それから、毎日ダイちゃんから電話が来た

話す内容なんて、お互いの仕事であった事とか、テレビの話とか

そんな、なんて事のない話だったんだけど

そんな普通の会話ここ最近誰かとしてただろうか?

キャバ時代には当たり前のようにみんなと話してた

でも、風俗に来てからそんな話なんてほとんどしなくなった

する相手もいなかった


そして、唯一そういった話をしていた、そー君も

一緒に暮らさなくなった事から、そんな会話もなくなった

もともと、電話が好きなほうではなかったそー君だし

私はメールがそこまで好きではなかったので

お互いの連絡はかなり最低限になって来ていた

回数は少なくはないのだけども


「起きた。おはよう(*´∇`)」


「今から寝るね。おやすみ(ノ)ω(ヾ)ムニムニ」


「仕事行ってくる」


「遊び行ってくる」


その程度の内容のメールだった

状況報告のみのような・・・


それでも、なんとなく信じていられたのも、付き合ってると思えていたのも・・・

そー君の話術と言うか・・・ホストの技術だったのかもしれない



そう言えば、アイフルの子犬のような潤君からもメールはよく来ていた

でも、もし店に行ったとしても、私はダイちゃんを指名するわけで・・・

それが決まってるのに、メールするなんて私にはできなかった

だから、私は


「お店に行くとしても、ダイちゃんを指名するから。ゴメンネ。」


そう、メールをした


もう、メールの返事なんて返って来ないだろうと思っていたのに


「俺は別に、ホストだからメールしてるわけじゃなくて、ゆいちゃんの事知りたいからメールしてるだけなんだよ・・・。好きかもとか思ったら迷惑かな?」



( ゚ェ゚)・∵.

お前は色恋ホストだったのかぁぁぁぁぁぁぁ・・・・


しかし、まぁ・・・悪い気はしないよね・・・うん

営業で嘘でも、お世辞と一緒で悪い気はしないよね・・・うん

何より、美形だったしね・・・うん



「でも、私がダイちゃん指名してお店に行ったら、メールできなくなるじゃん?」


ホストクラブってのはキャバと違って永久指名制だった

指名を変える事なんてまずできないし、他のホストを指名してる客とメールするのももちろん禁止


だから、私は無駄な営業メールになるよと、教えてあげたつもりだったのだけれども


「別に、俺を指名して欲しいとは言わないけどね。俺とメールするために大輝君指名しないとかできないのかな?」



え・・・?

いや、意味がわからないのだが・・・

あなたと私の関係はホストと客であって・・・私が誰を指名しようといいじゃないですか・・・

そして、俺を指名しなくていい、他のホストを指名するなってのは

あきらかに、店に来るなって事になってしまうわけで

それは、ホストとしてどうなの?その店で働いてる身としてどうなのよ??


よくわからないが、カチンと来た私

たぶん、残っていた水商売根性に触れたのだろう


「もう、行くって決めちゃってるし。」


短文のメールを返して私は家を飛び出した



大通りでタクシーを拾う



「新宿歌舞伎町の市役所通りに向かってください」



自分でも意味がわからない行動だったが

私はダイちゃんの店に向かった


店のそばに着き、ダイちゃんに電話をする



「あれ~?どうしたのぉ?ゆいちんから電話かけてくるなんて、何かあったの?」


少し、心配そうな声のダイちゃん



「今ね、店のそばにいるの」



「え?」



「うふふ(ノ´∀`*) 」



いや、うふふ(ノ´∀`*)じゃないんだけどね



「店のそばって?どこ?」



店の入り口が開き、ダイちゃんが走って出てきた



「あ・・・でてきたヾ(*´∀`*)ノ 」


それを見てはしゃぐ私

本当、少しおかしなテンションだったと思う



「え、どこ?・・・あ、いた」



私を見つけて駆け寄ってくるダイちゃん



「ゆいちんどーしたのぉ。こんな深夜に一人で歌舞伎町にいたらあぶないよぉ~。」


凛々しい顔から、優しい言葉が出てくる

本当、このしゃべり方と顔のギャップはなんなのだろうか・・・


「久々の生ダイちゃんヾ(*´∀`*)ノ キャッキャ」


変なテンションのままダイちゃんに接する私


「あ、そうだね。電話ではいっぱい話してたけど、こうやって顔見てちゃんと話した事って全然なかったよね。なんか、ちょっと緊張するかも・・・」


「ねー(*´∇`)」


なんとも、言えない胸キュンに襲われながら、ダイちゃんを見る



「それより、危ないけど一人で帰れる?送っていこうか?」



...Σ(゚ω゚)?

え・・・あの・・・


「んと・・・飲みに来たんだけど・・・ダメだったかな・・・?」


予想外のダイちゃんの言葉におずおずと聞く私



「え!飲みに来てくれたの!?うそ!?まじ?」


「うん・・・。じゃなきゃ、店のそばにいるよなんて電話しないよ(´・ω・`)?」


私、客なんですから(〃'∀')o_彡☆



「そっか~。てっきり俺の顔を見に来てくれたのかと思って喜んだのに~。なんだ、飲みに来たのか~。」


え、いや・・・

だから・・・


「顔を見たかったってのもあるんだけど。えっと、指名で飲みに来たんだけど・・・」


飲みに来られるより、顔を見に来てもらえる方が嬉しいのかな・・・?

完全友達営業って聞いてたけど・・・色恋なんじゃ・・・?


「んと、潤指名かな?」


( ゚ェ゚)・∵.

天然もほどほどにしよーや・・・



「いや、だからね。ダイちゃんの顔を見ながらお酒を飲みたいんですけど・・・。」



「(*´-ω・)・・・?(。゚ω゚)・・・もしや、俺指名って事?」



「うんw」



「え、まじで?まじか?まじなの?」


なぜ、ここまで鈍感なのか・・・w

普通に、ダイちゃん指名意外ないだろうに・・・


「指名しちゃダメかな・・・?」


なんだか、来てはいけなかったのではないかと錯覚してしまう



「いや、いいよぉ~いいよぉ~。でも、お金かかるよぉ~(´・ω・`)?」


「わかってるよぉ。」


「んじゃ、ご案内してもいいですか?」


「いいですよ(〃'∀')o_彡☆」



初めての一人ホストヾ(・∀・)ノ

ホストにはまってたのか、ダイちゃんにはまってたのか・・・



なんで、飲みに来たのかはよくわかんないけど

たぶん、潤君にもうメールしないよと見せ付けたかったのかもしれない

そして、働きながらは感じることのできない水商売を

せめて、飲みながらでもいいから感じていたかったんだと思う



それくらい、私は水商売が大好きだった