「いらっしゃいませー」



こうちゃんに慰められ、一緒に店に入る



「今日ってVIPルーム空いてるのかな?」


こうちゃんが突然言う


「ほぇ?空いてると思うけど・・・。」



「じゃぁ、今日はVIPにしよう。たぶん、もう来れないだろうし、今日はいっぱい楽しもうかな。」



そっか・・・都心行っちゃえば会えなくなるよね・・・



「もー・・・寂しいなぁ・・・」



それを聞いて、こうちゃんは笑ってVIPルームに入っていった




仕度をしようと更衣室に向かう


「おはよーございまーす。」


挨拶をしながら、更衣室に入るとそこにはユリエの姿があった。



「おはよー。」

みんなが言葉を返してくる

そして、視線はユリエに向く


あれ以来まともに会話をしてないので気まずいのは間違いない


私は、一瞬悩んだ



無視するか・・・普通に接するか・・・




・・・許してるわけじゃない

怒ってないわけでもない


でも、ここで私が無視したら・・・余計に輪が乱れるだろう



もう、これ以上店の雰囲気が悪くなるのは嫌だった。



ユリエと目があった



「ユリエ、おはよー(*´∇`)」



「・・・おはよー。」



間を置いてから

目をそらし適当に返事を返すユリエ




あ、やっぱ、気まずいよね




それを壊すかのようにアヤが話しかけてくる



「ゆい~。今日こうちゃんVIPなんだね~。」



「うん。今日で最後だから~。特別みたいだよ~。」



「えー最後なのか~。寂しくなるね。」



「そーだねぇ・・・そう思うならアヤも席ついてよ~。」



「うん、じゃぁ、勝手にヘルプしに行くね♪」




そんな会話をしてると、支度の済んだユリエがホールに出ようと通りすぎる



「うざったい。」



すれ違いざまに、ユリエが呟いた




... Σ(゚ω゚)?

今のは、私に向かって言ったのよね?


ぽかーんとする私

アヤも、唖然としている

が・・・アヤが更衣室を出て行こうとするユリエを引き止める



「ちょっと、ユリエいい加減にしなよ。」



「うざったいから、うざったいって言っただけでしょ。」



まだ、ぽかーんとしてる私



「あんた、自分のした事わかってんの?あんな事しておいて、ゆいにうざったいとか言えるってどんな神経してんの?」



アヤがきれる



「そーだよ。怒りたいのはゆいさんの方じゃん。」


ミレイも一緒になって怒り出す



周りにいる女の子もユリエを見る



「じゃぁ、怒ればいいじゃん。店長に気に入られてるからって、いい子ぶってさ。そんな友情ごっこばっかやってて見てると吐き気がするよ。」



これが、あのユリエ(゚ω゚)?

このキャラの変わり具合は・・・いったい何・・・?



「いったい、何が気にいらないの?客盗れて満足なんでしょ?それで、ゆいにそんな暴言吐くっていったい何がしたいわけ?」



アヤが続けて怒る



「友情ごっこが気に入らないのよ。そんな遊び気分でやってるから、簡単に客盗られてるんでしょ。」




カチーン


さすがに、これは頭に来たぞ



「あ、そう。友情ごっこが気に入らないの・・・」



やっと言葉を発した私に視線が集まる



「あんたはごっこだったかもしれないけどね。こっちは真剣に協力して行こうと思ってやってんの。あんたがうざったいと思おうが、真剣なんだよ。」



「そんな青春気分でやってるから、客盗られるんだよ。水商売なんて自分ひとりの努力なんだから。」



「じゃぁ、あんたは1人でやっていけるわけ?店の誰にも協力してもらわないでやっていけるわけ?」



「本来水商売ってそう言うものでしょ。利用できる物だけ利用する。それで、のし上がっていくものでしょ。」



「じゃぁ、指名かぶっててもあんたはヘルプがいらないわけ?客を1人にさせておくわけ?そんなんで、客満足させられるとでも思ってるの?」



「指名呼べなくて、ヒマしてる子がするのがヘルプでしょ。指名呼べないのに仕事あるんだからいいじゃない。指名呼べないんだから、ヘルプするのが当たり前でしょ。」



もう、私は半分呆れてきていた



「ヘルプって助けるって意味だよ?助けてもらってるんだから、感謝すべきなんじゃないの?それでも、1人でやっていけるとか思ってるの?」



「ヘルプがつくのは店のシステムでしょ。客盗る気でヘルプにつけばいいじゃない。指名いないんだからさ。なんだかんだ、客盗られてくやしいんでしょ?そのいい子ぶって表に出さないのがうざったいのよ。」



「あんたいい加減にしなよ!」



アヤがユリエにを睨む






「仕度できたかー?」


タイミング悪く店長が更衣室の扉を開ける



その、ただならぬ雰囲気に躊躇するが



「ユリエ客待ってるぞ。早くしろ。」



そう言ってユリエを連れて出て行った







しばらく、沈黙が続く更衣室



「なにあれー!!!」



アヤが叫ぶ



「最低ですよー!!」



ミレイも叫ぶ



周りの女の子達も同意の声を発する



「いやー・・・びっくりしたね。」



私が、気持ちを言葉にする。



「やっぱ、あの人のヘルプ着きたくないです。この前ゆいさんに言われて仕事と思ってやったけど、もう嫌です。あんな事考えてる人なんかのヘルプは嫌です。」



ミレイが怒り散らす



「私もミレイに同意だね。」



アヤが言う



「私も・・・」


他の女の子達も同意を示す



「最低な考え方だね・・・。さすがに、許しがたいよね・・・これは・・・」



どうしたものか・・・



「とりあえず・・・仕事しよっかね・・・。たぶん、店長にいろいろ聞かれると思うし、聞かれた子は自分の思ったこと話しちゃっていいと思うよ。なんだか、同じ仕事仲間として認めたくなくなってきた・・・。」



そう言って私は更衣室を出た



アヤとミレイも後から出てくる




「ゆいちょっと来い。それからアヤとミレイも・・・。」



さっそく、店長から呼び出しがかかる


3人で目を合わせながら店長の元に行く




「何揉めてたんだ。最後の方ちょっと聞こえたけど。ユリエと揉めてたよな。」



「揉めてたよ。」



私が答える



「なんで、揉めたんだ?」



んー・・・めんどくさ!!



「私、こうちゃんVIPに待たせてるし、後でいいでしょ。」



「私が話すから・・・ゆい、こうちゃんの所いきなよ。最後なんだし、楽しんでおいでよ」


アヤが言う



それを聞いて、アヤとミレイと店長を残し私はVIPルームに向かう




こうちゃんと最後なのに、気分悪い出だしになっちゃった・・・


また、こうちゃんに何かあった?って聞かれそうだな


最後くらい、しっかりキャバ嬢しなきゃ!