最初に説明・指摘されたポイントは、大まかに分けるとこんな感じです。



A.退去立会いに診断士が同席する重要性。


通常、転居の立会いは賃借人と管理会社の両者だけで行われるもの。

ほとんどの賃借人は素人同然で、業者から上手い事言い包められる可能性があります。

そこで立会い終了後に、診断士に依頼が来るケースも結構あるらしいんですが、
すでに転居した後では診断士が部屋の状況を見ることができないため、

後日査定する際に重要になる破損状況の把握が難しいとのことでした。

更に一度立会いが終わった後に、賃借人が診断士同席させる目的で再度立会いを希望しても、

実際過去に何百件と依頼があった中、実際受け入れてくれた業者は過去に数例しかなく、

再度立会いを希望するのは、極めて難しいんだそうです。


私の場合、もう立会いまで10日後に迫っていましたが、

幸運なことに、立会い日に平田氏のスケジュールがたまたま空いてたようで、

立会いには同席してもらうよう、お願いしました。

ただ、ここで一つ注意すべきなのは、診断士は弁護士ではないということ。

あくまで賃借人のアドバイザーとして、退去立会いに同席してもらうだけです。

そこで診断士が仲介業者側と直接交渉したら、弁護士法に抵触します。


B.費用について


今回の立会い調査費は交通費込みで約28,000円。

内容は依頼から立会い同席、その後の大家側から来る見積もり書の是正、アドバイス等です。
金額は、診断士宅から依頼人の物件までの交通費、物件の広さ、敷金金額によって変動するようです。

今回のうちの状況では、元々法的に根拠の無い敷金引き契約であるということと、

このまま素人の私一人で立会いをすれば、敷金が返還してもらえないだけではなく、

更に補修費用を過剰に請求されることも十分に考えられますので、決して高い金額じゃないと思います。

また、費用支払いは立会いでお会いしてから現金でお渡しするということでした。


C.敷引き、原状回復の問題と社会的意義


敷金問題や原状回復トラブルというものは、社会問題であって全事案、訴訟対象だということ。

結果は始めてみなければどうなるかわからないし、敷金が希望通り返ってくるというのは、

約束できないという話でしたが、いずれにしても借主が主張しなければ話は進みません。

立会いまでの準備、立会い同席、その後の交渉についてのサポートを、


国のガイドラインに沿って行うとの事でした。

また最悪、訴訟となった場合、当然ですが別途費用が必要となり、

再度意思確認が必要と説明がありました。


D.室内チェック、事前のアドバイス


・ペットによる損傷含む故意・過失等についての修繕は当然賃借人の負担。

・但し入居時からの損傷等は立会い時に正当に主張するべき。(入居時撮影した写真があれば尚可)

・引越の際にできるキズなどについては十分注意する。

・電球切れ・網戸破れ・洗濯機排水口エルボー・浄水器設置時は水道蛇口先の金具なども要確認。

・その他、畳・襖・障子・網戸などは消耗品だが、故意・過失などあれば100%の修繕は必要。

・消耗品及びフローリングは減価償却の対象ではない。

・退去立会いまでにやれるだけの清掃と目立つ損傷箇所などを確認、多少の修繕はできる範囲内で自力でやること。

・借主による修繕と、業者による修繕は、たとえ同じ修繕でも費用が異なるので、可能であれば目立たないように修繕。


※但し、ご自身で修繕しても目立つなら業者の修繕は必要となるので、その場合、修繕した費用や労力などが無駄になる。余計にひどくなるかどうか推測して、まずは目立たない箇所から。逆に何もしない方がいいケースも。



E.退去立会い当日までに済ませておくこと


1.室内のものをすべて搬出すること
①借主(入居者)様が室内に搬入したものはすべて搬出。エアコン・照明器具・ウォシュレット等で残していきたいものは、家主または管理業者に相談を。新しく綺麗なものでも勝手に残していく場合には、残置物処分・廃棄料金を請求されることがある。
②一般のゴミなどは、指定されたゴミの日に出すことができない場合があり、事前に家主または業者へ相談を。
※残置物・ゴミ等は無い状態で退去立会いを。

2.頑張って清掃を
引越し中は大変多忙ですが、引越後に出来るだけ時間に余裕を持って清掃を。退去立会いに来る家主または業者に与える印象によって、敷金返還交渉の成果も変わってきます。
(窓・サッシ・キッチン排水口・ガステーブル廻り・換気扇・浴室排水・空調・・掃除等、キッチン・浴室浴槽トイレの水アカなど)  
設備にエアコン付の場合は、表裏面と廻りを綺麗に拭いてフィルターのホコリなどを綺麗に清掃を。但し、専門的な業者の洗浄は不要。あくまで借主(入居者)の善管注意義務の範囲内で。

3.退去立会い当日に必要なもの
 ①契約書原本、及び コピー1部 (コピーは事前に送付済み・メール添付の場合などは不要)
 ②立会調査諸費用、及び 依頼書 (依頼書は当日持参しますので借主名にて捺印を)
 ③お部屋の鍵 (入居時預かった本鍵、並びに合鍵のある場合は全部)

※なお敷金診断士平田氏には、今回の件をブログで紹介する旨の了解を得ています。


とにかく立会いまでに、自分でやれる範囲で、完璧に掃除しとけってことですね。


翌日から、掃除しまくる日々が続くことになりました。


その団体というのは、「日本敷金診断士会 」というところで、

退去時の敷金返還に伴うトラブル全般を、全国にある支部で相談、依頼できるところでした。


藁をも掴む気持ちとは、こういうことを言うのでしょうか。


とにかくもう時間がありません。


速攻、サイトに記載された電話番号へ連絡して、福岡支部を案内してもらいました。


福岡支部に電話すると、敷金診断士の平田氏が対応していただきました。


電話で今までの経緯、部屋の破損状況、敷引きの契約内容などを説明をして、


平田氏より診断士の活動目的、依頼後の流れ、料金などの説明を受け、正式に依頼しました。



平田氏のアメブロ がありますので、紹介しておきます。


興味のある方は、ご覧いただけたらと思います。



具体的に物件が特定できるような詳細は書けませんが、次記事に記載します。

このマンションの契約内容はざっとこんな感じです。



家 賃 5,7000円


敷 金 228,000円(家賃4ヶ月分)


保証金 171,000円(家賃3か月分)


更にペット特約というものがあって、ペットによる損傷等があれば、別途補修実費を支払うとしてあります。


つまり、228,000円のうち、171,000円は確実に取られた上に、


部屋を完璧、綺麗に使用してた場合のみ、残金57,000円が返金されるという契約なんです。



前回の写真のような犬による損傷は、当然こちらに過失はありますし、


特約に則ってその費用は負担するつもりでした。


しかし、あのドケチな大家と怠慢な管理会社なんですよ。


法外な請求をされる可能性も十分考えられます。

それに理不尽に強制徴収される、敷引き契約ってどうよ?という素朴な疑問も沸きます。


そこでまず、敷金トラブル関連をネットで調べてみました。


すると出るわ出るわ、ほんと世の中、敷金のトラブル多いんですね・・・。


中には、訴訟問題まで発展して何年も争っているというブログまでありました。


長期的に争うモチベーションもないし、諦めるしかないのか・・・。


そんなことが頭によぎりながら、とある敷金解決を小規模にやっているサイトを発見し、


とりあえず電話してみました。



すると、ペット特約もあるし、破損状況などからして、あまりにも破損が酷すぎるので、


とりあえず自力で補修するとか、リフォーム業者を呼んで、


自腹切って補修を依頼するくらいしか対策取れない、


それでもダメなら、立会い後にもし過剰請求されてから、


弁護士などに依頼して、法的で争うしかないと言われました。


うーん、精々破損箇所は玄関のクッションフロアと襖くらいだし・・・、自腹切るか・・・。

と思って、近所のリフォーム業者を呼び、見積もりしてもらったところ、



業者「これは酷いですね、うちだと玄関で5万、襖で計2万は見てもらったほうがいいでしょうね。」


「そんなにかかりますか?」


業者「それでも恐らく管理会社手配の内装の半値だと思いますよ。」


「そんなに高いんですか??」


業者「彼らの相場は、あってないようなものですからね。」



ちょっと待った・・・。


ここの契約は敷金引き。


個人で補修したとしても、敷金が余分に返ってくる契約ではありません。


最高でも家賃一か月分の57,000円しか戻ってきません。


・・・結局リフォーム業者に補修してもらうのは断念しました。



そこで、自力で補修できないものかと、ホームセンターなどで補修材料を見に行きましたが、


壁紙のちょっとした穴を塞いだり、フローリングの傷隠し程度のグッズくらいしか、自分にはできません。


玄関のクッションフロアの補修もできないこともないですが、何せ自分のスキルがありません。


せっかく道具を買い揃えても、失敗に終わったり、最悪余計酷くなるかもしれない。


そんなことを思ってたら、とてもじゃないけど、大掛かりな補修を自分でやる気には起こりませんでした。



ただ、ホームセンターに行って一つだけ収穫が。


それはクッションフロアの単価がわかったことです。


リフォーム業者は5万の見積もりを出してました。


これは玄関床約10㎡の全面張替えでの見積もりです。


ホームセンターに同柄のクッションフロアが売ってましたが、


1メーターあたりの単価は700円、ヘラなどの道具、接着剤を揃えたとしても1万位でしょうか。


となると・・・。


安いと思ってたリフォーム業者の見積り額でさえ、ボッタくり金額だったんですね。


しかも、業者が言ったように、見積もりの倍、10万くらいの補修費用が最悪取られるとしたら・・・。


当然、人件費やその他経費はかかるでしょうが、それでも酷すぎる金額です。


それに敷引き後に返金されても最高で57,000円です。


仮に、ペット特約対象の破損として、10万円の補修費用が請求された場合、


逆に43000円を支払うことになります。

このままだと敷金丸々取られ、なおかつ補修費用を更に請求される可能性があります。



うーん、どうしたものか・・・。


仕事も抱え、嫁は私に丸投げしているので、時間だけが過ぎていきます。



立会い日から10日くらい前だったでしょうか。


友人から敷金返金専門の全国展開している団体を教えてもらい、連絡してみることにしました。


つづく。

転居先が決まりました。


で、まずやらないといけないこと。


それはマンション退去通知です。


一月以上前に連絡しなければなりません。


そこで、押入れの奥にしまってある契約書を引っ張りだして、退去通知用ハガキを探しましたが、


・・・・ありません。


通常、契約書の冊子に挟まっていますが、どこを探しても無い。


仕方が無いので仲介業者へ連絡すると、手違いでハガキ入れてなかったとのこと。


・・・・どこまでズボラなんですかねえ、この会社は。


急いでいたので、直接仲介業者へ赴き、その場で退去連絡をします。


退去手続きはすんなり受理してもらいました。


しかし、退去最終日に立会いをするとのこと。



立会いなんて、今まで経験がほとんどありません。


今回は、ペット飼育状態で結構破損していた部屋です。


何せ、うちの犬が色んなところにイタズラして、破損している箇所があります。


その惨状の写真を、資料用に撮影していたのでアップします。




まずは玄関。


敷金返還奮闘記



敷金返還奮闘記


元々のフローリングに、クッションフロアが貼られてあったのですが、


長年の入居で、縁のほうから粘着力が落ちて剥がれかけていたところ、


犬が遊んで引きちぎってしまい、こんなになってしまってます。




次に襖。


敷金返還奮闘記


敷金返還奮闘記


敷金返還奮闘記


和室2間にある計12枚の襖のうち、一番酷かったものです。


一枚目が一番酷いですが、中心部の木枠まで見えてますね・・・。


長期間入居していると、どうしても襖に小さい穴とか開いてしまいますよね。


最初のころは、そこに紙を貼り付けて補修してましたが、


それでも剥がしたりして、結局ビリビリやぶいてしまうんですよね・・・。




あとは壁紙の亀裂による穴。


敷金返還奮闘記


敷金返還奮闘記

上の写真は物をぶつけた時にできた裂け目で、


下の写真は壁材が崩れてたところに、何かがぶつかって壁紙が剥がれてしまいました。



和室が2間あるので当然畳なんですが、上にウッドカーペットを敷いていたので、損傷はありません。


ただ気になるのが、この物件築年数が25年以上経過しています。


過去の入居者のものだと思われる傷や破損が、至るところにあります。


しかし、勉強不足だったんですね。


入居前に、そんな傷や破損を写真で抑えているのは、数枚しかありません。


退去日に立会いがあるということで、このままではいくら取られるのかわからない・・・。


漠然とした危機感が沸いてきました。

もう3年近く物件を探している状況でした。


しかし、なかなか良い物件が見つかりません。


不況とは言え、良い物件はそう簡単には空きが出ないようですね。


それにうちが希望している条件も結構厳しく、ネックになってました。



まず多頭飼いが可能なこと、これは絶対条件。


他にも鉄筋、オートロック、風呂トイレ別、2LDK以上、駐車場有り、2階以上、駅近郊、


そして防音性を求めるために、築年数の浅い物件。


最低でもこれだけの条件を出してました。


まあ、家賃の上限を決めなければいくらでも出てくるでしょうが、さすがにそれは経済的に無理です。


そこで、全込み9万前後に設定して、知人の紹介された信頼できる仲介業者に探すように頼んでいました。




そんな折、6月入った頃にその仲介業者から連絡がありました。


「例の物件、今月で空き出るそうですよ。良い物件なので、情報公開する前にbrunoさんに連絡しました。」


とのこと。


例の物件とは、うちが出した条件とほぼ合致しているからと、1年ほど前に外観のみ案内された物件でしたが、


今は満室なので、もしここが空くまで探しているような状況なら、


空室出たら連絡すると言われていた物件です。



知り合いの業者は、信頼できるオーナーと管理会社だと言ってましたが、


何せ前回もそんな上手いこと言われて、あの有様です。


即決はできないと彼に告げ、疑心暗鬼で見学に行くと、


マンション内に住むオーナーから丁寧な挨拶があった上に、


設備や犬の吼え声で神経使う防音性についても、丁寧な説明をしてもらって、


嫁共々一目惚れ状態でした。


ま、あのマンションの大家の酷さを経験していたので、より一層そう感じたのかもしれませんが・・・。

数日のうちに手付金を支払って即仮契約し、7月末に転居予定で日程を組むことになりました。



『安かろう、悪かろう』という諺がありますが、今のマンションは、まさにこれを痛感させられました。


やはり安い家賃を設定しているのには、必ず何かしらの理由があります。



うちのケースは、こんな感じで悪循環に陥ってました。


①大家、管理会社の管理不徹底。

②モラル無き入居者だけが居続け、常識のある入居者は我慢できず短期間で退去。

③空室が多くなり、入居率を上げるために家賃を下げる。

④更にモラルの無い入居者が増え、常識のある入居者は(以下略)。

③に戻る。


という感じですかね・・・。


前述のAさんも、先月退去したと連絡がありましたが、なんと空室は24戸のうち13戸もあったと言ってました。


恐らく今後もこのマンションは、モラルの低い入居者が増殖しまくっていくんでしょうね。



次回から、敷引き関連の話に移っていきます。