”劣化”を楽しむ。
もし音楽をやっていなかったら秋葉原の住人になっていたんじゃないかな?と思っていますw
どうも。森大造です。
本日は「劣化」という現象について想いを馳せたいと思います。
突然ですが皆さんは「世界で一番不味い物」って何だと思いますか?
飛行機への持ち込みが禁止されている、世界一臭い缶詰「シュールストレミング」?
それともタイヤみたいな味のする真っ黒い飴「サルミアッキ」でしょうか?
美食家曰く、世界で一番不味い物は
「海水をろ過した真水」なんだそうです。
雑味もミネラルも何も感じない、完全にクリアな無味無臭の純粋な水分。
なぜ突然こんな話をしたのかというと
ここ数年、ことDTM(パソコンで音楽を作る事)界隈では「サチュレーション」という言葉がめっちゃ流行ってるんですが
ザックリ説明すると、この「サチュレーション」をかけると「なんかいい感じになる」という効果があるんですね(ザックリしすぎですんませんw)
本来、オーディオの理想とは、原音そのままに一切歪むことなくクリアに再生する事にあるんですが
技術が進歩しすぎたのか、クリアに録音出来すぎる音が味気ないという事に皆気付き始めるんです。
そもそもPCに取り込まれた時点で、全ての音は一度デジタル化されているわけですから、どこか無機質になるのも当然です。
そこでプロのレコーディングスタジオではデジタル化された音を編集する際、アナログの機材を使って味付けするわけなんですが
その時にかかるのが「サチュレーション」歪みを加えるんです。
つまり雑味の無いクリアなデジタル音源を「劣化させる」って事なんですね。
もちろん「劣化」させれば何でも良いという訳ではなくて
名機と呼ばれる機材を通すことで「音楽的」な「いい感じ」の味付けが出来るという事なんです。
レコーディング機材ではないですが、僕が愛用しているKlon CENTAURもその一つ。
さて、世の中は数年前からアンチエイジングだの美魔女だの言うてますがw
「いい感じ」に「劣化」した先に、本当に素晴らしい姿があるんじゃないかなぁって
僕なんかは思っちゃいますよねぇ〜w