「やっぱり、阻止できなかったか」



たけぴーが店内を眺めながら呟いた



「うん・・・。せっかく忠告してくれたのにね(●´ω`●)ゞ」




「いや、気がついててもあの子の方が上手だっただろうな。」




「ま、仕方ないよ。気にしないって決めたんだ。」




「そうか。ま、いなくなった客の分もたけぴーが使ってやるよw」



たけぴーが笑いながら言った



「あはは。期待してます。でもね、たけぴーはお金とかそういうの考えて飲んで欲しくないかな。一緒に楽しく飲んでいられればいいよ。たけぴーはお金とか、いつもくるからとか、そう言うんじゃなくて・・・私も一緒にいて楽しいから。だから、今回の事も気にしないで。」




それを聞いてたけぴーは満足そうに笑った


たけぴーがそう思ってくれるだけで、私は嬉しかったんだよ






そうは言ったけど

失った客の数はでかい



一人一人の売り上げを考えれば大幅な給料ダウンも考えられる

今の指名がかぶってる状況で、フリーについて新しい客を掴める確率ってのはかなり低くなってきている

どうやって客を増やしていくか・・・

どうやって売り上げを増やしていくか・・・



今いる客にムリさせるのも嫌だし・・・

急に高いボトルいれさせようとしたら、客も不審に思うだろうし・・・


ドリンクバックで地道に稼ぐしかないのかな・・・






「いらっしゃいませ~」




前の私の客がユリエ指名で来た

ここぞとばかりにユリエは客を呼んでるようだ




「今期のNO1はユリエかな。」


たけぴーが呟いた



「そうかもしれないね。」


まず、私ではないだろう・・・





「失礼します。少々ゆいさんお借りします。」



付回しが私を呼びに来た



あれ・・・?まだ席まわりの時間じゃないはずなんだけどな・・・。







席を離れ付回しのところへ行く





「何??どーしたの?」




「アヤの席でな、お前場内だ。」



「え??でも、この状況じゃそんなに席につけないよ?」



「いいんだって。とりあえず、場内指名するから一緒に一杯飲んでくれればいいそうだ。」



「え・・・?なにそれ?そんな不思議なお客さんいるの?」



「ま、そう言う事だから、とりあえず、席行ってくれ。」



「はーい。」



一緒に一杯飲むだけのために場内?なんじゃそりゃ?





「こんばんは、ゆいです。」



そう言ってアヤの席に着く



「きたー♪」



「お邪魔します(*´∇`)」


いまいち、なぜ場内指名されたのかわからないから、おそるおそる接客に入る



「ゆいちゃん、はじめまして。いつもアヤから話は聞いてるよ。」


... Σ(゚ω゚)?


「それ、変な話ですよね・・・w」



まぁ、変な子として話されてるなら、おもしろキャラで場を盛り上げなければ(`・ω・´)

場内指名してもらった恩は返すぜ!アヤ!!



「いやいや、仲良いって事をいつもノロケられてるんだよ。」



(´゚ω゚):;*.':



「え・・・?w」



「普段からね、ゆいの話とか結構してるんだよね。それで、この前一番仲良いのは誰?って。それで、ゆいだよーってなってね。ゆい、体調崩して休んでたじゃん。ずっと場内できなかったからさ~。今日したの~。」



「あら、虚弱体質なものでサーセン(´・ω・`)その分神経図太いんで(*´∇`)」



しかし、それだけで場内指名とか貰ってしまっていいんですかい・・・?



「いつも、忙しそうだし、場内しても迷惑かなーって思ったんだけどね。」


アヤの客が苦笑いしながら言う



「いえいえ、迷惑なわけないじゃないっすか。逆にたいして着けないのに場内してもらっちゃうなんて申し訳ないくらいですよ(´・ω・`)」



「ま、そんな気遣いはお互いやめて飲みますか♪」


アヤがさっくりまとめたw





久々に着いた自分以外の指名の席

忘れがちだった、初見のお客様への接客の仕方、ヘルプの仕方を少し思い出し

なんだか、少し新鮮な気分になれた




「ゆいちゃんてお酒強いんだってね~。」


お客さんが唐突に言う



「あー・・・弱くはないとは思います。」



「いや、めっちゃ強いよ。」


アヤが言い直す




「・・・じゃ、強いって事で(*´∇`)」




「お酒何が好きなの?」


「アルコールならなんでも好き(*´∇`)じゃ、理科室のエタノール飲んでろってなりますよね(´・ω・`)」


実際、何が好きとかはあんまないんだけど・・・

楽しく飲めれば、お酒なんてなんでもおいしく感じるもんだし・・・


「σ(´ x `;*)ンート・・・。ブランデー?もしくは日本酒の辛口を冷で飲むのが好きです(*´∇`)」



「本当、酒強いんだね・・・。」



(´゚ω゚):;*.':



「だから、言ったじゃん~。半端なく強いって」


アヤが付け足す



「じゃぁ、ブランデーいれよっかな。」



Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)?



「わーい(*´∇`)」


アヤは喜んでるが

この展開は何・・・?



「え、いれるんですか??」


思わず聞き返す私



「うん。俺もブランデー好きだし、ゆいちゃんの好きなブランデーいれとけば気兼ねなく場内できそうだしね。」



場内って・・・思わずアヤの方を見る

アヤはいいからって顔で頷く


「んじゃ、ブランデーも場内も喜んで頂いちゃおうかな~(*´∇`)」




たぶん、アヤなりの私へのフォローなのだろう

それが、すごく嬉しかった



客を失ったのは痛いけど

それでも、こうやって助けてくれる仲間がいる

そう思えたことが、本当に嬉しかった



この店で働いてて本当に良かった

そう思えた瞬間だった