第四十七話「磁気嵐宙域での戦パート2」



そのころ赤色巨星の迂回ルートと同様に白色矮星の迂回


ルートに向った敵遊撃艦隊では



テレーダ遊撃艦隊指令!間もなく白色矮星の外延部の縁の


宙域に到着します。


ここから先は白色矮星の重力に向って磁気嵐が吹き荒れて


いる宙域です。これまで誰もこの宙域に来たことがありません


でした!只今、この宙域の探索を開始しています。



テレーダ「うむ。」



検索データ出ました。この磁気嵐の中に回廊と思われる


航行可能な宙域を発見しました。


敵艦隊は恐らく我々がこの宙域から出て来るところに布陣


しているはずです。



テレーダ「うむ!そうだな~ここから先はレーダーが至近


距離しか効かずエネルギー弾は磁気嵐に流され使用不能


となる。敵艦隊は2万隻と云う報告だが我が3万隻の艦隊


にこの中で勝てる訳がないからな~」



はい!指令!



テレーダ「全艦!戦闘用意!我が艦隊はこれより回廊内に


突入する、この宙域を突破し出口で待ち受けているであろう


敵艦隊をを叩く!全艦!磁気嵐の回廊内に突入しろ!」



了解しました。全艦!戦闘準備完了!突入開始!



同じく銀河連邦地球第9艦隊では



ハルゼー指令!白色矮星からつらなる磁気嵐帯を確認しま


した。前方!2万5千宇宙キロ!磁気嵐帯は80万宇宙キロ


にも上る広大な宙域です。想定より遙かに大きいです。航行


にはかなりの危険を伴う難所ですね~



ハルゼー「うむ。だが敵は必ずこの宙域を突破してくる。至急


この宙域のデータを収集しろ!」



はい!了解です。只今計測中です。ピーピーピー・・・データ


出ました。磁気嵐帯中心部に航行可能な宙域を発見しまし


た!これは!回廊と言っていいのでしょうか?磁気嵐帯の


中にアステロイド帯が混在する地点があります。


このアステロイド帯は重力場の位置関係で今は固定されて


いますが不安定な状態だと思われます。この宙域で交戦し


重力場を乱せばその反動でアステロイド群が磁気嵐に流さ


動き出し大変なことになります。この宙域での戦闘は両艦


隊にとって致命傷になるでしょう。



ハルゼー「ほう~そうか!そんなところがあったか!これは


チャンスだな~敵艦隊を旨くこの宙域に誘い込むんだ。


我が艦隊がアステロイド帯を通過した後に砲撃を開始して


奴らを一気に叩く!奴らは我々にプラジューム弾があるのを


知らないからな~」



はい!それは名案ですね。指令!この宙域で砲撃をすれば


アステロイド群が重力に耐えられず磁気嵐の流れに乗り敵


艦隊に当たり敵艦を破壊してくれますね。



ハルゼー「よし!全艦!磁気嵐の回廊内に突入せよ!突入


次第、敵艦隊索的に全力を注げ!」



了解しました。全艦!磁気嵐の中に突入します。




そして2時間が経過




テレーダ指令!レーダーに反応!敵艦隊発見しました。


距離3万宇宙キロ!敵艦隊総数約5千隻です。


敵艦隊の偵察の前衛艦隊かと思われます。


敵艦隊も我が艦隊に気付いた様子です。回廊内銀河側に


逃げて行きます。



テレーダ「ほう~奴らの偵察艦隊か~我が3万隻の艦隊に


対してたったの5千隻の艦隊では逃げるしかあるまい。


ワハハハ~よし!艦対艦ミサイル発射用意!追って奴らを


血祭りにしろ!」



ハッ!了解しました。ミサイル発射準備完了しました。


機関 全速!敵艦隊を追え!



敵艦隊逃げていますので艦対艦ミサイル有効射程距離内に


中々入りません。



テレーダ「くっ!まだ撃つなよ!確実に仕留められる距離まで


待つのだ!主砲が使えないのがもどかしいな~この回廊を出


たら主砲で貴様らの息の根を止めてやるからな~」



ハルゼー指令!敵艦隊発見しました!左舷後方、3万宇宙


に敵艦隊総数約3万隻!大艦隊です!



ハルゼー「全艦!艦砲射撃及び艦対艦ミサイル発射用意!」



了解!全艦!艦砲射撃及び艦対艦ミサイル発射用意完了し


ました。



ハルゼー「うむ!大艦隊だな~いいか!ここは逃げの一手


だ!いくらプラジュウム弾の艦砲射撃が出来るからと云っ


これだけの大艦隊を相手にするのは厳しいからな~


全艦!左舷に転回!進路を作戦宙域に取れ!」



了解です。全艦!左舷に転回!進路を作戦宙域に取れ!


急げ!



テレーダ「おい!まだ追いつかんのか!」



はい!この宙域ではこれ以上のスピードを上げると磁気嵐


の中に含まれる細かな微粒子が艦のレーダー部分に付着し


レーダーが効かなくなる危険性があります。



テレーダ「ふん!どうせこの宙域ではレーダーは大して役に


立っておらん!有視界航行でも充分に敵の動きを掴める


だろう~それよりも敵の5千の艦隊を先に沈めておいた方が


この宙域を出て待ち構えている敵艦隊を潰しやすくなるだ


ろう!」



はい!おっしゃる通りでございます。この宙域にこれ以上


危険な場所が存在しなければレーダーに支障をきたしても


たぶん大丈夫ではないかと思われます。



テレーダ「よし!それならば行け!全艦敵艦隊を追い詰


めろ!」



了解しました。全艦!第二選速!航行開始!



ハルゼー指令!敵艦隊!速度を上げました。追いつかれ


ます!



ハルゼー「うむ!敵はこの磁気嵐の宙域を無理して速度を


上げて来たか!レーダーが効かなくなるぞ!だが、それは


こちらに取っては思う壷だ!よし!こちらも速度を上げて


艦対艦ミサイルで迎撃しながら敵艦隊を例の宙域まで誘き


寄せるんだ!敵はレーダが効かないから例の宙域が危険な


場所であることを察知出来ないぞ!」



はい!了解です。全艦!第二選速!艦対艦ミサイル


発射用意!



テレーダ指令!敵艦隊もこちらの動きを察知して速度を上げ


ましたが、初速の違いでミサイルの有効射程まで追いつき


ました。



テレーダ「よし!全艦!艦対艦ミサイル発射せよ!」



了解しました。全艦!艦対艦ミサイル発射します!



ハルゼー指令!敵艦隊!ミサイルを発射しました!


ミサイル無数、来ます!



ハルゼー「よし!こちらも艦対艦ミサイルで迎撃しろ!」



了解!ミサイル発射します!



ヒュ~ドカン~ヒュ~ドカン!ヒュ~ドカン~ヒュ~ドカン!



ハルゼー指令!敵ミサイルを迎撃していますが数が多過


ぎます!後列の味方艦が被弾しました!



第2射!来ます!うわ~左舷に緊急回避!!回避不能!


被弾します!うわ~ドカン!



後列の艦300隻敵のミサイル攻撃により消失しました。



ハルゼー「よし!しんがりは私が勤める!私の直営の艦


100隻を残し他の艦は直ちに作戦宙域に向かえ!」



しかし!ハルゼー指令!少数の艦で後列は危険です!



ハルゼー「いいから!行くんだ!早く行け!この戦艦


アリゾナが持ちこたえて見せる!」



分かりました。ハルゼー指令!全艦!作戦宙域まで


後退!急げ!



テレーダ指令!敵艦隊の旗艦と思われる艦と僅か100隻


足らずの艦がどうやらしんがりを勤める様です。



テレーダ「ワハハハハ~馬鹿メ!がお前らごときが我が艦隊


を止められるとでも思っているのか!あの敵の旗艦を血祭り


にしろ!」



ハッ!了解しました。全艦!目標!敵旗艦!攻撃開始!