第14話の直後に次の物語はスタートしている。
ただし、俺がそれを認識するのは
そこからだいぶ時間が経ってからだ。
15番目の物語は最終章。
しかしそれは
俺からの視点でしかなく、
「向こう側」は闇の中である。
知りたい。
俺の知り得ない、君からの視点。
君の視点を取り入れた「完全版」は
最高におもしろくなる。
たとえ
それがどれほど残酷であっても。
蠢動の6月
決断の7月
酸欠の8月
付け火の9月
放心の10月
落雷の11月
覚悟の12月
俺の物語の向こう側で
いったい君は
どのように感じ、何をしていたのか。
「もう時効だし」
というわけにはいかないだろう。
君との信頼関係はすでにない。
15番目の物語は完成しない。