高校生のときにね、とっても好きになった男がいたの。
でもその彼は、私の友達(A子)を好きになった。よくある話。A子は、他に好きな男がいたし、私が彼のことを好きなを知っていたから、アプローチを拒んだ。
彼は、ショックでもう一人の友達(B子)にアプローチをした。B子はそれを拒みきれなかった。
彼とB子がおかしいとは思っていた。
A子に相談した私は、彼がA子にアプローチしたことをA子の口から聞くことになってしまった。B子はB子で、さすがに私のことが怖かったんだろうと思う。彼とB子が付き合い始めた事実は彼から聞かされた。
でも、どうしても彼のことをあきらめきれなかった。
「近くにいさせて」とお願いをした。
たぶん、彼とB子は長く続かないなというのはなんとなくわかっていた。実際、彼はB子のことで悩んでいたし、それが相談できるのは私しかいなかった。
複雑な立場で彼の近くに私はいた。
二人の関係は1年とは続かなかった。
だからといって、私は彼と一緒になることはできなかった。
時期を逸してしまった。そして、ちっぽけな、私のプライドがそれを許さなかった。

そうこうしているうちに、彼が就職で東京に行くことになった。
「待って欲しい」ともなんの約束もなく…。
何度か帰省したときに、逢ったがそれも何時間か。男女問わず友達がたくさんいる人だから、私はものの数にははいってないこともわかっていた。

最後に逢ったのが、THE ENDです。

その頃、携帯電話もなかったし、もう二度と連絡をとることもできないなと覚悟を決めて終わりにしたつもりだった。

そうして、彼も、私もお互いに別々の配偶者を見つけ、結婚した。
一度、実はお互いの配偶者と一緒に偶然スーパーで出くわしたことがある。二人とも固まってしまって、目を合わせたまま何もできなかった。
よく考えたら、常に、私は彼に似た人を探していた。