気まずそうな春樹とは逆に

そー君は楽しそうにダニエルをいじっている


春樹はなにがそんなに気まずいのだろう

この地域のホストとしては有名なそー君の連れの私が元彼女だから?

それとも、自然消滅させた私に対して負い目があるから?




きっと、大学生活は楽しかったのだろう

高校生とは明らかに違う世界になるし、高校生の私と付き合っているよりも楽しい事はいっぱいあったのだろう

揉め事が嫌いだった春樹の事だから、別れようとも言えないまま連絡を取らなくなっていったのは、なんとなく予想がついていた。

少しずつ連絡が減っていた事から、それなりに私の中でも終わる心構えもできていったし

会わない事から段々と気持ちが冷めて行ったので、特に苦もなく自然消滅した感じだった

今更、その事を責めるつもりなかったし、特に恨んでもいなかった



水割りができ、とりあえず4人で乾杯する



「じゃ、二人は思い出話に華でも咲かせなよ。」



そー君がにやけながら言う



(*´∇`)・・・

さっきまでの不機嫌はなんだったのか・・・

嫌味のつもりで言ってるのか、それとも本当に思い出話でもしていいのか・・・



「え、自然消滅の思い出話?w」



私が、おどけて返す



「ってかさー。ゆいって高校生の時どんなだったの?」



... Σ(゚ω゚)

そー君の意外な問いかけにびっくりする

まさか、昔の私に興味を示すなんて思いもしなかったから



「どんなって・・・普通の子だったよ・・・。」



自分の事をなんて答えていいのかわからず、適当に返す



「普通ってなんだよ!なぁ、春樹だっけ?どんなだったの?」



「えーと・・・・・・」



返事に困る春樹

そして・・・


「なんでも適当にそれなりにこなす子でした」




「誰が通知表に教師が書きそうな事を言えと( ゚ェ゚)!?」



思わず、私がつっこむ

そのやりとりを見て大爆笑のそー君

いったい、何がおもしろかったのだろうか・・・



「じゃぁさ、じゃぁさ、どっちから告白したの?」



( ゚ェ゚)・・・

そんな事聞くなし・・・



黙る私



「ゆいからですよ」



(゚ω゚)!

言うなし!!さっくり言うなし!!

ホストなら、もう少し空気読めし!



「へー。好きですとか言われちゃったの?」


おっさんみたいな表情をしながら、楽しそうに聞いてくる



「いや、バレンタインにチョコもらって・・・」



人の青春時代の純粋な頃の勇気をふりしぼった告白を暴露するなし!


おっさんモードのそー君も

そして、空気の読めない春樹も

もう・・・止まらない・・・


「え、チョコ?手作り?」



「手作りでしたね。」



私・・・なぜ・・・こんな、おっさんみたいな男が好きなのだろう

私・・・なぜ・・・こんな、空気が読めない男が好きだったのだろう



「それで、なんで付き合ったの?どこが良かったの?」



おっさん・・・そんな事聞いて楽しいのかな・・・

なんだか、恥ずかしいやら、不愉快やらで、水割りをすぐ飲み干す私



「すいません、ヘルプさんおかわりください。」



嫌味をこめて春樹にグラスを渡す



「あ、ダニエル作りますよ~。」


にやけながらダニエルがグラスを受け取る


私の精一杯の抵抗がダニエルによってあっけなく阻止された( 'ェ')




「どこって言うか・・・その・・・普通に人気ある子だったんで。と、言うか・・・その・・・」



おや・・・?今までのさっくり答えてたテンションはどこ行ったんだよ



「あ、普通に両想いだったのね。ふーん。ゆいってモテてたのか・・・」


ちらっと私を見る



「ないないw」


モテた覚えなんてない!

あったら、もっと調子のってるもん



「じゃぁ、告白された時喜んだ?喜んだ?」


そー君のおやじモードは加速する一方だった



「まぁ、まさか自分がチョコ貰えるとは思ってなかったんで驚きましたよね。部活中とか結構、冷たかったんで。」



( ゚ェ゚)



「冷たくなんてしてないよ!冷たかったのは・・・きっ君の方じゃんかぁ!!」



思わず反論してから気がつく・・・

やべ・・・昔の呼び方で呼んじゃった・・・



「へー・・・きっ君って呼んでたんだぁwww」


更にニヤけるそー君


もう・・・勘弁して・・・



「あ、俺のあだ名だったんですよ。苗字が菊池だったんで、きくち君ってのだんだんと、きっ君になって。」



「ほーほー。いやぁ、学生っぽいねぇ。学生っていいねぇ。」



「誰だって昔は学生だったでしょ。」


早く、この話題を終わらせたかった私は、さっくりと話を切ろうと試みる



「で、春樹って確か売れてるよな?」



... Σ(゚ω゚)

そうなの?こんなに空気読めないのに??



「売れっ子ですよ~。ダニエルなんてさっくり抜かされちゃった~。」



「ま、おまえはな・・・」



うん、確かにダニエルはね・・・



「今日だってそれなりに客来てるんだろう?なんで、ヘルプになんか着いたんだ?こいついたから?」



そー君が私を見る


いや、席着くまで気がついてなかっただろ・・・



「俺、海斗さんに指導してもらってるんですけど、それで今まで認めたホストは蒼希さんだけだから、どんなホストか見て見習って来いと言われて・・・。」



ほぉ・・・



「まぁ、お前も認めてもらえそうなホストになりそうだよな。ま、俺には及ばないかもしれないがなw」


そう言って、そー君は高らかに笑った



ふーん・・・

何が認められるホストなのかよくわからないけども・・・

春樹もそれなりにすごいホストになれそうって事なんかな?