そー君の発言は私を谷底へ突き落とした



『客はみんな風俗に落とす』



いつだったかの噂が、今はっきりと私の前に現実として突きつけられていた


一緒に行こうと言われて嬉しかったのに・・・

風俗に行けと言う言葉が・・・

希望が絶望に変わったような・・・そんな思いだった


風俗・・・

他人に自分の体を見せるなんて

他人に自分の体をいじくられるなんて


自分からは絶対にしようとは微塵も思わない

人に言われたってやりたくなんてない!


でも・・・そー君に言われてしまった。


そー君の中では、もう私は働くって決まってるかのように話を進めようとする



嫌だ・・・



働くのなんて嫌だ・・・



でも・・・そー君と離れなければいけないのも嫌だ・・・



一緒にいるって言ってしまった私

でも、風俗に行く決心がつかない私





そー君を信じてる

だけど、心の片隅にあった客と言う不安がかなりの大きさにまでなっていた


不安なんてなければ・・・

そこまで悩まずに風俗に行ける単純な子だっただろう


疑うことを知らない子供だったら

ここまでためらわずに風俗に行けただろう


客だと言う事が嫌だった

風俗に行くことよりも、客だと言う事が嫌だった


ただ、それだけ・・・


私がちゃんと彼女ならば・・・

風俗に行く事なんて、些細な事にできただろう


でもね・・・

客だったとしても・・・

今、そー君を失うなんて考えられなかったし


なによりも・・・


今更、逃げ出すことなんてできなかった・・・




この決断は、私の人生が大きく変わった瞬間だったと今でも思う

あの時、風俗に行く勇気がなかったら・・・

あの時、そー君から離れる勇気があったなら・・・


今の私は、存在していない



普通に大学を出て、普通に就職して・・・

それが、幸せな人生だったのかもしれない

親孝行な娘になれてたかもしれない


だけど・・・


人に蔑まれようと、人に否定されても

今のこの私がいるのは、この決断があったから


辛いことがなかったわけじゃない

それでも、幸せだった時もあった


楽園は気がつかずに探し続ける物だから・・・


幸せな人生のあり方なんて、人それぞれ



人に蔑まれても、人に哀れまれても

私は幸せだった


今でも後悔なんてしていない



ついに、風俗の世界に足を踏み入れる私

それは、想像していた物とはだいぶ違った