しい時間

最後の楽しい時間・・・


今日、ちゃんとサヨナラしなきゃ・・・


誰かを選んだら・・・誰かと別れなければいけない状況

それの最初の相手がダイちゃんだった


別に、サヨナラする必要なんてないのかもしれない

でも、私は客でダイちゃんはホスト

店に飲みに来ない私との営業電話をいつまでもさせるわけにはいかない

そんなのは随分前からわかってた事だけど、甘えてそのままずるずると電話の関係を続けてきた


腕を切った時も助けてくれて

本当にたくさんの心配をしてもらった

こんだけ甘えておいて、彼氏と一緒に住むので電話にはもう出れません

彼氏にバレるのが嫌なのでもう電話に出れません

なんて勝手な女だろうか・・・



本当は電話に出なくなればいいだけの事

無視すればいいだけの事



でも、お世話になったし、本当に感謝しているから

きちんとお礼を言いたかったし、ちゃんとサヨナラしたかった



ただ、自分がスッキリしたいだけの自己満足だけど・・・